カテゴリー
工作機械 機械 自動車部品

【勝ち組?】ジェイテクトの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

ジェイテクトは、自動車部品・ベアリング・工作機械などを製造販売するトヨタグループの自動車部品・精密機械メーカー。トヨタ系の部品会社であった光洋精工と豊田工機が2006年に合併して誕生。自動車のパワーステアリング部品において世界シェア1位を誇り、乗用車から大型商用車まで対応できる製品群を有する。日系4大工作機械メーカーの1社でもあり、研削盤・マシニングセンタでも著名。機械部品ではベアリングで世界シェア上位。筆頭株主はトヨタ自動車であり、トヨタグループ主要13社の一角。

POINT

・トヨタGの自動車部品メーカー、ベアリング・工作機械でもシェア大
・売上高・利益は回復傾向だが利益率は低い、財務体質は安定的
・平均年収723万円と愛知県では上位級、福利厚生はかなり手厚い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:63(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用人数は年間70人~100人と企業規模の割には少なめ、うち事務系総合職の採用数は20人ほど。中部地方ではトヨタグループ企業として著名であり一定の人気を集めている。
採用大学:【国公立】名古屋大学・広島大学・静岡大学・信州大学・三重大学・富山大学・徳島大学・名古屋工業大学・豊橋技術科学大学、【私立】青山学院大学・法政大学・関西学院大学・関西大学・立命館大学・南山大学・名城大学・中部大学・豊田工業大学・愛知工業大学(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

ジェイテクトの売上高は2021年に1.2兆~1.5兆円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2023年には過去最高となる売上高1.89兆円に到達している*1。営業利益は2020年には129億円まで低迷したが、2023年には621億円まで回復している。
*1:2023年に売上高が増加した理由は、①主要顧客であるトヨタ自動車の好調による自動車部品の販売好調、②工作機械事業における研削盤・立型マシニングセンターの販売好調、②為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

ジェイテクトは、自動車事業(パワーステアリング・カップリング・ドライブライン・オイルポンプ・トルセンなど)、産機・軸受事業(ベアリング)、工作機械事業(研削盤・マシニングセンタ・切削機・制御機器・プログラマブルコントローラなど)、の3事業を有する。
当社は自動車部品で売上高の約69%を稼ぐため、自動車部品メーカーとして見做されることが多い。とりわけ自動車向けパワーステアリングでは世界シェア首位に君臨しており、ライバルとなる独・ボッシュを突き放す。工作機械においてもCNC円筒研削盤で世界トップシェアを誇り、ベアリング分野では日本精工NTNと並んで三大メーカーとして知られる。

✔最終利益と利益率

ジェイテクトの純利益は2019年に▲37億円に赤字転落*2したが、2023年は402億円まで回復。ただし、2024年には純利益137億円まで後退しており、安定感には乏しい。営業利益率は1%~3%ほどで推移しており、利益率は高くはない。
*2:2019年に純損失▲37億円に転落した理由は、世界的景気減速・COVID-19感染拡大による自動車部品・ベアリングの販売急減が主要因。翌年の2020年も世界的なサプライチェーン混乱による新車生産台数の低迷により純利益の低迷が続いた経緯がある。

✔自己資本比率と純資産

ジェイテクトの自己資本比率は2020年から緩やかな増加傾向が続いており、2023年には48.5%となっている。自動車部品・機械メーカーとしては普通の水準であり、高くもなければ低くもない。純資産は2023年に8,227億円に到達したが、2024年には7,774億円にやや後退。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ジェイテクトの平均年収は680万~710万円ほどで推移しているが、2020年のみ業績悪化により644万円まで低下。大卒総合職の場合、30歳で年収540万~600万円ほど、課長職レベルで年収900万~1,000万円が目安。平均年齢は緩やかな増加傾向にあり、2024年は41.2歳となっている。

✔従業員数と勤続年数

ジェイテクトの単体従業員数は1.1万~1.2万人規模での横這いが続いているが、2020年以降はやや減少傾向がみられる。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4.57万人ほど。平均勤続年数は17.4年(2023年)と大手企業の標準的な水準を上回る。

総合評価

企業格付け:B

自動車部品・ベアリング・工作機械を三本柱とする自動車部品・精密機械メーカー。とりわけパワーステアリングにおいては1988年から世界シェア首位を占めており、伝統的な油圧式パワーステアリングのみならず、モーター駆動の電動パワーステアリングのいずれも高いシェアを占めている。売上高の多くを自動車部品事業が占めるが、ベアリング・工作機械でも高い競争力を有しており、事業多角化に成功した企業でもある。業績においては、2019年・2020年に売上高・利益を落としたが、これはCOVID-19や新車生産台数の低迷などの外的要因による影響。2023年には過去最高となる売上高1.89兆円にまで回復を示したが、営業利益の回復ペースにはやや鈍さがみられる。財務体質においては自己資本比率48.5%(2024年)となっているが、自動車部品・精密機械メーカーとしては特段高いとも言えない水準である。特筆すべきは、主力製品であるパワーステアリングは電気自動車であっても必須の装備である点。将来的に電気自動車が増加した場合においても、業界におけるプレゼンスを失うことはないだろう。

就職格付け:B

トヨタグループに属する企業として、地盤の愛知県ではそこそこ知られた存在。主力製品がいずれもBtoBビジネスのため一般的知名度は低いが、売上高1兆円・従業員数1万人を越える大企業でもある。給与水準においては平均年収は680万~710万円ほどで推移しており、自動車部品・精密機械メーカーとしてはそこそこの水準。大卒総合職の場合、30歳で年収540万~600万円ほど、課長職レベルで年収900万~1,000万円が目安となるだろう。福利厚生においては良好であり、社宅・独身寮はもちろんのこと家賃補助制度もある。家賃補助制度では月額1万~4万円ほどを受給でき、家族構成・年齢に応じて支給額が変動されるため実質的公平を重んじた制度設計。社員向けの保養所・体育館・グラウンドが整備されている他、長期勤続社員には永年勤続旅行も付与。古き良き日本企業の福利厚生モデルを維持している。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:株式会社ジェイテクト(有価証券報告書)