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【勝ち組?】サントリー食品インターナショナルの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

サントリー食品インターナショナルは、清涼飲料水・ソフトドリンクを主力とする大手飲料メーカー。国内最大手の飲料メーカーであるサントリーが2009年に持株会社制へ移行するにあたり、ソフトドリンク部門を担う中核子会社として設立。2013年には東京証券取引所へ株式上場を果たし、長らく非公開会社であったサントリーグループにおける初の上場子会社となった。国民的飲料を多数擁しており、主力ブランドにはBOSS・なっちゃん!・C.C.レモン・オランジーナなどが並ぶ。海外売上高比率が約55%に及ぶグローバル飲料メーカーでもある。

POINT

・サントリーGでソフトドリンクを担う中核子会社、海外売上高比率55%以上
・海外市場の成長で売上高・利益いずれも安定的、財務体質も優良
・総合職・30歳で年収700万~が目安、住宅補助が大いに手厚い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:72(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用数は150人~250名と多い(当社の総合職採用はサントリーグループの採用数に含まれる為)。飲料業界におけるトップ企業の一角ゆえに選考倍率は非常に高い。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・大阪大学・九州大学・北海道大学・神戸大学・筑波大学・横浜国立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・同志社大学・立教大学・法政大学・立命館大学・関西学院大学など(出典:ダイヤモンドオンライン

業績動向

✔売上高と営業利益

サントリー食品インターナショナルの売上高は2021年まで1.2兆~1.4兆円で横ばい*1だったが、2022年からは増加傾向。2023年には過去最高となる1.59兆円に到達。営業利益は長期的に900億~1,400億円での横ばいとなっている。
*1:当社の売上高は2021年まで横這いだったが、内訳は大きく変化している。2016年には国内売上高が8,900億円を占めたが、2022年には国内売上高が6,532億円まで縮小。代わりに海外市場で売上高を大きく伸ばしており、その結果取りて売上高が横ばいで維持された。

✔セグメント別の状況

サントリー食品インターナショナルは、日本事業(日本における飲料・食品の製造販売)、アジアパシフィック事業(ベトナム・タイ・インドネシア・オーストラリア等における飲料・食品の製造販売)、欧州事業(フランス・イギリス・スペイン等における飲料・食品の製造販売)、米州事業(アメリカにおける日本における飲料・食品の製造販売)、の4事業を有する。
当社は海外売上高比率が約55%に及ぶ、グローバル飲料メーカーとして知られる。全社利益の約75%を海外で稼いでおり、もはや海外市場なしに大きな利益を得られないほどに海外進出が進んでいる。アジア市場・欧州市場は国内市場を上回る利益を稼ぐ重要市場である。

✔最終利益と利益率

サントリー食品インターナショナルの純利益は2020年に低迷に見舞われたが*2、長期的には680億~820億円ほどで安定的。景気後退局面も含めて着実に利益を確保できている。営業利益率は8%以上の水準を安定的に確保できており、飲料メーカーとしては高めの利益率。
*2:2019年に純利益が減少した理由は、COVID-19感染拡大による影響。自販機・コンビニなど利益率が高い販売チャネルでの売れ行きが外出自粛によって伸び悩み、減益に沈んだ。

✔自己資本比率と純資産

サントリー食品インターナショナルの自己資本比率は右肩上がりで推移。直近で56.9%に到達しており、財務体質は大いに健全な水準。純資産も長期的な増加傾向が続いており、2023年には純資産1.18兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

サントリー食品インターナショナルの平均年収は1,030万~1,150万円で安定的に推移している。飲料メーカーとしては最高峰の給与水準だが、これは持株会社の従業員のみの平均年収。総合職の場合、30歳前後で年収700万~850万円ほど、課長職レベルで年収1,200万~1,400万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

サントリー食品インターナショナルの単体従業員数は長年に渡って500人規模で安定的に推移しており、極めて少数精鋭の組織。殆どの従業員は事業会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.35万人ほど。平均勤続年数は直近で16.4年と大企業の標準的な水準。

総合評価

企業格付け:AA

国内最大級の飲料メーカーの一角であり、サントリーグループにおける中核会社の1社。国民的な飲料ブランドを多数擁しており、代表的ブランドには『BOSS』『C.C.レモン』『オランジーナ』などがある。ちなみに、当社の事業分野はソフトドリンク分野のみであり、ビール・洋酒などのアルコ―ル飲料分野は(親会社である)サントリーが直接手掛けている。業績においては安定性が高い推移となっており、売上高・利益いずれも景気後退局面も含めて急変動はしにくい。国内における売上高は長期的な減少傾向が続いているが、海外市場における成長で売上高を維持している。財務体質においても相当以上に優良であり、自己資本比率は56.9%(2023年)に達している。安定的な利益体質も加味すれば倒産とはまったく無縁であろう。最近では「コアブランド集中活動」を掲げており、新ブランドの立上げよりも既存ブランドへのテコ入れを重視している(参考リンク)。他方で、世界的な需要拡大が著しいエナジードリンク分野においても商品力の強化を急いでおり、2020年からは『ZONe』を投入(参考リンク)。現在では『モンスターエナジー』や『レッドブル』に続くブランドにまで育っている。

就職格付け:AA

非公開会社の大企業として著名なサントリーグループにおける、唯一の上場企業。かつてサントリーグループは株式上場に後ろ向きであったが、将来的な事業拡大に向けた資金調達手段の多様化の為、2013年に東京証券取引所に当社株式を上場。現在においてもサントリーホールディングスが発行済み株式数の約59%を保有する関係にある。給与水準においては平均年収1,000万円を長期的に上回っているが、これは当社の持株会者の従業員500名のみの平均年収。実際には、30歳の総合職で年収700万~850万円ほど、課長職レベルで年収1,200万~1,400万円が目安となる。福利厚生においては非常に恵まれており、若手社員向けの家賃補助制度においては10万円/月を支給。借上げ社宅制度では自由に物件を選ぶことができるため柔軟な物件選びができる。ネームバリューにおいても申し分なく、食品・飲料メーカーを志す場合には有力候補となる優良企業である。

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出典:サントリー食品インターナショナル株式会社(有価証券報告書)