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電機メーカー

【勝ち組?】コニカミノルタの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

コニカミノルタは、複合機・プリンタ・医療機器・産業機器などを製造販売する大手電機メーカー。1928年に田嶋一雄がドイツ2人と国産カメラ生産を目指して創業、2003年に同業のコニカと合併してコニカミノルタとなった。創業から50年以上に渡って写真・カメラ・光学機器の製造を主力事業としていたが、1970年代に電子複写機に参入。2006年にはデジタルカメラ時代の本格到来を見越してカメラ・写真から完全撤退、現在では複合機・プリンタをコア事業としつつも医療機器や産業機械まで幅広く事業展開。

POINT

・事業多角化・グローバル化した世界シェア第4位の複合機メーカー
・売上高は1兆円規模で停滞、2020年からは深刻な業績不振に直面
・平均年収799万円、平均勤続年数20年以上で従業員の定着は良い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:64(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用人数は年間100人前後と門戸はそこそこ広い。2000年代には優良企業としてハイレベル大学からの就職者も多かったが、最近は業績悪化により難易度がやや低下中。
採用大学:【国公立】名古屋大学・横浜国立大学・熊本大学・岐阜大学・横浜市立大学など、【私立】明治大学・青山学院大学・中央大学・芝浦工業大学・関西外国語大学など(出典:マイナビ2025

業績動向

✔売上高と営業利益

コニカミノルタの売上高は8,000億~1.15兆円ほどで横ばいの推移。営業利益は500億~600億円で推移してきたが、2019年からは営業赤字が連続する業績不振に直面*2。
*1:2020年にはCOVID-19感染拡大による行動制限が実施された結果、主力市場の欧州において販売急落。2021年以降にはCOVID-19の業績影響は軽減されたが、①過去に買収した企業の減損損失、②がんゲノム治療分野における巨額損失、③世界的な物流混乱による供給悪化、により業績低迷が継続。

✔セグメント別の状況

コニカミノルタはデジタルワークプレイス事業(複合機および消耗品、ITソリューション)、プロフェッショナルプリント事業(デジタル印刷システム・印刷サービス&ソリューション)、ヘルスケア事業(画像診断システム、医療向けITソリューション、遺伝子検査・プライマリケア)、インダストリー事業(計測機器・機能性フィルム・産業用レンズ・画像IoT製品など)、その他事業の5事業を有する。
コニカミノルタは事業多角化が進んだ企業であり、売上高の約57%を複合機関連のデジタルワークプレイス事業に頼りつつも残43%を他4事業で支える構造。ただし、過去数年間に渡ってヘルスケア事業は赤字転落しており利益貢献なし。

✔最終利益と利益率

コニカミノルタの純利益は300億~400億円レベルで推移してきたが、2019年以降は純損失が連続。2022年には純損失1,031億円を計上するまでに追い込まれたが、2023年には5年ぶりに黒字転換。営業利益率は業績悪化前においても5%前後の水準であり、そこまで高くはない。

✔自己資本比率と純資産

コニカミノルタの自己資本比率は2016年頃までは50%以上の水準であったが、業績不振の長期化によって直近では38.9%まで低下。純資産は5,000億円前後での横ばいが続いており、成長性はない。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

コニカミノルタの平均年収は直近で799万円と、業績不振の中でも従業員への給与は削っていない。大卒総合職であれば30歳で550万~680万円、課長職レベルで950万~1,050万円ほど。平均年齢は直近では46.5歳に到達しており、やや高齢化が進んだ企業。

✔従業員数と勤続年数

コニカミノルタの単体従業員数は右肩下がりでの減少が続いており、直近では4,269人まで縮小。子会社・関連会社を含めた連結従業員数は約4万人ほど*2。平均勤続年数は常に20年以上で推移しており、大手メーカーの中でも上位に位置。ホワイト企業であることを伺わせる。
*2:コニカミノルタは海外売上高比率80%に及ぶグローバル企業であり、収益の柱は日本国外。日本法人の従業員数は5,000人程度に過ぎず、海外法人の従業員数が圧倒的に多い。

総合評価

企業格付け:CCC

日本国内におけるシェアが低いものの、複合機では世界シェア4位を掌握する大手電機メーカー。ヨーロッパ市場や中国市場では首位争いを競合他社を繰り広げる存在である。COVID-19以降に業績面は苦戦を強いられており、売上高こそ1兆円規模で推移するものの営業損失・純損失が継続する状況。財務体質は過去の蓄積で自己資本比率40%前後をキープするものの、早々な業績回復が望まれる状況である。2022年には4年ぶりに黒字転換する見通しであったが、蓋を開ければ純損失1,031億円を計上して投資家から非難を浴びた。2023年には久々に黒字転換したものの、純利益45億円とまだまだ弱い。

就職格付け:B

業績はやや不安な状況にあるが、ホワイト企業として有名。平均勤続年数は常に20年を上回っており、大手メーカーの中でも上位級。住宅補助として最優良とされる借上社宅制度により従業員負担は30%のみ(7年間)。服装規定は緩くドレスコードなし、ジーンズでの就業も可能。子育て支援の最上位ランクであるプラチナくるみん認定を厚生労働省から取得、育児休職は最長2.3年まで取得可能…と枚挙に暇がない。日本国内での存在感は薄いが、富士フイルムと同様にかつての主力事業から抜本的な方向転換に成功した1社として企業イメージは良好。最近ではプラネタリウム事業のヒットにより各種SNS・TVでの露出もやや増。

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出典:コニカミノルタ株式会社(有価証券報告書)