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【勝ち組?】カシオ計算機の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

カシオ計算機は、腕時計・電卓・電子楽器・電子辞書などを開発製造する電機メーカー。1946年に樫尾忠雄がリレー回路を用いた電子計算機を開発したことで創業、1970年代以降は家庭向けパーソナル電卓”カシオミニ”や腕時計”G-SHOCK”などの爆発的ヒット商品を連発。日本製=安価で高品質のイメージを築き上げた立役者的なメーカー。かつては携帯電話やデジタルカメラにおいても大きなシェアを獲得していたが、スマートフォンの普及による需要激減によって撤退。

POINT

・腕時計や電子辞書などに強み、携帯電話・カメラからは事業撤退
・売上高は2007年から約60%もの減少、利益も微減傾向にあり苦戦
・平均年収は819万円と良い水準、福利厚生もそこそこ良好

✔就職偏差値:66(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用数は年間50人ほどに過ぎず、知名度の高さもあって倍率は相当以上。理系・文系いずれも一定以上の大学からの採用が多い。
採用大学:【国公立】東京工業大学・大阪大学・九州大学・横浜国立大学・電気通信大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・東京理科大学・多摩美術大学など(出典:リクナビ2025

業績動向

✔売上高と営業利益

カシオ計算機の売上高は衰退傾向にあり、直近では2,523億円まで縮小。2008年に記録した6,230億円から約60%の売上減少に直面*1。営業利益は売上高ほどの減少はしていないが、2019年以降は300億円以下にレンジを切り下げ。
*1:2007年に米アップル社がiPhoneを発売後、カシオ計算機はスマートフォンの普及による主力商品の需要激減に直面。①2013年に携帯事業を売却して完全撤退、②2018年にコンパクトデジタルカメラから撤退、など売上高の大きかった主力事業を次々と喪失。

✔セグメント別の状況

カシオは時計事業(腕時計ブランドG-SHOCK・オシアナスほか)、コンシューマ事業(電子辞書・電卓・電子楽器など)、システム事業(ハンディターミナル・電子レジ・経営支援システム・プロジェクターなど)、その他事業(成型部品・金型など)の4事業を有する。
カシオ計算機の屋台骨を支える事業はG-SHOCKをはじめとする腕時計。かつての主力事業である携帯電話やデジタルカメラと比べると売上高の規模は小さいが、世界的ブランド力を有するために利益率も良好。ただし、腕時計以外のコア製品に乏しいため、腕時計が失速した場合には代替が効かない状況。

✔最終利益と利益率

カシオ計算機の純利益は営業利益の縮小に連動して減少傾向、ただし最終赤字にまで転落することは稀*2。売上高が衰退する中でもソフトランディングに成功している。
*2:カシオ計算機が大規模な最終赤字を最後に計上したのは2009年。デジタルカメラ市場の急失速で約230億円の純損失を計上したことがある。

✔自己資本比率と純資産

カシオ計算機の自己資本比率は直近で64.9%とかなり高めだが、安定的な利益体質もあわせて考えれば堅実な財務体質。他方で、純資産は約2,000億円レベルで停滞しており成長性に乏しい。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

カシオ計算機の平均年収は直近で819万円とやや高めの水準であり、売上高2,000億円ほどのメーカーの中では給与水準は良い方。ただし、平均年齢は46歳前後の水準で横ばい推移しており、従業員の高齢化がとても進んでいる。

✔従業員数と勤続年数

カシオ計算機の従業員数は2016年の1.23万人を頂点に減少傾向が続いている。売上高の縮小が続いている為、従業員を増やす動機に欠けるためやむなし。平均勤続年数は18.2年とかなり長めの水準。

総合評価

企業格付け:B

■業界ポジション
G-SHOCKを主力とする電機メーカー。かつてはカメラ・携帯電話など多種多様な主力製品を誇ったが、スマートフォンの普及により撤退。今では腕時計に業績を大きく依存しつつ、電卓や電子楽器を製造する。直近では売上高2,600億円まで縮小しており、大手電機メーカーとは事業規模はもはや比較にならない。時計メーカーとしてはシチズン時計よりも事業規模は小さく、セイコーグループと同格レベル。

■業績動向
縮小傾向。全盛期は売上高6,230億円(2007年)を誇ったが、直近では2,688億円(2023年)まで後退。G-SHOCKは世界的人気を誇るが、2022年以降は中国景気の失速により売上高・利益いずれも停滞。金属製のG-SHOCKのラインナップを拡充してテコ入れを図るが、成果は未知数。

■財務体質
良好。数々の事業撤退を経験したものの損失を最小限に抑えたうえ、過去の利益を蓄積していたこともあって今なお財務体質は良い。自己資本比率は直近で66%と高水準であるうえ、有利子負債は498億円(2023年)に留まる。

■G-SHOCKの状況
2018年ごろには第二次G-SHOCKブームが到来(第一次G-SHOCKブームは1990年代)。欧米・米国・新興国における販売を大きく伸ばした。が、COVID-19の感染拡大を経てブームは沈静化しつつある。再度のテコ入れに向けて、①金属製G-SHOCKのラインナップ拡充、②新興国市場におけるローカルマーケティング強化、を掲げる。

就職格付け:B

■給与水準
直近の平均年収は815万円と、企業規模・業績に対してかなり高めの水準。大卒総合職ならば30歳で600万〜700万円、課長職レベルで990万〜1,100万円ほど。年功序列色が強く、若手社員のうちは給与で大きな差はつきにくい。

■福利厚生
まずまず。家賃補助制度はないが、入社5年目までの若手社員には独身寮が与えられる。時間有給休暇制度を導入しており、1時間単位で有給休暇をフレキシブルに取得できる。セルフBIZ制度と称して、社内における服装を自由化している。50歳以上の社員限定で副業を全面解禁しており、60歳以上のシニア社員を対象に成果主義を導入している。

■キャリア
エンジニア職・経営スタッフ職・営業職の3職種制。エンジニア職は事実上の技術系総合職であり、研究開発・設計・生産技術・品質保証などに配属される。経営スタッフ職と営業職は、国内営業・海外営業・購買・IT・人事・総務などに配属されるが、職種間を跨ぐローテーションも珍しくはない(エンジニア領域への異動はなし)。最近では若手登用の機運もあり、30代での課長職も誕生している。

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出典:カシオ計算機株式会社(有価証券報告書)