本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
エバラ食品工業は、焼肉タレ・すき焼きタレ・調味料を主力とする食品メーカー。1958年に森村國夫がソースメーカーとして神奈川県横浜市で創業。1968年には『焼肉のタレ』を発売し、醤油ベースの日本人好みの味付によって人気を博した。1969年にはすき焼きタレを開発し、繊細な味付けが必要な割下のインスタント化に成功。1978年には果実を使用した高価格帯調味料『黄金の味』を発売し、主力ブランドへと成長させた。1980年代には群馬・栃木に工場を設立し、生産能力を増強。1990年代には物流子会社・エバラ物流を設立し、物流機能を取り込んだ。2005年には中国に現地法人を設立して海外展開を本格化し、その後は台湾・シンガポール・タイ・マレーシアなどアジア各国へと拡大している。現在では、家庭用調味料の複数カテゴリーで強固なブランド力を確立しており、焼肉タレで国内シェア約40%以上、すき焼きタレで国内シェア約60%を誇る。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:61(中堅上位)
日本人なら誰もが知る調味料メーカーであり、一般知名度は極めて高い。給与水準は食品業界でも中堅上位にあり、業績の安定性も高い。国内比率が高いため、国内で長く働きたい場合に向く。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
総合職の採用数は年間7人~13人と非常に少ない。日本人なら誰もが知る企業かつ企業イメージも良好であるが故に、選考倍率が極端に高くなりやすい。相当の難関企業である。
採用大学:【国公立】九州大学・広島大学・新潟大学・岡山大学・滋賀大学・岐阜大学・東京農工大学・京都府立大学など、【私立】早稲田大学・上智大学・中央大学・青山学院大学・立命館大学・日本大学・東洋大学・専修大学・中京大学・東京農業大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
エバラ食品工業の売上高は2021年まで510億円レベルで推移していたが、2022年に433億円まで下落*1。同年以降は緩やかな回復傾向にあり、2026年は売上高500億円となっている。営業利益は2021年に過去最高となる36.3億円まで増加したが、同年以降は20億~33億円ほどで推移している*2。
*1:2022年に売上高が減少した理由は、収益認識に関する会計基準を適用したことが主要因。それまで販売促進費・リベートとして計上していた一部費用を売上高から控除する処理へ変更され、見かけ上の売上高が減少した。
*2:2022年から営業利益が減少している理由は、①原材料・包装資材・エネルギー価格などの上昇によるコスト増加、②海外事業拡大に向けたタイ工場の新設投資の負担増(参考リンク)、など。
✔セグメント別の状況
エバラ食品工業は、家庭用食品事業(肉まわり調味料・鍋物調味料・野菜まわり調味料・スープなど)、業務用食品事業(業務用調味料・スープ・カレーなど)、物流事業(エバラ物流による倉庫業・貨物運送取扱業など)、その他事業(広告宣伝事業・人材派遣事業)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、焼肉タレ・すき焼きタレ・調味料を中核として成立している。食品事業の中心は家庭用食品であり、グループ売上高の60%以上を占める。商品群は『黄金の味』『焼肉のたれ』などの肉まわり調味料、『すき焼のたれ』『キムチ鍋の素』『プチッと鍋』などの鍋物調味料、『浅漬けの素』を中心とする野菜まわり調味料などに分かれる。「焼肉」「すき焼」「浅漬け」「鍋」と異なる分野にそれぞれ強い商品を展開することで、需要変動リスクを分散している。1990年代から物流事業にも力を入れており、子会社・エバラ物流が物流事業を担っている(参考リンク)。最近では海外展開にも熱心であるが、海外売上高比率はまだ4.7%(2024年)に過ぎない状況。今後は国内市場で築いた商品開発力・ブランド力を海外市場へどこまで横展開できるかが成長の鍵となる。
✔最終利益と利益率
エバラ食品工業の純利益は2022年に過去最高となる27億円まで増加したが、同年以降は減少傾向が続いている*3。営業利益率は2022年に7%台まで増加したが、同年以降はピークアウト。ただし、2026年にも営業利益率4.81%を確保しており、食品メーカーとしては悪くない水準である。
*3:2021年に純利益が増加した理由は、COVID-19感染拡大時の家庭内消費の増加が主要因。当社は家庭向け製品が主力であった為に、外出自粛長期化により焼肉・すき焼きの贅沢消費が増えたことが追い風に。
✔自己資本比率と純資産
エバラ食品工業の自己資本比率は緩やかな増加傾向にあり、2026年は71.0%となっている。有利子負債が殆どない実質無借金経営を実現しており、財務健全性は大いに良好である。純資産は右肩上がりの増加傾向が続いており、2026年には360億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
エバラ食品工業の平均年収は過去8年間に渡って670万〜720万円ほどで推移しており、食品メーカーとしてはやや高め。総合職の場合、30歳で年収450万〜550万円ほど、課長職レベルで年収800万〜950万円が目安。平均年齢は40.0歳(2026年)と、大手企業の標準的な水準を下回る。
✔従業員数と勤続年数
エバラ食品工業の単体従業員数は過去8年間に渡って500人レベルで推移しており、2026年は517人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は861人ほど。平均勤続年数は16.0年(2026年)と、大手企業の標準的な水準をやや上回っている。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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