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【勝ち組?】アビームコンサルティングの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

アビームコンサルティングは、日本に本社を置くNECグループの総合コンサルティング会社。1981年に等松・青木監査法人のコンサルティング部門が分離して設立、1997年には『デロイトトーマツコンサルティング』に社名変更。が、2003年に米SOX法の成立を機にデロイトトーマツグループから脱退、現社名へと社名変更。現在では戦略立案〜構想策定〜業務改革〜システム開発・導入までを手掛ける総合コンサルティングファームとして発展。2015年からはNECの完全子会社となっており、親密な関係。

POINT

・日本発の総合コンサルティングファームでIT分野に強い、親会社はNEC
・DXブームを追い風に業績成長が継続、財務体質も良好
・30歳のコンサルタントで年収800万~が目安、残業次第で更に上振れる

就職偏差値

✔就職偏差値:68(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用数は200人~300名と極めて大量採用。採用大学はハイレベル大学に集中しており、中堅大学からの採用には乏しい。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・東北大学・九州大学・北海道大学・筑波大学・横浜国立大学・国際教養大学・お茶の水女子大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・同志社大学・立教大学・法政大学・立命館大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

アビームコンサルティングの売上高は長期的な成長が続いており、2023年には過去最高となる1,136億円に到達*1。営業利益も売上高と連動した増加が続いており、2023年には過去最高となる130億円に到達。
*1:当社の業績成長を支えているのは、①IT分野における老朽化システム更新案件の増加、②世界的なDX投資ブームによるDXコンサルティング案件の増加、③NECグループの連結子会社でありながら同社から独立した経営体制を維持することによる柔軟な案件対応力(参考リンク)、など。

✔セグメント別の状況

アビームコンサルティングは、コンサルティング事業(経営診断・戦略立案・M&Aアドバイザリー、業務改革・組織改革・アウトソーシング、IT戦略・システム開発・導入支援・保守サポート)のみの単一事業会社である。
当社は全業界のあらゆる業務領域におけるコンサルティングサービスを提供できる体制を整えており、戦略立案・構想策定〜業務改革・設計〜システム開発・導入までに対応している。

✔最終利益と利益率

アビームコンサルティングの純利益は2020年まで50億円レベルで横ばいであったが、同年以降は増加傾向に転換。2022年には純利益111億円に到達している。営業利益率は8%~11%で推移しており、コンサルティング会社としては低めの水準に留まる。

✔自己資本比率と純資産

アビームコンサルティングの自己資本比率は緩やかな増加傾向にあり、2023年には61.6%に到達。安定的な利益体質を加味すれば、財務健全性は大いに良好と評価できる。純資産は右肩上がりでの増加傾向にあり、2023年には565億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アビームコンサルティングの平均年収・平均年齢は非公開。コンサルタント職の30歳で年収800万〜900万円ほど、マネージャー職レベルで1,100万〜1,350万円に達する。非管理職は残業代がフル支給されるため、残業時間によって年収が変動しやすい。

✔従業員数と勤続年数

アビームコンサルティングの単体従業員数は4,800人(2023年)。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は8,300人ほど平均勤続年数は非公開。

総合評価

企業格付け:B

日本発祥の総合コンサルティングファームとして知られる、NECグループのコンサルティング会社。外資系企業が多いコンサルティング業界において、日系企業としては数少ない売上高1,000億円超に到達している業界大手の一角である。いわゆる総合系コンサルティングファームであり、戦略立案〜構想策定〜業務改革〜システム開発・導入までを幅広く提供。親会社・NECとの縁故もあってIT領域を得意分野としており、技術的知見を備えたコンサルタントが顧客企業とITベンダーの橋渡し役としてシステム開発の構想〜実装まで並走することでプロジェクト実績を蓄積してきた経緯がある。業績においては売上高・利益いずれも成長基調が続いており、2023年には過去最高圏となる売上高・利益を記録。とりわけ昨今のDX投資ブームはIT案件を得意とする当社にとって追い風となっており、最近では①味の素における全社データマネジメント推進(参考リンク)、②アルプスアルパインにおける基幹システム統合(参考リンク)などを遂行。財務体質においても自己資本比率61.6%(2023年)と高水準であり、業績拡大と財務健全性を両立できているのは美点。

就職格付け:BB

デロイトトーマツグループから分離独立して発展した大手コンサルティング会社。かつての当社は『デロイトトーマツコンサルティング』として活動していたが、2003年に米SOX法の成立を受けて分離独立して『アビームコンサルティング』となった経緯がある。その後に再びデロイトトーマツグループが『デロイトトーマツコンサルティング』を設立したが、当社とは何ら資本関係はない競合企業となっている。給与水準においては、コンサルタント職の30歳で年収800万〜900万円ほど、マネージャー職レベルで1,100万〜1,350万円に達する。外資系コンサルティング会社と比べれば見劣りするが、(外資系コンサルティング会社にみられる強引な退職勧告や解雇のリスクが少ない)日本型雇用による安全性が込みでの給与差であると理解できる範疇。ただし、企業規模に比べて明らかな大量採用(年間200人以上)が続いており、平均勤続年数も公開されていないのはネック。良くも悪くも大量採用かつ終身雇用は殆ど期待できないことから就職偏差値は高まりにくい。

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出典:アビームコンサルティング株式会社(決算公告)