本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
NEC(正式表記:日本電気)は、ITサービス・社会インフラを主力とする住友グループのIT会社。1899年に岩垂邦彦と米ウェスタンエレクトリックが日本初の外資系合弁会社として設立。戦前から通信機器の製造を始め、1932年に住友グループ入りを果たした。戦後には家電・半導体・パソコンなど幅広い分野へ事業を拡大、特に半導体分野では世界市場を席捲し、パソコン分野においてもPC-9800シリーズが国内市場をほぼ独占するなど、日本を代表する総合電機メーカーとしての地位を確立した。が、2000年代にはグローバル競争の激化や事業ポートフォリオの分散により収益力が低下。リーマンショック後には不採算事業を整理、現在はITサービスと社会インフラを主力事業とするITベンダーへと転換。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:69(上位)
かつては業績不振に苦しんだが、成長基調へと再び回帰。日系ITベンダー上位級の待遇に加えて、リモート勤務の柔軟性も加点要素。一般知名度も高く、総合力は高い。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
■68→69に改定:ITベンダーへの業態転換による利益率の向上、従業員の待遇向上を再評価。1ノッチ格上げとした(2026年2月)
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用人数は年間450人~600人と、システムインテグレーターとしては最大規模の採用数。総合職の出身大学はハイレベル大学~中堅大学まで幅広く、大学名にも寛容。
採用大学:【国公立】大阪大学・東北大学・九州大学・神戸大学・筑波大学・東京都立大学・大阪公立大学・電気通信大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・立教大学・学習院大学・日本大学・東京理科大学・芝浦工業大学・東京電機大学・東京都市大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と営業利益
NECの売上高は2001年に過去最高となる5.4兆円に到達したが、業績悪化を受けた事業再編によってピークアウト*1。2017年からは売上高が回復傾向にあり、2025年には3.42兆円まで増加している。営業利益は2020年から右肩上がりで増加しており、2025年には過去最高となる2,564億円に到達*2。
*1:2000年代の深刻な業績不振を契機に、当社はハードウェアからソフトウェアへの業態転換を志向してきた。携帯電話事業・パソコン事業・DRAM事業・車載リチウムイオン電池事業・液晶ディスプレイ事業・有機ELディスプレイ事業などを分社化・売却している。
*2:2025年に営業利益が増加した理由は、①大企業・官公庁のシステム刷新需要の増加によるITサービスの好調、②COVID-19影響の終息による航空業界向け製品の販売好調、③防衛政策の転換による防衛システムの大口案件の増加、など。
✔セグメント別の状況
NECは、ITサービス事業(システム構築・コンサルティング、システム保守、クラウドサービス、システム機器、ソフトウェアなど)、社会インフラ事業(携帯電話基地局・光伝送システム・通信事業者向けソフトウェア、海洋システム、航空宇宙分野向け航空管制システム・衛星管制システム・人工衛星など、防衛省向け防衛管制システム・レーダー情報処理システムなど)、の2事業を有する。
かつて当社は家電・パソコンなどを主力とする電機メーカーとして知られていたが、2000年代にはグローバル市場の競争激化によって深刻な業績悪化に直面。現在ではITサービス・通信インフラ企業へと業態転換を遂げている。現在の主力事業は、官公庁・金融機関・大企業向けの大規模システム構築・保守運用・クラウド移行支援などであり、長期案件を基盤とした安定的なストック型収益を積み上げる事業構造となっている。とりわけ公共領域への依存度は高く、自治体基幹システム・マイナンバー関連システム・社会保障・通信基盤など社会インフラに深く関与している。また、防衛・宇宙・航空管制・海底ケーブルは参入障壁が極めて高く、価格競争に晒されにくい。
✔最終利益と利益率
NECの純利益は2020年から増加傾向が続いており、2025年は過去最高となる1,751億円に到達している。営業利益率も右肩上がりで改善が進んでおり、2025年には7.49%となっている。ITベンダーとしては突出した利益率ではないが、当社の歴史においては最高圏の推移となっている。
✔自己資本比率と純資産
NECの自己資本比率は2021年から増加傾向が続いており、2025年は45.2%まで上昇している。かつては巨額損失の計上で危ぶまれた時期もあったが、現在は負債に依存しすぎない財務体質へと転換している。構造改革を進捗させつつ、財務体質の改善も果たしているのは特筆すべき。純資産は右肩上がりで急増が続いており、2025年は1.95兆円に到達している*3。
*3:2020年から純資産が急増したのは、①業績好調による利益剰余金の安定的な蓄積、②当社が保有する有価証券の評価額上昇、が主要因。上場子会社のNECネッツエスアイは株価が3倍以上になっており、評価額が上昇している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
NECの平均年収は963万円(2025年)と、日系ITベンダーとしては上位級の待遇。総合職の場合、30歳前後に主任に昇格して年収700万〜820万円となり、課長職レベルになると年収950万〜1,200万円に到達する。ITベンダーへの業態転換によって、電機業界ではなくIT業界の給与水準をベンチマークした給与制度へと移行している。
✔従業員数と勤続年数
NECの単体従業員数は2020年まで減少傾向が続いていたが、同年以降は増加傾向に転換。2025年は2.26万人の組織体制となっている。子会社・関連会社を含めた連結従業員は10.4万人を超える大所帯である。平均勤続年数は2020年から減少傾向がみられ、2025年は16.6年となっている。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
✓
大手・有名企業550社の実力と就職序列を
SSS~Fランクの21段階で格付しています。
✓
1社あたり平均800文字超で「企業としての実力」と「就職先としての魅力」を深掘り、企業理解を格上げします。
✓
いつでも登録解除可能です。期間の縛りはありません。
※登録方法・Q&Aはこちら
