企業概要
ゼリア新薬工業は、医療用医薬品・ヘルスケア飲料を主力とする中堅製薬メーカー。1955年に伊部禧作が薬粧品メーカーとして創業し、当初はコンドロイチンによる滋養強壮サプリメントを主力とした。1960年代には医療用医薬品分野へと進出し、医療用医薬品『コンドロイチンZ錠』や肝臓障害治療薬『ヘパリーゼ』を発売。1979年にはブランドを発展させる形で滋養強壮剤『新ヘパリーゼ』を発売し、その後のヘルスケア事業の主力として育てた。2000年代からは『ヘパリーゼ』ドリンクを発売、コンビニで気軽に買える飲み会対策ドリンクとして高い一般知名度を獲得。2009年にはスイスのティロッツ・ファーマを買収、海外市場における事業規模を拡大した。現在では、医療用医薬品では潰瘍性大腸炎など消化器領域を中核とする製薬会社へと成長している一方、一般消費者向け市場においても『ヘパリーゼ』ブランドを展開。国内中堅製薬メーカーとしては独特の事業構造を有する企業として知られる。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:60(中堅)
主力ブランド『ヘパリーゼ』によって、製薬メーカーとしては異例となる一般知名度を誇る。業績・財務は大いに安定的かつ、給与水準についても一定の競争力を確保している。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用数は年間20人~35人ほどと少ない。大手製薬メーカーの陰に隠れがちだが、一般知名度の高い商品を多数擁するがゆえに選考倍率は低くなりにくい。
採用大学:【国公立】大阪大学・神戸大学・広島大学・金沢大学・横浜国立大学・大阪公立大学・名古屋工業大学・岐阜薬科大学など、【私立】慶應義塾大学・上智大学・立教大学・関西学院大学・立命館大学・日本大学・南山大学・駒澤大学・名城大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
ゼリア新薬工業の売上高は2021年に527億円に下落したが、同年以降は増加傾向に転換*1。2025年には過去最高となる売上高873億円に到達している。営業利益は2021年まで34億~48億円で推移していたが、2025年には過去最高となる121億円に上振れしている。
*1:2022年から売上高・営業利益が増加した理由は、①海外における医療用医薬品の販売拡大、②COVID-19後の飲み会文化の復活による『ヘパリーゼ』需要の回復、③為替レートの円安推移による為替効果、など。特に海外市場における消化器領域の医療用医薬品の販売拡大と為替の追い風が重なった要因が大きい。
✔セグメント別の状況
ゼリア新薬工業は、医療用医薬品事業(消化器領域を主力とする医療用医薬品:潰瘍性大腸炎治療剤『アサコール』経口腸管洗浄剤『ビジクリア』クローン病治療剤『エントコート』など)、コンシューマーヘルスケア事業(『ヘパリーゼ』ブランドの滋養強壮剤・ドリンク、関節痛治療薬、植物性便秘薬、スキンケア・美容品・皮膚薬など)、その他事業(保険代理店・不動産)、の3事業を有する。
当社の事業構造は、医療用医薬品とコンシューマーヘルスケアを両輪とする点に特徴がある。医療用医薬品においては、消化器領域を中核としており、胃潰瘍・潰瘍性大腸炎・機能性ディスペプシアなど、消化器系疾患に関する製品群を積み上げてきた歴史を持つ。しかし、医療用医薬品は大型新薬をヒットさせれば巨額利益を見込める反面、新薬開発の成否や薬価改定・特許切れに業績を左右されやすい。それゆえ、当社は一般消費者向けブランド『ヘパリーゼ』『コンドロイチン』を組み合わせることで業績の安定化を図っている。特に『ヘパリーゼ』は、医薬品・ドリンク剤・清涼飲料水などへ展開され、飲酒前後の体調管理や滋養強壮を想起させるブランドとして定着している。これらの商品は、日本全国のドラッグストア・コンビニなどで流通しており、一般消費者からも高い認知度を誇っている。
✔最終利益と利益率
ゼリア新薬工業の純利益は2022年まで29億〜41億円ほどで安定的に推移していたが、2024年には過去最高となる99億円に到達している。営業利益率は2021年まで6%~7%ほどで推移していたが、2025年には13.9%まで向上を果たしている。
✔自己資本比率と純資産
ゼリア新薬工業の自己資本比率は2022年まで減少傾向が続いていたが、同年の44.2%を底に増加傾向へと転換。2025年には自己資本比率56.4%と、かなりの高水準に回復している。純資産は2023年から増加傾向が続いており、2025年には897億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ゼリア新薬工業の平均年収は2022年まで690万~710万円ほどで推移していたが、同年以降はやや上振れ。2025年は平均年収751万円と、製薬業界では中堅となる水準。総合職の場合、30歳で年収500万~550万円ほど、課長職レベルで年収830万~950万円が目安。平均年齢は44.9歳(2025年)と大手企業の標準的な水準を上回る。
✔従業員数と勤続年数
ゼリア新薬工業の単体従業員数は長期的な減少傾向が続いており、2025年は818人(2025年)の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1,746人ほど。平均勤続年数は16.9年(2025年)と大手企業の標準的な水準を上回る。
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