本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
森永乳業は、牛乳・チルド飲料・ヨーグルト・アイスクリームなどを製造する乳製品メーカー。1917年に乳製品会社として創業、1920年には森永製菓と合併して森永グループ入りを果たし、日本国内における乳製品シェア1位に躍進。しかし戦後の1955年には、粉ミルクにヒ素が混入したいわゆる森永ヒ素ミルク事件が発生、国内市場におけるシェアは急速に低下することとなった。その後は企業体質の立て直しと製品ラインアップの拡充を進め、乳製品市場において国内シェア2位〜3位で推移している。現在では、ヨーグルトでは国内シェア2位・チルドカップコーヒーで国内シェア1位を誇り、乳製品を基盤としながらも飲料分野を含めた幅広い商品ラインナップを構築している点が特徴である。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:67(上位)
食品業界としては上位クラスの給与水準・福利厚生であり、一般知名度は高い。それほど高利益率ではないが、景気動向に業績を左右されにくい安定性は美点。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用実績は年間100名~140名ほど。うち文系採用枠は35名ほどであり、実は理系採用枠が多くを占めている。一般知名度も待遇も良いために選考倍率は高くなりがち。
採用大学:【国公立】東北大学・九州大学・北海道大学・神戸大学・広島大学・横浜国立大学・鳥取大学・大阪公立大学・長岡技術科学大学など、【私立】慶応義塾大学・明治大学・立教大学・関西学院大学・立命館大学・南山大学・日本大学・国際基督教大学・東京理科大学・東京農業大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
森永乳業の売上高は2022年に5,033億円まで減少*1したが、同年以降は緩やかな増加傾向が続いている。2025年には売上高5,611億円まで回復している。営業利益は210億〜290億円で安定しており、景気に左右されない安定した利益体質である。
*1:2022年に売上高が減少した理由は、「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」の適用による大幅減収が主要因。あくまでも会計処理の変更によるものであり、本業が不振に陥ったわけではない。
✔セグメント別の状況
森永乳業は、栄養・機能性食品事業(市乳・ヨーグルト・栄養食品など)、主力食品事業(牛乳・チルド飲料・アイスクリーム・チーズ・デザートなど)、BtoB事業(ビフィズス菌・ラクトフェリン・フレッシュクリーム・冷凍ホイップなど)、海外事業(北米・ベトナム・パキスタン・インドネシアなどにおける事業展開)、その他事業(飼料・エンジニアリング・不動産賃貸など)、の5事業を有する。
当社の事業構造は、乳製品・栄養食品・アイスクリーム・チルド飲料などを多角的に展開することで成立している。牛乳などの基礎乳製品は売上規模こそ大きいものの利益率は低く、実際の収益源はヨーグルト・デザート・機能性食品といった高付加価値商品の比重が高い。特にヨーグルト分野では『ビヒダス』ブランドによって国内有数のシェアを有しており、乳酸菌技術を活かした機能性食品は当社の競争力の源泉となっている。また、医療・介護分野向けの流動食・栄養食品は高齢化の進展を背景として市場拡大が続いており、食品メーカーとしては高利益率を確保できる事業領域となっている。加えて、チルドカップコーヒーなどの飲料分野でも市場シェアを有しており、冷蔵物流網を活用したチルド商品の供給力は当社の重要な競争優位の一つである。総じて当社は、牛乳という基礎的乳製品を事業基盤としつつ、乳酸菌技術やチルド物流を背景に高付加価値食品へと収益構造をシフトさせることで成立している企業といえる。
✔最終利益と利益率
森永乳業の純利益は140億〜190億円ほどで安定しているが、2025年には54億円に急減*2。2022年と2024年には純利益が急増しているが、これは一過性の要因*3。営業利益率は長期的に3%〜5%で推移しており、食品メーカーとしては悪くない水準。
*2:2025年に純利益が急減した理由は、粉ミルクを手掛けるパキスタン子会社やプラントベースフード(植物由来食品)を手掛ける米国子会社など海外子会社4社における減損損失199億円を計上したことが主要因(参考リンク)。
*3:2022年の純利益の急増は、当社が保有していた近畿工場跡地および港南ビルの売却による特別利益161億円の計上が主要因。2024年の純利益の急増は、当社が保有していた東京工場跡地の売却による特別利益657億円の計上が主要因(参考リンク)。
✔自己資本比率と純資産
森永乳業の自己資本比率は、緩やかな増加傾向が継続しており、2025年には51.2%に到達している。安定した利益体質を加味すれば、財務健全性は大いに良好である。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2024年には2,711億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
森永乳業の平均年収は、過去8年間に渡って微増傾向が続いている。2025年は平均年収792万円となっており、食品メーカーとしては高めの水準。総合職の場合、30歳で年収500万〜600万円ほど、課長職レベルで年収1,000万〜1,200万円が目安となる。平均年齢は40.2歳(2025年)と大手企業の標準的な水準を下回る。
✔従業員数と勤続年数
森永乳業の単体従業員数は2021年まで増加傾向にあったが、同年をピークに微減傾向に転換。2025年は3,310人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は7,400人ほど。平均勤続年数は16.8年(2025年)と、大企業の標準的水準をやや上回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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