本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
全国保証は、住宅ローンの信用保証を主力とする独立系の信用保証会社。1981年に年金福祉事業団による厚生年金転貸住宅資金融資制度の信用保証会社として設立。当初は公的住宅ローンの保証に徹していたが、1997年からは民間金融機関向けの住宅ローン保証業務を開始。2000年代には主力商品『住まいる いちばん』を投入し、地方銀行・信用金庫・信用組合を横断する全国的な保証基盤の拡大を進めた。現在では710以上の金融機関と提携し、保証債務残高は20兆円以上に及ぶ。独立系の住宅ローン保証会社としては国内唯一の存在であり、国内トップクラスの規模を誇る。事業多角化のため、教育ローン保証・アパートローン保証・カードローン保証にも進出している。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:65(中堅上位)
日本では唯一となる独立系の信用保証会社。業績は安定的かつ、営業利益率は上場企業トップレベル。給与水準についても業界上位レベルであり、一般知名度さえ妥協できれば実利は厚い。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用数は年間10名〜20名と企業規模なり。新卒採用は実施しておらず、入社手段は中途採用のみ。待遇の割には一般知名度は壊滅的に低い、まさに隠れ優良企業である。
採用大学:非公開(出典:全国保証・新卒・キャリア採用)
業績動向
✔営業収益と営業利益
全国保証の営業収益は過去8年間に渡って増加傾向が続いており、2025年には過去最高となる569.7億円に上振れ*1。営業利益は2024年を除けば増加傾向*2が続いており、2025年には過去最高となる413.8億円に到達している。営業収益の規模感に対して、営業利益が非常に厚いことは特徴的である。
*1:当社の営業収益が成長している理由は、①過去の保証残高の積み上げによる収益の増加、②住宅価格の上昇による1件当たり保証金額の増加、③マンションブームによる借入件数の増加、④金融機関の系列保証会社の買収による規模拡大、など。
*2:2024年に営業利益が微減した理由は、①住宅価格の高騰による新規保証実行件数の減少、②債務保証損失引当金繰入額の増加による営業コスト増加、など。
✔セグメント別の状況
全国保証は、信用保証事業(住宅ローン保証・カードローン保証・教育ローン保証の借入希望者に対する金融機関向けの債務保証など)、のみの単一事業会社である。
当社の事業構造は、住宅ローンを貸す金融機関に対して、信用リスクを引き受けることで保証料を得る保証ビジネスとして成立している。最大の特徴は、自社で住宅ローンを直接貸し出すのではなく、銀行・信用金庫・信用組合・JAなどが実行する住宅ローンに対して保証を付与する点にある。収益の中心は、住宅ローン保証に伴って受け取る保証料である。住宅ローンは返済期間が30年~50年に及ぶうえ、融資額も大きいため、長期にわたって保証料収入が発生する。一方で、住宅ローン市場の動向は当社にとってのリスクとなる。雇用環境の悪化、住宅価格の下落、金利上昇、延滞率の上昇が起きれば、返済の立て替えや債権の回収負担が増える構造にある。
✔最終利益と利益率
全国保証の純利益は長期的な増加傾向が続いており、2025年には過去最高となる320.8億円に到達している。営業利益率は75%~80%レベルの超高水準で推移しており、日本の上場企業としてはトップレベルとなる驚異的な営業利益率を誇る。
*3:当社の営業利益が極端に高い理由は、①原価・営業コストが極めて少ないビジネスモデルである点、②過去の保証残高から収益が安定的に発生し続ける点、③延滞・破綻が少ない平常時には返済立て替えのコストが抑えられる点、など。
✔自己資本比率と純資産
全国保証の自己資本比率は長期的な増加傾向が続いており、2025年には48.5%となっている。驚異的な高利益率を加味すれば、財務健全性は大いに良好である。純資産は過去8年間に渡って右肩上がりの増加傾向が続いており、2025年には2,386億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
全国保証の平均年収は長期的な増加傾向が続いており、2025年には809万円に到達している。総合職の場合、30歳で年収580万~650万円ほど、課長職レベルで900万~1,000万円に到達する。平均年齢は38.5歳(2025年)と大手企業の標準的な水準を下回る。
✔従業員数と勤続年数
全国保証の単体従業員数は2021年まで250人前後で横這いであったが、同年からは増加傾向。2025年には305人となっており、少数精鋭の組織体制である。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は369人ほど。平均勤続年数は10.8年(2025年)と低いが、これは平均年齢が若い組織である反動である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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