カテゴリー
エンタメ会社

コナミグループの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

コナミグループは、ゲーム・アミューズメント機器・カジノマネジメントシステム・フィットネスクラブなどを展開するエンタメ会社。1969年にジュークボックス修理業者として創業、1970年代にアミューズメント機器分野へと進出。1980年代からはゲーム・玩具分野にも進出、「実況パワフルプロ野球」「ウイニングイレブン」「ときめきメモリアル」「遊戯王オフィシャルカードゲーム」などの名作を輩出。2011年には同業大手のハドソンを買収して完全子会社化。現在では、トレーディングカード分野・カジノ分野において世界シェア5位以内の最大手であり、フィットネスクラブ運営会社として国内首位。

POINT

・ゲーム・アミューズメント機器における業界最大手の一角、スポーツ関連事業も
・売上高は成長基調で高利益率、財務体質も優良
・平均年収725万円だが福利厚生は薄め、初任給は確定拠出年金の手当まで込み

業績動向

✔売上高と営業利益

コナミグループの売上高は2016年頃から増加傾向が続いており、2020年に売上高3,143億円に到達*1。営業利益は年度により波があるが黒字確保という観点では安定的であり、2021年には744億円まで急増したことも。
*1:業績拡大が続いている理由は、デジタルエンタテインメント事業の成長が主要因。人気シリーズでヒットが相次いだうえ、スマートフォン向けゲームでの課金要素による継続収入が業績を底上げている。

✔セグメント別の状況

コナミグループは、デジタルエンタテイメント事業(モバイルゲーム・カードゲーム・家庭用ゲームなど)、アミューズメント事業(アミューズメントマシンの製造・販売)、ゲーミング&システム事業(ゲーミング機器・カジノマネジメントシステムの製造・販売)、スポーツ事業(フィットネスクラブ・テニススクール・サッカークラブなどの運営、スポーツ関連商品販売)、の4事業を有する。
当社はデジタルエンタテインメント事業が売上高の約67%・利益の約86%を占め、事実上のドル箱事業。過去8年間は同事業が急激な成長を果たしたことで、構成比が特に高まり続けている事情もある。スポーツ事業は利益低迷しており、売上高の規模の割に全社利益への貢献度合いは低い。

✔最終利益と利益率

コナミグループの純利益は年度により波があるが、景気後退局面も含めて利益はしっかりと確保できている。2021年のみ純利益548億円に急増*2。営業利益率は概ね10%〜18%ほどで推移しており、利益率は高めの水準。
*2:2022年に純利益が急増した理由は、①デジタルエンタテインメント事業における新作ゲームのヒット・課金増加で利益急増した点、②COVID-19感染一服で赤字転落していたスポーツ事業・カジノ向け製品が黒字転換した点、に起因。

✔自己資本比率と純資産

コナミグループの自己資本比率は長期的に60%以上の高水準で推移しており、負債比率を高めすぎない事業運営ができている。純資産も増加傾向が長年に渡って継続しており、2022年には3,763億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

コナミグループの平均年収は720万~800万円ほどの水準で推移しているが、これは持株会社の214人のみの平均年収。事業会社の総合職の場合、30歳で年収550万〜650万円、課長職レベルで年収900万~1,050万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

コナミグループは持株会社の従業員は直近で214人と僅かであり、殆どの従業員は事業会社に属している。事業会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4,881人に達する。平均勤続年数は直近で10.5年と長くも短くもないが、これは持株会社の214人の平均勤続年数であるため参考にならない。

総合評価

企業格付け:BB

■業績動向
成長基調。売上高は過去最高を連続更新しており、勢いがある。主力のデジタルエンタテインメント事業では強力なシリーズコンテンツを多数保有、新作投入によって手堅く稼げるビジネスモデルに強み。最近ではスマートフォン向けアプリゲームでライト層まで顧客基盤を拡大することに成功、課金要素によって売り切り型のビジネスモデルから脱却できたことも強み。

■財務体質
良好。有利子負債は598億円に対して手元の現預金は2,192億円と潤沢。自己資本比率も60%以上の高水準で安定しており、負債比率は低め。景気後退局面も含めて赤字転落は稀であるため、余程のことがない限りはまったく安泰な財務基盤を確立している。

■ビジネス動向
最新技術の深耕を志向。シリーズコンテンツに新技術を取り込むことで、過去作とは異なる体験価値を創出。AI・NFT・VR・AR・メタバースなどの商品開発の裾野を広げる。eスポーツ振興にも注力しており、人気タイトル・アミューズメント機器の世界大会を積極開催することでeスポーツ市場の拡大を目指す。

就職格付け:BB

■給与水準
エンタメ業界としては中堅上位級。総合職は30歳で550万〜650万円には達するため、業界内では良い待遇である。2022年には同業他社の給与引上げ合戦に応戦すべく、年間60万円の賃上げを決定。そのため、2023年からは給与水準が上昇する見込み。大卒初任給を29.5万円まで引き上げたが、これには確定拠出年金の企業拠出分までもが含まれており、他企業より初任給が高いと喜ぶのは早計。

■福利厚生
期待よりは低め。家賃補助制度はなく、若手社員向けの独身寮があるのみ。通勤手当は月5万円までの支給であるため、遠方通勤では手出しが発生。強いて言えば、従業員とその家族はコナミスポーツクラブを無料で利用することができる。

■キャリア
職種別採用。ビジネス職・プランナー職・エンジニア職・インストラクター職などがあり、ビジネス職がいわゆる総合職に相当する。基本的には入社時の職種でプロフェッショナルを目指すことが求められるが、ビジネス職は定期的なローテーションにより大局観・人脈を築くことが求められる。なお、インストラクター職だけは給与テーブルが異なる。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!