本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
キリンホールディングスは、ビール・洋酒・清涼飲料水・医薬品などを主力とする大手飲料メーカー。1870年にウィリアム・コープランドがビール醸造所として創業。1888年には『キリンビール』を発売して国内シェアを拡大。1972年には国内シェア60%以上を掌握し、ビール分野で国内トップ企業へと躍進した。1980年代にはアサヒが『スーパードライ』を発売したことでドライ戦争が勃発、当社はラガービールが主体であったことでシェアを落とした。1990年代には価格競争力の高い発泡酒『キリン淡麗』を投入して巻き返しを図り、いわゆる発泡酒革命を牽引した企業としても知られる。2008年には協和発酵工業(現・協和キリン)を子会社化、ビール醸造で培った発酵技術によって医薬品分野への拡大を果たす。現在は、ビール分野で世界上位10社に食い込み、国内外においてビール・洋酒・清涼飲料水などを幅広く展開する。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:72(最上位)
日本を代表する大手ビールメーカーとして一般知名度は抜群に高い。事業多角化も進んでおり、飲料依存度は低減。給与水準と福利厚生も業界上位クラスと隙がない。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
グループ全体での採用数は年間100人~120人と採用数はそこそこ多め。さすがに飲料業界の名門だけあって、総合職の出身大学もハイレベル大学が中心、就職難易度はかなり高め。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・九州大学・神戸大学・広島大学・岡山大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・同志社大学・明治大学・立命館大学・関西学院大学など(出典:ダイヤモンドオンライン)
業績動向
✔売上高と事業利益
キリンホールディングスの売上高は2021年まで1.8兆〜1.9兆円で安定的に推移していたが、2025年には過去最高となる2.43兆円に到達*1。飲料メーカーとして日系3位の事業規模を誇る。事業利益は2024年まで680億〜1,500億レベルで推移していたが、2025年には2,096億円に上振れ*2。
*1:2022年から売上高が増加している理由は、①世界的な原材料価格の高騰を受けた値上げ対応による増収、②酒類事業におけるプレミアム価格帯への積極的な新商品投入による販売単価の底上げ、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2025年に利益が増加した理由は、①協和キリンのアミノ酸事業における構造改革費用の支出終了、②前年のファンケル買収に伴う一時費用の反動増ならびに同社利益の通年寄与、③同業のアサヒがサイバー攻撃による出荷混乱に陥ったことによる販売増加、など。
✔セグメント別の状況
キリンホールディングスは、酒類事業(キリンビールブランドによるビール・発泡酒・洋酒、ライオンブランドによるビール・洋酒など)、飲料事業(キリンビバレッジによる清涼飲料など)、医薬事業(協和キリンによる医薬品)、ヘルスサイエンス事業(ファンケルによる健康食品など)、その他事業(国内ワイン・北米飲料・バイオケミカルなど)、の5事業を有する。
当社の事業構造は、ビール・洋酒・清涼飲料水を中核としつつ、医薬品事業を第2の柱として展開する複合型の事業モデルとなっている。主力のビール事業では『キリン一番搾り』『キリンラガービール』『淡麗』などを展開しており、国内ビール市場ではアサヒ・サントリーと並ぶ業界大手である。清涼飲料分野では『午後の紅茶』『キリンレモン』『生茶』などを展開しており、国内飲料市場でも一定の存在感を持つ。海外ではオーストラリアや東南アジアなどでビール事業を展開しており、国内市場の飽和を補う形で海外売上の拡大を進めている。特筆すべきは、医薬品事業の存在である。傘下の協和キリンは腎疾患・免疫疾患向けのバイオ医薬品を主力としており、酒類とは異なる高付加価値事業として当社の収益基盤を支えている。ビール醸造で培った発酵技術を背景として医薬品分野へ進出した経緯があり、飲料メーカーとしては異例の事業ポートフォリオを形成している。酒類事業が安定収益を生む基盤事業であるのに対し、医薬品事業は高い利益率を期待できる成長事業として位置付けられるだろう。
✔最終利益と利益率
キリンホールディングスの純利益は500億〜1,500億円のレンジでの横ばい推移が続いており、売上高の拡大に反して伸び悩んでいる。営業利益率は長期的に5%〜8%ほどで推移しており、大手飲料メーカーとしては標準的な水準。
✔自己資本比率と純資産
キリンホールディングスの自己資本比率は34%〜39%ほどで長期的に推移しており、大手飲料メーカーとしては高くもなければ低くもない水準。純資産は2021年からは増加傾向が続いており、2025年には1.59兆円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
キリンホールディングスの平均年収は2020年から870万〜950万円ほどで横ばい*4が続いていたが、2025年は1,000万円に上振れ。ただし、これは持株会社の1,067人のみの平均年収であるため、参考にならない。総合職の場合、30歳で年収650万〜700万円ほど、課長職レベルで1,000万〜1,200万円ほどに達する。
*4:2019年まで持株会社の単体従業員数は20人前後に過ぎなかったが、2020年からは800人〜1,000人レベルに増加したことが主要因。製造・物流部門などは子会社化されており、当社本体の従業員の殆どが、グループ管理・事業企画などに従事するホワイトカラーであるため平均年収が高くなりやすい。
✔従業員数と勤続年数
キリンホールディングスの単体従業員数は2018年まで50人未満と極めて少なかったが、2020年からは1,000人規模に増加。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は3.19万人ほどであり、従業員の殆どは事業会社に属する組織構造となっている。平均勤続年数は14.2年(2025年)と大手企業の標準的水準をやや下回る。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
✓
大手・有名企業550社の実力と就職序列を
SSS~Fランクの21段階で格付しています。
✓
1社あたり平均800文字超で「企業としての実力」と「就職先としての魅力」を深掘り、企業理解を格上げします。
✓
いつでも登録解除可能です。期間の縛りはありません。
※登録方法・Q&Aはこちら
