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【勝ち組?】NTT東日本の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

東日本電信電話(NTT東日本)は、東日本地域において地域通信を担うNTTグループの情報通信会社。1999年に日本電信電話の組織再編に伴って設立され、関東・甲信越・東北・北海道エリアにおいて電話網・デジタル通信網を提供してきた。2001年には光ファイバーによる高速通信サービス『フレッツ光』の提供をスタート。2015年には個人向け通信契約販売を他社へ委ね、自社は卸提供に徹する『光コラボ』をスタート。現在では、管轄エリア内の固定通信の加入者シェアにおいて約70%を占め、『フレッツ光』契約数は1,300万契約以上。

POINT

・NTTグループの地域電気通信会社、東日本エリア全土を所轄
・売上高・利益いずれも極めて安定的、財務体質も大いに健全
・大卒総合職・30歳で年収600万〜700万円ほど、住宅補助が充実

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:69(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

総合職の採用人数は年間250人〜350人とかなり多め。NTTグループ中核企業の一角だけあって人気度は高く、採用倍率は高い。安定企業ゆえに不景気になると人気度は更に高まる。
採用大学:【国公立】東北大学・北海道大学・筑波大学・千葉大学・電気通信大学・横浜国立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・東京理科大学・芝浦工業大学など(出典:大学通信ONLINE

業績動向

✔営業収益と営業利益

東日本電信電話の売上高は1.6兆~1.7兆円レベルでの横ばいが長期的に続いている。営業利益も2,300億円~2,900億円で推移しており、景気の波にも左右されず極めて安定している。

✔セグメント別の状況

東日本電信電話は、地域電気通信事業(加入電話・公衆電話・LAN型通信網サービス・IP通信網サービス・電報サービス、電話機販売・など)のみの単一事業会社である。
当社はNTT法に基づき東日本エリアの地域電気通信事業者として電話・インターネット・電報サービスなどを展開する。なお、モバイル通信はNTTドコモ、長距離・国際通信はNTTコミュニケーションズが所轄するため、当社はあくまでも域内通信が主力事業となる。かつては電話事業が主力事業であったが、現在ではIPパケット通信が営業収益の半分以上を占めるにまで至っている。

✔最終利益と利益率

東日本電信電話の純利益は1,500億~2,000億円で極めて安定的に推移している。営業利益率は10%~17%台の高水準で安定しており、高い利益率を安定的に確保できていることが伺える。

✔自己資本比率と純資産

東日本電信電話の自己資本比率は60%〜70%レベルで長期的に推移しており、安定した利益水準を加味すれば倒産リスクとはまったく無縁な財務体質であろう。純資産も2.2兆円レベルで安定しており、増加傾向はないものの巨額の純資産を確保できている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

東日本電信電話の平均年収・平均年齢は非公開。大卒総合職は30歳で年収600万〜700万円ほど、課長職レベルで1,000万〜1,100万円ほどと推定。2023年からは「専門性を軸とした人事給与制度への見直し」が実施され、年功序列色の緩和が試みられている*1。
*1:昇格に必要となる年次・年数要件が廃止され、専門性に基づく昇給・昇格が設定。制度設計上は年功序列が薄められることとなった(参考リンク)。

✔従業員数と勤続年数

東日本電信電話の単体従業員数は4,950人ほど。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は3.55万人となっている。グループ会社には、各地域の地域子会社(NTT東日本-東北、NTT東日本-北海道など)や、情報通信エンジニアリンク会社(NTTエムイーなど)、システム開発会社(NTTテレコンなど)がある。平均勤続年数は非公開。

総合評価

企業格付け:A

NTTグループにおいて関東・甲信越・東北・北海道エリアの地域電気通信を担っている事業会社。NTTドコモ・NTT西日本・NTTデータ・NTTコミュニケーションズと並んで『NTTグループ中核5社』を形成している巨大企業である。業績は極めて安定しており、売上高・利益いずれも景気動向に殆ど左右されない盤石の安定性を誇る。実はインフラ業界にあっても電力会社・鉄道会社は世間が思うほど業績は安定しないのだが、これほど極めて安定した業績を確保し続けられている企業は貴重である。電力業界のように原子力発電所という巨大リスクを抱えるわけでもなく、鉄道業界のようにCOVID-19感染拡大期に需要消失するような事態もない。そのうえ営業利益率も15%前後で高位安定しており、電力業界・鉄道業界を圧倒する高利益率となっている。財務体質においても自己資本比率70%前後の超高水準を誇り、倒産リスクとはまず無縁。強いて言えば、日本国内の地域電気通信という事業の特性上、どうしても「右肩上がりの業績成長」という未来は描けないことだろうか。とはいっても、この業績・財務の安定性は頭一つ抜けており、当社の大きな強みと評価できよう。

就職格付け:A

かつて国営事業であった日本電信電話が民営化によってNTTグループへと移行後、グループ再編によって誕生した企業。民営化したとはいっても親会社の筆頭株主は今なお日本国政府(財務大臣)であり、発行済み株式数の約32%が政府保有となっている。給与水準は大卒総合職・30歳で年収600万〜700万円ほど、課長職レベルで1,000万〜1,100万円ほど。恵まれた業績と財務体質の割には、意外と高くはない。ただし福利厚生は恵まれており、家賃補助制度・借上げ社宅制度によって住宅コストの自己負担は非常に少なく、福利厚生を加味した実際の生活水準は見た目の年収+100万円ほどにはなる。当社最大のデメリットは転勤の多さであり、北海道・東北・甲信越・首都圏をローテーションするために生活拠点が安定せず、夫婦共働きが難しい点にある(恵まれた住宅補助は転勤負担への配慮でもある)。が、2022年からは転勤・単身赴任を廃止してリモートワークの普及を宣言。制度上は転勤負担がなくなると想定されるため、最大の欠点が大きく改善された。最近ではAmazonをはじめとする外資系企業はリモートワークを廃止して出社へと戻す揺り戻しも発生しており、現行の制度設計がどこまで維持されるのかは注視が必要。

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出典:東日本電信電話株式会社(財務情報)