本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
東京エレクトロンは国内首位かつ世界最大級の半導体製造装置メーカー。1963年に設立された当初はIC製造装置の輸入を主力事業としていたが、1980年代には電子部品検査装置の自社製造を開始。1990年代に日系半導体メーカーが世界シェア首位にまで登りつめる躍進を舞台裏から支えた。2000年代以降に日系半導体メーカーが衰退した後も、世界の半導体メーカーに半導体製造装置を納入。現代においては蘭ASMLと米アプライドマテリアルズに並ぶ、世界首位級の半導体製造装置メーカーとして君臨。
・世界首位級かつ国内首位の半導体製造装置メーカー、独自技術多数
・業績急拡大で売上高2兆円を突破、成長基調が続く
・平均年収1,398万円と傑出するが、半導体不況時の給与減少には注意
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:75(最高峰)
サラリーマンとしては最高峰クラスの勝ち組。昨今の業績好調と給与水準の上昇が高査定を牽引。半導体製造装置における世界的シェアと将来性から将来的な上振れにも期待。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関上位級
総合職の採用人数は200名以上と同業他社よりかなり多い。採用大学もハイレベル大学には偏重しておらず、熊本大学・新潟大学など地方大学からも積極採用を進める。
採用大学:【国公立】東北大学・九州大学・熊本大学・大阪大学・東京工業大学・新潟大学・千葉大学・山形大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・同志社大学・芝浦工業大学など(出典:大学通信ONLINE)
業績動向
✔売上高と営業利益
東京エレクトロンの売上高は過去8年間で急増して2021年には2兆円を突破*1。2023年にはやや減少したが、2024年には過去最高となる売上高2.43兆円に到達。営業利益は2021年から増加傾向にあり、2024年には過去最高となる6,973億円に到達している。
*1:半導体業界は好況と不況が顕著に分かれる市況産業であり、過去においても好不況を繰り返している特徴。当社もまた、好況期には業績が急騰するものの不況期には急減するサイクルを繰り返してきた歴史がある。
✔セグメント別の状況
東京エレクトロンは、半導体製造装置事業(ウェーハ処理工程用コータ・デベロッパ、エッチング装置、成膜装置、洗浄装置、ウェーハプローバなど)、中古装置・改造事業(中古半導体製造装置の動作確認・改造・オーバーホール・保守など)、サービス事業(交換用純正パーツ販売・再生・リファービッシュなど)、の3事業を有する。
当社は世界有数の半導体製造装置メーカーであり、同分野に特化した事業展開を進めている。半導体製造装置事業のなかでも、エッチング装置とコータ・デベロッパなどでは世界的シェアを掌握しており、傑出した競争力を誇っている。かつてはFPD製造装置(FPD=フラットパネルディスプレイ)も展開したが、より成長が見込まれる分野へリソースを集中させるべく、2023年から事業縮小を進めている(参考リンク)。
✔最終利益と利益率
東京エレクトロンの純利益は2020年まで1,800億~2,400億円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向*2。2024年には過去最高となる純利益5,441億円に到達している。営業利益率は長期的に20%~29%と高めであり、半導体業界の中でも優良な水準にある。
*2:COVID-19後における半導体不足を発端に、2020年頃から半導体業界は好況期に突入。世界的に半導体分野への投資が相次いだことで、当社の事業環境が急改善した経緯がある。
✔自己資本比率と純資産
東京エレクトロンの自己資本比率は70.1%(2024年)と高めの水準である。極端な好況と不況を繰り返す半導体産業特有の事情から、不況期に備えて財務基盤を堅実に保つ戦略をとっている事情がある。純資産は2020年から増加傾向が続いており、2024年には1.85兆円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
東京エレクトロンの平均年収は1,354万円(2024年)と、大いに高めの水準。総合職の場合、30代前半で年収1,000万円は超え、課長職レベルで年収1,500万~1,700万円が目安。ただし賞与の占める割合も大きい点には注意が必要であり、半導体産業が不況期に突入すると平均年収1,000万円を割り込む*3。
*3:半導体業界が不調期にあった時期の当社の平均年収は756万円(2014年3月期)であった。
✔従業員数と勤続年数
東京エレクトロンの単体従業員数は長期的な増加傾向にあり、2024年は2,224人(2024年)ほどの組織体制。昨今の半導体産業の活況により、人員体制を強化している。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は1.95万人ほど。平均勤続年数は14.9年(2024年)と大手メーカーの標準的な水準にある。
