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【勝ち組?】明治の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

明治ホールディングスは、乳製品・菓子・医薬品などを主力とする総合食品・菓子・医薬メーカー。1916年に東京都で菓子メーカーとして創業、戦前からキャラメル・ビスケットなどの生産を本格化。終戦後にはペニシリンの生産を開始して薬品事業に進出。2009年には同根企業であった明治乳業と経営統合を果たし、2011年には薬品事業をMeijiSeikaファルマとして企業化。現在ではヨーグルト・プロテイン・チョコレートで国内シェア首位、国内外グループ会社61社を擁する食品・菓子・医薬メーカーとして君臨。

POINT

・日系菓子メーカーとして最大の規模を誇る、乳製品・医薬品にも強い
・売上高・利益は横ばい傾向、景気後退局面も含めて利益は安定的
・総合職の30歳で年収650万円以上で住宅補助が手厚い、選考倍率が極端に高い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:69(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:至難

総合職の採用数は年間25名~30名のみ。長年に渡って就職人気ランキングでトップ圏に位置しており、選考倍率は例年2,000倍を超える。並大抵の難易度ではないため、他社との併願を強く推奨する。
採用大学:【国公立】東京大学・一橋大学・大阪大学・名古屋大学・九州大学・神戸大学・広島大学・東京都立大学・大阪公立大学・東京農工大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・明治大学・関西学院大学・法政大学・日本大学・芝浦工業大学など(出典:unistyle

業績動向

✔売上高と営業利益

明治ホールディングスの売上高は2018年に過去最高となる1.25兆円に到達したが、同年からは微減傾向。2023年には売上高1.1兆円となっている*1。営業利益は2020年に過去最高となる1,060億円に到達したが、同年からは減益傾向*2。
*1:2021年から売上高が減少した理由は、①「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」の適用による大幅減収、②前年のCOVID-19感染拡大期の巣ごもり需要拡大からの反動減、など。
*2:2021年から営業利益が減少傾向となっている理由は、①世界的な原材料価格の高騰によるコスト増加、②薬価改定による国内医薬品事業の減益、など。

✔セグメント別の状況

明治ホールディングスは、食品事業(飲料・乳製品・調理食品・菓子・アイスクリーム・飼料・流動食など)、医薬品事業(MeijiSeikaファルマによる医療用医薬品・動物薬など)、の2事業を有する。
当社は食品事業・医薬品事業を中核とするが、飲料・乳製品・菓子・アイスクリーム・医薬品などを幅広く展開する。菓子類では『きのこの山・たけのこの里』『アポロ』『マーブル』などが著名。2009年に経営統合した明治乳業が得意としたヨーグルト分野でも有力企業であり、国内シェア35%を掌握する業界最大手でもある(参考リンク)。

✔最終利益と利益率

明治ホールディングスの純利益は2021年に過去最高となる874億円に到達*3したが、2023年には506億円にやや後退。とはいえ景気後退局面も含めて安定的な利益確保ができており、業績は大いに安定的。営業利益率は7%~9%で安定しており、食品メーカーとしては高めの水準。
*3:2021年に純利益が急増した理由は、投資用・政策保有株式の売却による特別利益382億円が加わったことが主要因。同年は本業が苦戦したが、株式売却による特別利益が業績を押し上げた。

✔自己資本比率と純資産

明治ホールディングスの自己資本比率は増加傾向が続いており、2022年には自己資本比率62.7%に到達している。負債に依存しすぎない事業運営ができている。純資産は右肩上がりの増加傾向が続いており、2023年には7,877億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

明治ホールディングスの平均年収は直近で1,036万円となっているが、これは持株会社の116人のみの平均年収。実際には、総合職の30歳で年収650万~750万円ほど、課長職レベルで年収1,000万~1,200万円が目安。年功序列色が強いために給与を伸ばすためには勤続年数を重ねる必要がある。

✔従業員数と勤続年数

明治ホールディングスの単体従業員数は2019年から増加傾向だが、直近でも116名ほど。従業員の殆どは事業会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.72万人ほど。平均勤続年数は直近で20.9年と長いが、これは持株会社の116人のみの平均勤続年数であるため参考にならない。

総合評価

企業格付け:AA

菓子業界におけるトップ企業として知られる明治グループを代表する企業であり、乳製品・菓子・医薬品などを幅広く展開する。中核となる事業会社には明治(製菓・食品事業)とMeijiSeikaファルマ(医薬品事業)がり、両社の傘下には多数のグループ会社が名を連ねる。業績においては、売上高は1.25兆円(2018年)・営業利益は1,060億円(2020年)をピークにやや後退。2020年には、①COVID-19感染拡大による巣ごもり需要、②免疫強化のためのヨーグルト需要の高まりによって恩恵を受けた。他方で、2022年からは世界的な原材料価格の高騰によるコスト上昇に苦しんでおり、利益は伸び悩む。が、当社の強みは景気後退局面も含めて営業利益率7%~9%を確保できる安定性であり、米中貿易摩擦やCOVID-19などの社会的動乱にも利益水準を左右されにくいのは美点。財務体質においても自己資本比率61.9%(2023年)と高水準にあり、倒産リスクとはまず無縁である。

就職格付け:A

就職人気ランキングにおいてトップ圏に君臨し続けている超人気企業(参考リンク)。選考倍率は例年2,000倍を超えるほどの水準にあり、就職”難易度”だけで言えば日本企業トップクラスであろう。給与水準においては平均年収1,036万円(2023年)となっているが、これは持株会社の116人のみの平均年収。実際には総合職の30歳で年収650万~750万円ほど、課長職レベルで年収1,000万~1,200万円が目安となる。福利厚生においては借上げ社宅制度が充実しており、月額家賃額の最大80%が会社負担となる。年功序列色が強いために若手社員の昇給スピードは遅めであり、年収1,000万円に到達するのは40歳前後で管理職に登用されるのを待つ必要がある。総じて優良企業であるのだが、日系大手メーカーでも当社並み~当社以上の待遇を提供する企業は少なくなく、選考倍率に見合った待遇であるとは評価しにくいのが苦しいところ。選考倍率2,000倍に挑むほどの確固たる志望度が己にあるのかを再確認して臨みたい他、あまりに高い就職難易度から他社との併願は必須であろう。

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出典:明治ホールディングス株式会社(有価証券報告書)