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【勝ち組?】日本電解の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

日本電解は、自動車向け・回路基板向けの電解銅箔を主力とする素材メーカー。1958年に日立製作所・住友ベークライト・高速電機鋳造の3社が共同出資して電解銅箔の専業メーカーとして創業。1980年代には電解銅箔の用途拡大を進め、半導体パッケージ用途やLiB負極集電用途などに販路を拡大。2020年代には車載電池向けの電解銅箔を主力商品とし、パナソニックを通じて米・テスラの電気自動車にも当社製品が採用された。が、2022年に民事再生法の適用を申請して経営破綻。

POINT

・電解銅箔の専業メーカーで特に車載電池向け分野に強い、米・テスラにも採用
・売上高・利益は2021年まで急成長していたが、2024年に経営破綻
・平均年収541万円、地元の茨城県筑西市では唯一の上場企業として知られる

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:選外(経営破綻)

2024年11月27日付で東京地方裁判所において民事再生法の適用を申請。裁判所の監督下において事業再生に向けた過渡期にある企業であるため、現在は就職偏差値の判定は不可能となっている。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:選外(経営破綻)

現在においては既に経営破綻しており、就職難易度は判定不能。茨城県筑西市に本社を置いている唯一の上場企業として、同市内におけるネームバリューは高かった。
採用大学:非公開

業績動向

✔売上高と営業利益

日本電解の売上高は2021年に過去最高となる205.5億円に到達したが、同年以降は160億~170億円に後退*1。営業利益も2021年に10億円に到達したが、2022年・2023年には赤字圏に転落*2。
*1:2021年に業績好調となった理由は、①世界的な電気自動車の販売増加による需要高騰、②銅材料価格の高騰を受けた値上げ対応による増収効果、③北米・日本における5G通信機器向けの需要増加、など。
*2:2022年に赤字転落した理由は、①主力の車載電池用銅箔のシェア低下、②中国を筆頭にスマートフォン需要が世界的に低迷したことによる回路基板用銅箔の販売数量減少、③米国新工場の建設に向けた先行投資の費用増加、など。

✔セグメント別の状況

日本電解は、電解銅箔製造事業(半導体パッケージ用途・LiB負極集電用途・FPC基板用途などの電解銅箔の製造・販売)のみの単一事業会社であ。
当社は1958年の創業から60年以上に渡って電解銅箔の専業メーカーとして発展。電解銅箔は電子・電気機器にほぼ必ず使用されている素材であり、電子・電気信号を伝える回路基板の導体として使用される他、電気自動車のリチウムイオン二次電池(LiB)の負極集電体としても使用される。

✔最終利益と利益率

日本電解の純利益は2019年に過去最高となる19.8億円に達したが、同年以降は低迷。2022年・2023年は純損失を連続計上する状況にあった。営業利益率は2021年まで3%~7%ほどで推移しており、素材メーカーとしては悪くはない水準。

✔自己資本比率と純資産

日本電解の自己資本比率は25%~36%ほどで長期的に推移しており、それほど問題はない水準。純資産は2022年まで右肩上がりで増加しており、同年には74.5億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本電解の平均年収は480万~595万円ほどで横ばい。総合職は30歳で年収330万〜430万円ほど、課長職レベルで650万〜800万円ほど。平均年齢は直近で44.8歳と大手メーカーの標準的な水準。

✔従業員数と勤続年数

日本電解の単体従業員数は2022年まで200人規模で横ばいであったが、2023年には173人まで減少。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は230人ほど。平均勤続年数は直近で12.7年とまずまずの水準。

総合評価

企業格付け:FF

電解銅箔の専業メーカーとして60年以上の歴史を持つ老舗メーカー。米・テスラにも当社製の電解銅箔が使用されたことで知名度を一気に高め、2021年6月には東京証券取引所への株式上場を果たした。が、2024年11月27日に民事再生法の適用を申請(参考リンク)。上場企業の突然の経営破綻によって株価は一気に下落し、多くの株式投資家が損失を被る事態となった。主たる経営破綻の理由は、①北米・オーガスタ工場への投資負担、②米IRA法による電解銅箔の販売数量の減少、③銅価格の更なる上昇による損益の悪化、など。これにより、北米向け投資のために調達した120億円の返済の目途が立たなくなり、資金繰りが行き詰まるまえに民事再生法の適用を申請する運びとなった。

就職格付け:FF

当面は東京地方裁判所の監督下において事業再生に向けた準備を進めている状況にあるため、就職格付けは割愛する。

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出典:日本電解株式会社(有価証券報告書)