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【勝ち組?】住友生命保険の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

住友生命保険は、住友グループに属する大手生命保険会社。1907年に岡本敏行が『日之出生命保険』として創業、1926年には住友グループ入りを果たして現社名へと社名変更。終戦後には保険料の引き下げを主張して顧客負担の軽減に努め、1958年に大阪・中之島に本社ビルを竣工した。2005年には中国人民保険集団とPICC生命を設立して中国市場に進出。2010年には第三分野保険分野での勢力拡大に向けてメディケア生命保険を設立。2016年には米中堅生保・シメトラを買収して北米地域での存在感を強めている。

POINT

・住友グループの大手生命保険会社、米中堅生保を買収して海外事業を拡大
・業績は安定的だが利益はやや伸び悩む、財務健全性は大いに良好
・総合職・30歳で年収800万~850万円、全国転勤あり総合職は住宅補助も手厚い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:67(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:総合キャリア職=難関

年間の採用数は290人~320人だが、うち総合キャリア職の採用数は90人ほど。総合キャリア職は難関であるが、ビジネスキャリア職・総合営業職の難易度はやや格落ちる。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・東北大学・北海道大学・九州大学・筑波大学・信州大学・熊本大学・岐阜大学・富山大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・中央大学・学習院大学・関西学院大学・立命館大学・日本大学・専修大学・玉川大学・フェリス女学院大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔経常収益と経常利益

住友生命保険の経常収益は2019年まで減少傾向がみられたが、同年以降は増加傾向に転換*1。2023年には経常収益4.37兆円に到達している。経常利益は2018年まで2,000億~2,200億円で推移していたが、同年以降は590億~1,100億円に後退している*2。
*1:当社の経常収益が増加している理由は、①外貨建て保険の販売好調による保険料収入の増加、②円安による海外債券の利息増加、③投資先企業の業績好調による配当金の増加、が主要因。
*2:2019年から経常利益が落ち込んでいる理由は、①COVID-19による保険金支払いの増加、②保有する有価証券の評価損・売却損の拡大、③責任準備金繰入額の増加、など。

✔セグメント別の状況

住友生命保険は、保険料収入事業(日本・米国・中国・アジア圏における生命保険料による収入など)、資産運用事業(株式・公社債・外国証券による預かり資産運用、スミセイ・アセット・マネジメントなどによる投資運用・助言、不動産投資・不動産管理など)、その他事業(システム開発・事務代行・金銭収納代行・医療データ解析など)、の3事業を有する。
当社は日本・米国・中国・アジア圏において生命保険事業を広く展開しているが、最大の主力市場は依然として国内市場となっている。海外市場においては2016年に買収した米・シメトラ社と、2005年に設立した中国・PICC生命などを通じて現地展開している。

✔最終利益と利益率

住友生命保険の純利益は2020年まで減少傾向が続いていたが、同年以降は増加傾向に転換。2023年には純利益1,641億円にまで回復している。自己資本利益率は2022年に18.3%まで急増したが、2023年には9.21%となっている。

✔自己資本比率と純資産

住友生命保険の自己資本比率は3.69%(2023年)と低めだが、生命保険会社であれば妥当な水準。保険会社は顧客から保険料を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。純資産は1.78兆円(2023年)となっており、他大手3社に比べると小さい。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

住友生命保険の平均年収は非公開だが、780万円~810万円ほどで推移していると推定される。総合職の場合、30歳で年収800万~850万円ほど、課長職へ昇格すると年収1,200万~1,400万円に到達する。ライフデザイナー職の場合は、販売実績に応じて給与が決まる実力主義色が強い評価制度となっている*3。
*3:ライフデザイナー職の場合、固定給は21万円~となっており、契約実績に応じて給与が大きく変動する。成績がよければ年収1,000万円を超える反面、成績が振るわなければ年収200万円台にも後退する。

✔従業員数と勤続年数

住友生命保険の単体従業員数は1.04万人(2023年)の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4.25万人ほど。平均勤続年数は17.0年(2023)と生命保険業界としては長め。

総合評価

企業格付け:A

大手生命保険4社(日本生命・第一生命・明治安田生命・住友生命)において第4位に位置する大手生命保険会社。最近では生命保険の枠を超えて「ウェルビーイングの提供」を重視しており、行動経済学に基づく『Vitality』プログラムによって保険加入者の健康増進にも注力している(参考リンク)。業績においては2020年まで純利益の減少が続いていたが、2022年には純利益1,000億円以上へと回帰。とはいえ、国内市場の少子高齢化・人口減少によって長期的に伸び悩んでおり、海外市場における業績拡大も思うようには進んでいない。財務体質においても十分な健全性を維持しており、業界上位クラス。連結ソルベンシー・マージン比率は639%(2023年)となっており、監査当局による業務改善命令の閾値となる200%には十分な余裕を保っている。

就職格付け:総合キャリア職=A/ライフデザイナー職=C

■総合キャリア職=A
当社は将来の経営を担う幹部候補生を総合キャリア職として採用しているが、給与面では転勤有無によって差がつけられている。全国転勤ありの総合キャリア職であれば、30歳で800万円~850万円は優に超え、課長職レベルで年収1,200万~1,400万円となる。転居を伴う異動がないRコースだと月額給与で約6万円の差がつくため、年収ベースでは72万円ほど下がる。福利厚生においても転勤有無による差が付けられており、転勤ありだと独身寮・社宅が与えられる反面、転勤なしだと住宅補助はない。

■ライフデザイナー職=C
ライフデザイナー職は給与制度・福利厚生が別枠となっているため注意が必要。採用から半年間は固定給として支給されるが、その後は固定給+実績給へと移行する。とはいえ固定給は最少20万円~となるため、契約を獲得できなければ相当の低賃金になってしまう点には注意が必要。女性職種であるがゆえに、福利厚生においては子育て支援・介護支援など「仕事と家庭の両立」を支援する制度に恵まれているが、営業適性がなければ長期勤続が難しいことは課題となるだろう。

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出典:住友生命保険相互会社(決算情報)