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【勝ち組?】三菱UFJモルガン・スタンレー証券の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

三菱UFJモルガン・スタンレー証券(持株会社・三菱UFJ証券ホールディングス)は、MUFGグループに属する大手証券会社。2002年に三菱東京フィナンシャルグループ(現・三菱UFJフィナンシャルグループ)が傘下の証券会社を再編統合して誕生。2009年には米・モルガン・スタンレー日本法人のうち投資銀行部門を吸収して現社名へと社名変更。現在では国内五大証券会社の一角を占め、M&Aアドバイザリーでは野村證券に続いて国内シェア2位を誇る。

POINT

・MUFGグループのメガバンク系証券会社、国内五大証券会社の一角
・売上高・利益いずれも横ばい傾向、海外売上高比率は約30%レベル
・大卒総合職・30歳で年収750万〜900万円、IBコース採用は超高難易度

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:IB=78/オープン=66

IB:誰もが羨望する圧倒的な待遇・地位が約束されるスーパーエリート。しかしそれゆえ、入社できるのは同世代の極一握りに限られる。
オープン:かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要。

詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:IB=至難/オープン=難関

総合職の採用数は毎年60名~120名ほど。大量採用ではないうえ証券業界の志望者には人気であり、難易度は低くない。IBコース採用は採用枠が数人のみ、トップエリートのみが得られる採用枠である。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・中央大学・立教大学・法政大学など(出典:外資就活ドットコム

業績動向

✔営業収益と営業利益

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の営業収益は2021年から急増傾向にあり、直近の2023年に7,162億円に到達。営業利益は230億~650億円での横ばいが続いている。
*1:2021年からの営業収益の急増の理由は、①COVID-19以降の金融市場の安定化、②国内外における株価上昇による株式や投資信託の売買増加、など。

✔セグメント別の状況

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、国内部門(日本国内における証券業務、auカブコム証券・MUSビジネスサービスなど)、欧州部門(ヨーロッパ・EMEAにおける事業展開など)、米州部門(アメリカ・カナダにおける事業展開など)、その他事業(証券持株会社・営業外収益で計上される子会社からの受取配当金)、の4事業を有する。
親会社であるMUFGグループが当社株式の100%を保有しており、当社は同グループにおける証券事業を担う位置付けにある。海外においても事業展開を行っており、海外売上高比率は約30%強に達している。

✔最終利益と利益率

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の純利益は170億~400億円ほどで横ばい。営業利益率は6%〜16%で推移しており安定しないが、証券会社のビジネスの特性上、営業収益が年度により増減しやすいためやむを得ない。

✔自己資本比率と純資産

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の自己資本比率は2%前後と著しく低い水準にあるが、これは証券業の特性によるもの。顧客から預金・有価証券を預かる事業の性質上、貸借対照表での負債が広がるため自己資本比率が低くなりやすい。純資産は2021年から増加傾向にあり、直近では純資産1.1兆円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の平均年収は1,000万円前後での推移が多いが、これは持株会社の126名のみの平均年収。大卒総合職は30歳で年収750万〜900万円ほど、課長職レベルで1,200万〜1,400万円ほどと推定。好成績を収めれば30代前半には年収1,000万円に到達することは可能。

✔従業員数と勤続年数

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の単体従業員数は100人規模に過ぎず、従業員の殆どは事業会社に属している。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は5,800人規模となっている。平均勤続年数は12.6年とやや短め。

総合評価

企業格付け:BBB

MUFGグループにおいて証券事業を担う位置付け。社名にモルガンスタンレーとあるのは、2009年に米・モルガン・スタンレーの日本法人の「投資銀行部門」のみを吸収したことに起因する。なお、米・モルガンスタンレー日本法人のうち投資銀行部門”以外”は、現在モルガン・スタンレーMUFG証券として存続しており別会社である(社名が紛らわしいために混同しないように注意)。国内五大証券会社の一角として知られるが、顧客網や店舗数においては最大手2社(野村證券・大和証券)には及ばない状況。業績は良くも悪くも横ばい傾向が強く、2021年からは株式市場の好調によって手数料収入は急増しているが利益は伸び悩む。2024年度からはMUFGグループの新中期経営計画に対応して経営計画を調整。国内リテール顧客基盤の強化をベースとしつつ、将来方針として「資産運用立国実現への貢献」「GCIB・市場一体ビジネスモデルの進化」などを掲げている(参考リンク)。

就職格付け:IB=SS/オープン=BB

■オープン採用
メガバンク系大手証券会社の筆頭格であり、出自が類似する企業にはSMBC日興証券(SMFG系)・みずほ証券(みずほ系)など。メガバンクのグループ企業であるため、よく言えばメガバンクの顧客基盤を活かした営業活動を展開できる反面、悪く言えばグループ全体のため証券事業を展開するいち事業会社に過ぎないとも評価できる(これが証券業を中核に発展した野村證券・大和証券との違いである)。給与水準においては平均年収1,000万円ほどで推移しているが、これは持株会社の126名のみの平均年収であるため参考にならない。実際には、大卒総合職は30歳で年収750万〜900万円ほど、課長職レベルで1,200万〜1,400万円ほどである。営業職は成績によっての加算はあるが、青天井で成績給が積み上がることはなく、やはり30代で年収1,000万円レベルに留まる。他方で証券業界では避けられない”目標達成”への心理的負担は相当にあり、一定以上の努力をしつづける覚悟は必要。向き不向きがハッキリと分かれるうえ離職率も一定程度あるため就職偏差値は高くならないが、自身の営業適性に自信があるのならば、挑んでみるのも一興。

■IB採用
入社時点でキャリアパスを投資銀行部門に特定するコースであり、入社次点においてコーポレートファイナンス・IPOアドバイザリー・不動産証券化・事業再生などの高度金融に関わることが確約される所謂ブレイン採用枠である。ドサ周り営業に人生の時間を費やすことなく、高度金融に携われるキャリアパスは大いに魅力的。将来的なキャリアパスの幅や高待遇からして、就職格付けは日系金融機関では最上位クラスとなる。オープン採用の総合職とは異なり、入社から一定期間が経過すると有期専門職契約を結ぶことも可能であり、実力に応じて更に高い給与水準を提示されることもある。

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出典:三菱UFJ証券ホールディングス株式会社(有価証券報告書)