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【勝ち組?】三井住友ファイナンス&リースの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

三井住友ファイナンス&リースは、SMFGグループに属する大手リース会社。1963年に住友商事が不動産会社として創業。1968年にはリース事業へと進出、社名を住商リースへと変更。2006年に三井住友銀行系の三井住友銀リースと合併を果たし、社名を現社名へと改めた。同年以来、SMFGグループと住友商事が株式を50%ずつ持ち合う関係にあり、両社のグループ会社としての立場にある。現在ではリース業界においてオリックスに続く、業界2位。2022年には航空機リース大手のアイルランド・ゴスホーク社を買収、航空機リース分野で世界シェア2位に躍進。

POINT

・SMFGグループの大手リース会社、航空機リースで世界シェア2位
・売上高・利益いずれも2021年から増加傾向、財務体質も良好で問題ない
・平均年収916万円で福利厚生もかなり良好、経営陣は親会社出身が多い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:68(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

総合職の採用数は毎年50名~70名ほど。転勤がない業務職(いわゆる事務一般職)採用も行なっているが、こちらは毎年10名ほどしか採用しないため非常に難関。
採用大学:【国公立】大阪大学・九州大学・神戸大学・筑波大学・新潟大学・滋賀大学・埼玉大学・東京外国語大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・関西学院大学・南山大学・法政大学・学習院大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

三井住友ファイナンス&リースの売上高は2020年まで1.4兆〜1.6兆円で推移していたが、2021年から増加傾向。2023年には過去最高となる売上高2.26兆円に到達。営業利益は2020年に急落したが、2023年には過去最高となる1,573億円に到達。
*1:2021年から売上高が増加している理由は、①COVID-19以降の世界的な設備投資の増加によるリース取扱高の増加、②為替レートの円安推移による為替効果、③2022年に航空機リース大手のアイルランド・ゴスホーク社を買収、など。

✔セグメント別の状況

三井住友ファイナンス&リースは、国内リース事業(日本国内における機械設備・物品のリース・延払・営業貸付・レンタル、中古売買など)、不動産事業(商業施設・オフィスビル・物流倉庫などのリース・営業貸付、不動産賃貸、不動産開発など)、トランスポーテーション事業(航空機・航空機エンジン・ヘリコプター・船舶のリース・延払・営業貸付など)、国際事業(海外企業向けの販売金融など)、の4事業を有する。
当社は売上高の約半分を国内リース事業が占めているが、利益面では不動産事業とトランスポーテーション事業が最大の稼ぎ頭。2022年には航空機リース大手のアイルランド・ゴスホーク社を買収したことで、航空機リース分野で世界シェア2位に躍進している。

✔最終利益と利益率

三井住友ファイナンス&リースの純利益は2022年まで330億~800億円ほどで推移していたが、2023年に1,297億円まで急増*2。営業利益率は2%〜6%で推移しており金融業界としては高くないが、景気後退局面にも安定した推移は強み。
*2:2023年に純利益が急増した理由は、ロシアによるウクライナ侵攻によって露・アエロフロート社にリースした航空機の回収不能に伴う保険金差益829億円が計上された点に起因(参考リンク)。

✔自己資本比率と純資産

三井住友ファイナンス&リースの自己資本比率は9%~10%前後とかなり低い水準にあるが、これはリース業の特性によるもの。リース会社は借入などで調達した資金でリース対象の資産を購入、収益を得るビジネスモデルゆえに自己資本比率が低くなりやすい

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

三井住友ファイナンス&リースの平均年収は緩やかな増加傾向にあり、直近では916万円となっている。大卒総合職は30歳で年収700万〜800万円ほど、課長職レベルで1,100万〜1,300万円ほどと推定。三井住友銀行の約80%ほどの給与テーブルとなっている。

✔従業員数と勤続年数

三井住友ファイナンス&リーの単体従業員数は2018年に急増、同年からは2,200人ほどでの横ばいが続いている。三井住友フィナンシャルグループの連結従業員12万人の約2%が当社に属している。平均勤続年数は14年ほどでの横ばいであり、大手企業としては長くないが金融業界としては長めの水準。

総合評価

企業格付け:A

SMFGグループのリース会社であり、リース業界においてオリックスに続く業界2位に位置する最大手の一角。実は住友商事の不動産子会社として出発した企業であり、今なお住友商事が当社株式の約50%を抑える(それゆえ当社は住友商事グループにも属しており、企業ロゴにもSMFGマークが入っていない)。業績は2021年から売上高・利益を伸ばしており、2023年には過去最高となる売上高2.26兆円に到達。とりわけ2022年にアイルランドの航空機リース大手・ゴスホーク社を買収したことが業績拡大に大きく貢献している。2023年からは世界的にCOVID-19が終息、航空機需要が急回復したことで世界2位の航空機リース大手である当社にも追い風が吹いている(参考リンク)。直近の2023年にはトランスポーテーション事業が全社利益の約41%を支えており、今や同事業は国内リース事業を大きく上回る利益貢献を果たしている。他方で、世界的な金利上昇は(多額の借入金によって機材調達をするリース会社のビジネスモデルにとって)逆風であり、金利上昇による資金調達コスト上昇が将来的に当社の利益を圧迫していく可能性はある。

就職格付け:A

SMFGグループに属するメガバンク系の大手リース会社。メガバンク系列の大手リース会社には他にも三菱HCキャピタルやみずほリースがあるが、他2社はいずれも上場企業であるのに対して当社は非上場企業である。給与水準はリース業界ではトップクラスであり、直近の平均年収は916万円となっている。総合職であれば30歳で年収700万〜800万円ほど、課長職レベルで1,100万〜1,300万円ほどに達する。グループ会社の三井住友銀行と比べると給与水準はやや落ちるが、当社最大の強みは(メガバンクにおけるキャリアパスの欠点である)40代〜50代にかけての転籍出向がない点。総合職であっても大半が定年退職まで本体に残れるため、人生後半の給与水準を維持しやすいのは大きな魅力である。福利厚生もそこそこ恵まれており、家賃補助制度では月額4万円までが補助される(転勤者であれば月額家賃の最大80%が補助される)。が、当社の経営陣・役員ポストは住友商事と三井住友銀行の出身者で殆どが固められておりプロパー入社での出世には限界がある。その点は、独立系のリース会社とは大きく異なるため、よく認識しておきたい。

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出典:三井住友ファイナンス&リース株式会社(有価証券報告書)