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不動産

【勝ち組?】ダイビルの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ダイビルは、オフィスビル賃貸を主力とする商船三井グループの大手不動産会社。1923年に大阪商船(現・商船三井)が新社屋を建設するために設立。戦前から大阪や東京にオフィスビルを開業して不動産会社として成長。終戦後には占領軍によって所有不動産を接収されたが、1960年代からは新物件の開発を再び加速させた。現在では東京・大阪・札幌に計31棟のオフィスビル・ホテルビル・商業ビルを所有、2010年からはベトナムやオーストラリアにも進出。

POINT

・商船三井グループの不動産会社でオフィスビル主体、大阪地盤
・売上高・利益いずれも安定型、営業利益率は業界上位クラスの高水準
・平均年収1,015万円、従業員数100名規模で少数精鋭の組織体制

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:70(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:最難関級

従業員数100人規模の少数精鋭の企業であるため、採用数は年間2人~5人と極端に少ない。高待遇の割には一般知名度が低いが、門戸が狭いために難易度は相当に高い。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・名古屋大学・東北大学・神戸大学・横浜国立大学・東京外国語大学・東京農工大学・東京都立大学・下関市立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・同志社大学・明治大学・中央大学・立命館大学・武庫川女子大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

ダイビルの売上高は緩やかな増加傾向*1にあり、2023年には過去最高となる443億円に到達している。営業利益は増加傾向こそないが、100億円〜120億円で極めて安定している。
*1:売上高が長期的に増加している理由は、①新規物件の一部持分や信託受益権の取得を継続している点、②2024年に『御堂筋ダイビル』が開業した点、③オフィスビル需要の好調による賃料値上げ、など。

✔セグメント別の状況

ダイビルは、土地建物賃貸事業(オフィスビル・土地・駐車場の賃貸など)、ビル管理事業(ビル清掃・設備管理・保安業務などの総合ビル管理業務)、その他事業(工事請負・工事管理・不動産仲介など)、の3事業を有する。
当社は売上高の約79%を土地建物賃貸事業によって稼いでおり、同事業が全社利益の約97%を占める。同事業は大阪・中之島エリアを地盤としており、当社の旗艦物件『中之島ダイビル』は中之島エリアのシンボルとして認知される。大阪以外では、東京・札幌・ベトナム・オーストラリアでも事業を展開している。

✔最終利益と利益率

ダイビルの純利益は長期的に60億~80億円のレンジで安定的に推移。営業利益率は23%〜28%のレンジで推移しており、不動産会社としても相当に高めの水準。営業利益率だけならば財閥系不動産デベロッパーにも勝るとも劣らない。

✔自己資本比率と純資産

ダイビルの自己資本比率は40%前後で長期的に安定して推移していたが、2023年には35.9%にやや低下*2。純資産は2019年まで1,500億円レベルで横ばいであったが、同年以降は増加傾向に転換。2023年には1970億円に到達している。
*2:不動産デベロッパーは土地建物への投資額が巨額に及び、投資期間も長期に渡る。そのため長期借入金などの資金調達で費用を賄うことが多く、自己資本比率が高まりにくい傾向がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ダイビルの平均年収は2022年まで930万〜980万円で推移していたが、2023年には1,015万円に到達。大卒総合職の場合、30歳で年収850万~900万円ほど、課長職へ昇格すると年収1,250万~1,400万円に到達する。財閥系不動産デベロッパーには及ばないが、業界上位の給与レンジである。

✔従業員数と勤続年数

ダイビルの単体従業員数は増加傾向にあるが、2023年でも114人と極めて少数精鋭の組織体制。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,100人ほど。平均勤続年数は9.6年(2023年)と短いが、これは積極採用で新入社員の増加が続いている反動でもある。

総合評価

企業格付け:A

戦前から大阪・中之島エリアを地盤にオフィスビルを開発してきた名門。歴史的な経緯から商船三井と親密な関係にあったが、2022年には同社が総額1,213億円を投じて、当社を完全子会社化。今後は商船三井グループにおいて業績不安定な海運事業を補完する役割を期待されることになる。業績においては、事業規模こそ売上高500億円に満たないが、売上高・利益いずれも安定的。営業利益率は20%を優に上回る高水準をきっちりと維持しており、過度な拡大戦略をとらず高利益率を着実に確保する戦略を貫いている。2023年には2035年に向けた中期経営計画を発表(参考リンク)。2035年までに純利益250億円・総資産1兆円を目標としており、新たにインドにおけるオフィスビル開発に参画(参考リンク)。

就職格付け:AA

大阪を地盤とするオフィスビル重視の不動産会社。保有物件が31棟と多くはないため一般知名度はないが、不動産業界では優良企業としてよく知られた存在。大阪・中之島エリアを代表する『中之島ダイビル』や『ダイビル本館』はランドマークとして広く親しまれている。給与水準においては財閥系不動産デベロッパーには及ばないが、平均年収1,015万円(2023年)と高水準。総合職であれば30歳で年収850万~900万円ほど、課長職へ昇格すると年収1,250万~1,400万円に到達する。福利厚生においては、独身寮・社宅制度が充実しており生活コストを格安で抑えられる。強いて言えば、労働環境は平均残業時間33時間・有給休暇取得率69%といずれも凡庸であり、平均勤続年数9.6年とそこそこ短いのは弱み。また、年間の採用数が2人〜5人と極めて少ないため、滑り止めの併願はまさに必須である。

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出典:ダイビル株式会社(有価証券報告書)