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【勝ち組?】ダイハツ工業の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ダイハツ工業は、軽自動車の生産を主力とするトヨタグループの自動車メーカー。1907年にエンジン国産化を目指して創業、1930年には三輪自動車の生産を開始して自動車メーカーへと転換。終戦後にはトヨタ自動車との関係を深め、軽自動車を主力とするラインナップを展開。1980年台からはインドネシアやマレーシアへと海外進出を開始した。2016年にはトヨタ自動車が当社株式の100%を取得して完全子会社化されている。現在では、国内軽自動車市場でスズキと双璧をなす大手であり、マレーシアでは『プロドゥア』ブランドで同国シェア首位に君臨している。

POINT

・トヨタグループの軽自動車メーカー、国内市場ではスズキと双璧
・売上高は停滞気味で利益も認証不正で急減、財務体質は良好
・総合職・30歳で年収520万円〜が目安、関西圏と九州が地盤

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:60(中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用人数は年間100人~130人と企業規模なりだが、うち事務系総合職は30名ほどと狭き門。主力拠点が立地している関西圏・九州圏の出身者が多い。
採用大学:【国公立】大阪大学・九州大学・広島大学・金沢大学・静岡大学・岡山大学・滋賀大学・長崎大学・佐賀大学・兵庫県立大学・滋賀県立大学・東京農工大学・九州工業大学など、【私立】早稲田大学・中央大学・関西学院大学・関西大学・立命館大学・日本大学・芝浦工業大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

ダイハツ工業の売上高は1.2兆~1.4兆円ほどで長期的に推移していたが、2023年のみ1.18兆円に後退している*1。営業利益は2019年の1,000億円をピークに減少傾向にあり、2023年には営業損失▲50億円に転落している。
*1:2023年に売上高・利益が減少した理由は、認証試験不正問題の発覚によって生産・販売が停止に追い込まれたことが主要因(参考リンク)。生産の全面再開まで4ヶ月以上を要したうえ、企業イメージの低下による客離れも打撃となった。

✔セグメント別の状況

ダイハツ工業は、自動車事業(日本国内における軽自動車の開発・生産、トヨタ自動車・SUBARU・マツダ向けのOEM・受託生産、インドネシア・マレーシアにおける生産・販売など)、のみの単一事業会社である
当社はトヨタグループにおいて小型車・廉価車分野を担っている。国内外において年間149万台(2024年)を生産しているが、うち約42万台をインドネシア、約36万台をマレーシアで生産している。とりわけマレーシアでは現地資本との合弁ブランド『プロドゥア』を展開しており、同国シェア首位に君臨している。

✔最終利益と利益率

ダイハツ工業の純利益は2019年まで970億~980億円ほどで推移していたが、同年以降は減少傾向がみられる。2024年には純損失▲50億円に転落している*2。営業利益率は2019年まで5%~6%ほどで推移していたが、同年以降は減少傾向。2023年には営業損失▲0.42%に赤字転落している。
*2:2024年に純損失▲50億円に転落した理由は、前年度に発覚した認証不正に関連する特別損失1,100億円が主要因(参考リンク)。

✔自己資本比率と純資産

ダイハツ工業の自己資本比率は44.9%(2024年)とかなりの高水準。多少の業績悪化であれば十分に耐え凌げる堅実な財務体質となっている。純資産は過去8年間に渡って3,800億〜4,100億円で推移しており、増加も減少もない横ばい傾向となっている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ダイハツ工業の平均年収は非公開だが、長期的に640万円~670万円ほどで推移していると推定される*3。総合職の場合、30歳で年収520万~600万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,150万円に達する。平均年齢は41.4歳(2024年)と大手企業の標準的な水準を僅かに下回る。
*3:この平均年収は求人情報・企業口コミ情報をベースに当組織が業績・平均年齢・平均勤続年数を加味して推計した数値である。

✔従業員数と勤続年数

ダイハツ工業の単体従業員数は1.24万人(2024年)と、かなりの大所帯となっている。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は4.68万人ほど。平均勤続年数は18.8年(2024年)と、大手企業の標準的な水準を上回る。

総合評価

企業格付け:CCC

言わずとしれたトヨタグループの軽自動車メーカーであり、国内市場においてはスズキと軽自動車シェア首位を争う関係。が、売上高ではスズキ(5.82兆円)と当社(1.27兆円)では意外なほどの大差がある。業績においては売上高1.2兆円〜1.4兆円での横ばいが続いており、成長は頭打ちの状況。特に痛いのは利益面での苦戦であり、2019年の営業利益1,000億円をピークに低迷傾向が続いている。そのうえ2023年には認証試験不正問題の発覚によって生産・販売の停止に追い込まれ、更なる大幅減益を強いられる結果となった。財務体質においては自己資本比率44.9%(2024年)と今なお健全性は十分であるが、早期の利益回復が切望される状況であろう。が、認証試験不正問題の再発防止として、タイトすぎる開発スケジュールや社内プロセスの見直しや優先されており、不正以前の商品投入スピードの維持は厳しくなる可能性が高い。

就職格付け:CCC

かつて官立大阪工業高校(現・大阪大学工学部)の関係者がエンジン国産化を志して創業した歴史があり、当時としては珍しい産学連携ベンチャー企業であった。現在においても大阪企業の色彩が強く、国内拠点は大阪・京都・滋賀・大分に集積している。給与水準においては平均年収640万円~670万円ほどで推移していると推定され、自動車メーカーとしては中堅クラス。総合職であれば、30歳で年収520万~600万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,150万円に達するため、関西圏であれば良好な生活水準を得られるだろう。福利厚生においては企業規模の割には普通であり、家賃補助制度においては入社後4年間かつ上限4.5万円/月の支給に留まる。自動車メーカーの例に漏れず、社員割引制度によってダイハツ車を割安価格で購入することができる。

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出典:ダイハツ工業株式会社(決算公告)