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【勝ち組?】クレディセゾンの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

クレディセゾンは、クレジットカード・投資信託・ローン・信用保証などを展開する総合金融サービス会社。1951年に月賦販売を主力とする緑屋百貨店として創業、1970年代に百貨店ビジネスの行き詰まりを機に業態転換。1980年に西武クレジットに社名変更して総合金融業へ進出、1989年に現社名のクレディセゾンへ社名変更。主力はクレジットカード事業であり、会員数2,600万人・年間取扱高5兆円規模。かつては西武グループの一企業であったが、西武グループの解体後は独立系金融会社の道を歩んでいる。

POINT

・独立系クレジットカード会社の雄、現在は総合金融サービスを展開
・営業収益・利益いずれも2021年から増加傾向、高利益率で財務健全
・平均年収586万円だが福利厚生はそこそこ充実、転勤有無を選べる

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:60(中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用実績は年間30名~45名ほど。クレジットカード業界の大手企業ではあるが、中堅大学からの採用数も数多い。エリア職については女子大学からの就職者が多い。
採用大学:【国公立】千葉大学・横浜国立大学・埼玉大学・東京都立大学・大阪公立大学など、【私立】青山学院大学・立教大学・立命館大学・関西大学・日本大学・成蹊大学・甲南大学・國學院大学・東京女子大学・共立女子大学・実践女子大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔営業収益と営業利益

クレディセゾンの営業収益は2021年までは2,700億~3,100億レベルで推移していたが、2022年には過去最高となる3,226億円に到達*1。事業利益は2020年から回復傾向にあり、2023年には719億円に到達*2。
*1:収益の稼ぎ頭であるペイメント事業は決済に伴う手数料ビジネスであるため、好景気で消費が活性化すると伸びる傾向。2022年はCOVID-19の影響緩和によるリベンジ消費により手数料収入が増えた。
*2:2020年から利益を伸ばした理由は、①ペイメント事業の取扱拡大による利益増加、②住宅市場の活況による不動産ローンや家賃保証の需要拡大、③海外事業の成長、など。

✔セグメント別の状況

クレディセゾンは、ペイメント事業(クレジットカード・投資信託・債権回収など)、リース事業(事務用機器の賃貸など)、ファイナンス事業(信用保証・フラット35・家賃保証・ローン・融資など)、不動産事業(賃貸マンション開発・リノベ・事業用不動産再生など)、グローバル事業(インド・ベトナム・シンガポールなどにおけるレンディング・インベストメント)、エンタテイメント事業(コンサートホール運営・チケット販売など)、の6事業を有する。
当社は手数料ビジネスのペイメント事業をコア事業としつつ、多角的な金融サービスを展開している。クレジットカード事業の手数料収入を安定的な収益源として活用しつつ、利益率の高い金融サービスにも進出することで稼ぐビジネスモデルである。

✔最終利益と利益率

クレディセゾンの純利益は2020年から増加傾向にあり、2023年には過去最高となる729億円に急増。営業利益率は景気後退局面でも10%以上、業績好調時には19%以上にも到達する。

✔自己資本比率と純資産

クレディセゾンの自己資本比率は長年に渡って15%前後の水準で安定的に推移。大手企業としては低い自己資本比率だが、クレジットカード事業者としては何ら問題ない水準*3。純資産は長期的に増加傾向が続いており、2023年には純資産7,176億円に到達。
*3:クレジットカード事業者は顧客から回収する前の決済金額を営業債権として貸借対照表へ計上する必要があり、自己資本比率が低くなりやすい業界事情がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

クレディセゾンの平均年収は500~550万円台での推移が続いているが、2023年には586万円にやや増加。大卒総合職の場合、30歳で年収400万~480万円ほど、課長職レベルで700万~850万円ほどと推定。平均年齢は急激な増加傾向にあり、直近では43.9歳に到達。

✔従業員数と勤続年数

クレディセゾンの単体従業員数は増減が激しいが、長期的には増加傾向。2023年は3,783人の組織体制となっている。業態拡大に呼応して積極的に他社を買収・吸収して企業規模を拡大している。平均勤続年数は直近で14.6年ほど、金融業界としては従業員の定着が良い。

総合評価

企業格付け:CC

かつて日本最大級の小売大手として君臨したセゾングループにおいてクレジット事業を担っていた企業。セゾングループとは、西武鉄道から分離発展した流通大手であり、西武百貨店・西友・ファミリーマート・良品計画・ロフトなどを擁していた(参考リンク)。当社はセゾングループにおけるクレジットカード会社であったが、バブル崩壊後のグループ解体によって自主独立の道へと進み、現在に至る。業績においては、売上高にあたる営業収益は拡大傾向にあり、利益も伸びている。主力のペイメント事業はクレジットカード決済における手数料収入がメインであり、安定性が強み。そのため当社はペイメント事業で原資を安定的に稼ぎつつ、不動産・信用保証・ローン・融資・投資信託などで高利益率を稼ぐ戦略で成長している。攻めと守りが両立したビジネスモデルであり、景気後退局面も含めて純利益を高水準で確保できる安定性は大きな美点であろう。最近ではグローバル展開にも注力しており、インド・メキシコ・ブラジル・シンガポールに現地法人を設立して攻勢を強める(参考リンク)。とりわけ2018年に進出したインドでは急成長を続けており、顧客130万人以上へのレンディングを遂行している。

就職格付け:C

独立系クレジットカードの雄。クレジットカード事業を起点として総合金融サービス業への転換を果たした企業であり、最近ではセゾン・パートナー経済圏と称して異業種との提携関係を拡大。給与水準においては平均年収500万円台での推移が続いているが、2023年には平均年収586万円まで増加。大卒総合職の場合、30歳で年収400万~480万円ほど、課長職レベルで700万~850万円ほどが目安となるだろう。採用形態は転勤有無によって分けられており、①全国転勤を前提としたナショナルコース、②同一地方内転勤があるブロックコース、③転勤なしのエリアコース、がある。福利厚生はそこそこ充実しており、大手企業なりの制度が整っている。家賃補助制度では月額家賃の約70%が補助(入社6年目まで)される他、転勤時には支度金として約30万円が支給される。給与水準は金融業としては物足りなさもあるが、従業員の定着は平均勤続年数14年レベルと、金融業としては高めである。

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出典:株式会社クレディセゾン(有価証券報告書)