カテゴリー
金融サービス

クレディセゾンの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

クレディセゾンは、クレジットカード・投資信託・ローン・信用保証などを展開する総合金融サービス会社。1951年に月賦販売を主力とする緑屋百貨店として創業、1970年代に百貨店ビジネスの行き詰まりを機に業態転換。1980年に西武クレジットに社名変更して総合金融業へ進出、1989年に現社名のクレディセゾンへ社名変更。主力はクレジットカード事業であり、会員数2,600万人・年間取扱高5兆円規模。かつては西武グループの一企業であったが、西武グループの解体後は独立系金融会社の道を歩んでいる。

POINT

1.独立系クレジットカード会社の雄、現在は総合金融サービスを展開
2.売上高・利益いずれも安定的、財務体質も健全
3.平均年収547万円だが福利厚生はそこそこ充実、転勤有無を選べる

業績動向

✔営業収益と営業利益

クレディセゾンの営業収益は緩やかな増加傾向が続いており、直近の2022年には3,226億円に到達*1。事業利益は2019年まで減少傾向が続いたが、2020年からは急回復を示している*2。
*1:収益の稼ぎ頭であるペイメント事業は決済に伴う手数料ビジネスであるため、好景気で消費が活性化すると伸びる傾向。2022年はCOVID-19の影響緩和によるリベンジ消費により手数料収入が増えた。
*2:2020年以降は住宅市場の活況によりクレディセゾンの不動産ローンや家賃保証などの需要が大きく拡大。クレディセゾンの利益拡大を支えた事情がある。

✔セグメント別の状況

クレディセゾンはペイメント事業(クレジットカード・投資信託・債権回収など)、リース事業(事務用機器の賃貸など)、ファイナンス事業(信用保証・フラット35・家賃保証・ローン・融資など)、不動産事業(賃貸マンション開発・リノベ・事業用不動産再生など)、エンタテイメント事業(コンサートホール運営・チケット販売など)の4事業を有する。
クレディセゾンは手数料ビジネスのペイメント事業をコア事業としつつ、多角的な金融サービスを展開。クレジットカード事業の手数料収入を安定的な収益源として活用、利益率の高い金融サービスにも進出することで稼ぐビジネスモデルである。

✔最終利益と利益率

クレディセゾンの純利益は200億~400億円レベルでの推移が続いており、景気後退局面でも安定的に利益確保ができている。営業利益率は年度によりまちまちだが、好調時であれば営業利益率20%以上にも到達する。

✔自己資本比率と純資産

クレディセゾンの自己資本比率は長年に渡って15%前後の水準で安定的に推移。大手企業としては低い自己資本比率だが、クレジットカード事業者としては何ら問題ない水準*3。純資産は長期的に増加傾向が続いており、直近の2022年には純資産6,000億円にまで到達。
*3:クレジットカード事業者は顧客から回収する前の決済金額を営業債権として貸借対照表へ計上する必要があり、自己資本比率が低くなりやすい業界事情がある。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

クレディセゾンの平均年収は500~550万円台での推移が長年に渡って続いている。大卒総合職の平均年収は600~650万円ほど、課長職レベルで800~900万円ほどと推定。平均年齢は急激な増加傾向にあり、直近では43.2歳に到達。

✔従業員数と勤続年数

クレディセゾンの従業員数は長期的な増加傾向にあり、直近の2022年は4,000人前後の水準で推移している。業態拡大に呼応して積極的に他社を買収・吸収して企業規模を拡大している。平均勤続年数は直近で14年ほど、金融業としては従業員の定着が良い。

総合評価

企業格付け:CC

かつて西武グループのクレジット事業を担っていた企業、西武グループ解体から久しい現代においても独力で現在まで生き残っている優良企業。業績は売上高にあたる経常収益は安定的に推移しており、事業利益は安定的。主力のペイメント事業は利益率がそこまで高くはない手数料ビジネスであるが、安定性が強み。クレディセゾンはペイメント事業で原資を安定的に稼ぎつつ、不動産・信用保証・ローン・融資・投資信託などで高い利益をしっかりと確保。攻めと守りが両立したビジネスモデルであり、景気後退局面も含めて純利益を高水準でキッチリと確保できている。

就職格付け:C

独立系クレジットカードの雄。クレジットカード事業を起点として総合金融サービス業への転換を果たした企業であり、最近ではセゾン・パートナー経済圏と称して異業種との提携関係を拡大。給与水準は平均年収500~550万円ほどと金融業としては低めだが、大卒総合職に絞ると平均年収600~650万円ほどと推定。最近では利益率をかなり伸ばしている為、賃上げ余地は大きそう。採用形態は転勤可能性によって分けられており、①全国転勤を前提としたナショナルコース、②同一地方内転勤があるブロックコース、③転勤なしのエリアコース、がある。福利厚生はそこそこ充実しており、大手企業なりの制度が整っている。家賃補助制度は月額家賃の約70%を支援(入社6年目まで)してくれる他、転勤時には30万円の支度金が支給される。給与水準は金融業としては物足りなさもあるが、従業員の定着は平均勤続年数14年レベルと(金融業としては)高水準である点は美点。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!