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【勝ち組?】オービックの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

オービックは、統合業務ソフトウェア(ERP)のOBIC7シリーズを開発・販売するシステムインテグレータ。最主力製品のOBIC7シリーズは、国内シェア首位級のERPであり、中堅・中小企業を中心に2万社以上の日系企業で運用されている。販売・生産・人事・給与に跨るあらゆる情報を統合処理することで企業業務の効率化・データ化に貢献。自社開発・自社販売をによってスピーディな顧客ニーズ把握と製品開発へと繋げる他、営業・システムエンジニア・管理部門が一体となった製販管一体体制でも著名。

POINT

・自社開発「OBIC7」を主力とするIT会社、長年に渡って業績成長が続く
・売上高・利益いずれも右肩上がり、驚異的な利益率を誇る
・平均年収1,078万円と高待遇、新卒主義を一貫しており中途入社は困難

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:71(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関

総合職の採用人数は年間140名~160名と、企業規模の割にはかなり多め。採用大学もハイレベル大学から中堅大学まで多岐に渡っており、学歴へのこだわりも薄い。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・千葉大学・新潟大学・佐賀大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・東京理科大学・西南学院大学・フェリス女学院大学・芝浦工業大学・東京都市大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

オービックの売上高は長年に渡って右肩上がりの成長が続いており、2023年には過去最高となる1,115億円に到達している。営業利益は29期連続で最高益更新を続けており、1995年から30年近くに渡って成長が続いている。
*1:当社の売上高が増加し続けている理由は、①主要顧客である中堅・中小企業によるデジタル投資の拡大、②クラウドサービスの拡大によるサポート収入の増加、など。

✔セグメント別の状況

オービックは、システムインテグレーションSI事業(統合基幹業務システムの開発・販売)、システムサポート事業(統合基幹業務システムの運用支援・保守など)、オフィスオートメーションOA事業(OA機器・コンピュータ用品の販売)、の3事業を有する。
当社は統合基幹業務システムが主力製品であるが、実際にはシステムサポート事業が売上高・利益いずれも最大を占める。統合基幹業務システムは導入後の運用サポートが長期的に継続する製品であるため、導入実績がある企業について長期的な取引関係を継続できる点が強み。

✔最終利益と利益率

オービックは純利益は右肩上がりの成長が続いており、2023年には過去最高となる580億円に到達。営業利益率も右肩上がりで増加しており、営業利益率60%以上という驚異的な水準にある*2。
*2:情報通信業における平均的水準が8.6%であり、超高利益率で名高いキーエンスでも営業利益率は50%台。当社の営業利益率は日系上場企業でも最高峰の水準にある。

✔自己資本比率と純資産

オービックの自己資本比率は85%~90%の驚異的な高水準で長期的に推移している。高利益率に加えて実質無借金経営を貫いており、財務健全性は群を抜いている。純資産も右肩上がりの増加基調を維持しており、2023年には3,986億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

オービックの平均年収は業績拡大と連動して増加傾向が続いており、2023年には1,078万円に到達している。平均年齢が36歳程度での平均年収であるため、30代で年収1,000万円の突破が狙える。総合職の場合、30歳で年収750万~900万円ほど、課長職レベルで年収1,200万~1,500万円に達する。

✔従業員数と勤続年数

オービックの単体従業員数は長年に渡って横這い傾向が続いており、1,800人ほどの組織規模。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,000人程度であるため、殆どの従業員が本体に属している。平均勤続年数は直近で13.2年と長くはないが、人材の流動性が高い情報通信業の企業としてはやや長めか。

総合評価

企業格付け:AA

競争が激しいソフトウェア業界にありながら、卓越したビジネスモデル・戦略によって超高収益・連続成長を続けている著名企業。主力製品は統合業務ソフトウェアであるが、当社の特徴は「中堅・中小企業をメインターゲットとしたパッケージ販売」に特化した点にある。大企業向けシステムでは外資系・日系大手との競争が激しいことを見越して、敢えて中堅・中小企業をメインターゲットとすることで競争回避にも成功。そのうえ、中堅・中小企業に特化することで(開発コストが嵩む)複雑なシステム開発・オーダーメイドをも回避して、高効率に大量販売ができるパッケージ販売に集中することにも成功した。その結果、営業利益率60%という驚異的な利益率に到達しつつ、右肩上がりの業績成長をも実現している。そのうえ、自社製品を導入した企業への継続的サポートからも収入を得られる為、景気後退期においても安定収入を確保できるのも強み。成長性・安定性・利益率いずれも刮目に値する優良企業である。

就職格付け:A

徹底的な新卒主義でも知られる企業であり、入社するためには学生時代に新卒カードを切るしかない。業績拡大を従業員にしっかりと還元しており、2022年には平均年収1,000万円を突破。平均年齢36歳の企業であるから、30代で1,000万円プレイヤーを目指したい場合には良い選択肢。過去10年間で株価15倍を達成しているため、持株会を通じてひと財産を築いた社員も多い。中堅大学からの採用実績も豊富であり、学歴フィルター以外でも採用を決める柔軟性を併せ持つ。超優良企業ではあるものの伝統的名門企業ではないため、ハイレベル大学の出身者とも競合しにくい点も狙いどころである。福利厚生は企業規模なりだが、入社7年目までは住宅補助として月額5万~7万円が支給される。海外売上高比率0%のため、海外にまったく魅力を感じない場合は海外赴任リスクがないも魅力となるだろう。

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出典:株式会社オービック(有価証券報告書)