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【勝ち組?】アクセンチュアの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

アクセンチュアは、アイルランドに本社を置く世界最大級のコンサルティングファーム。1989年に米大手監査法人アーサー・アンダーセンのコンサル部門が分社化により誕生。分社化直後は同社との関係は良好であったが、1990年代後半には競争関係に陥ったことで対立。2000年には新社名・アクセンチュアを冠して独立。2020年代以降にはIT領域への専門性を高めて競争力を拡大、現在ではグローバル従業員70万人を超える世界最大級のコンサル会社に成長、日本でも従業員2万人以上を擁する。

POINT

・世界最大級のコンサル会社、IT×コンサルのビジネスモデルで躍進
・売上高・利益いずれも増加傾向で利益率も良い、財務体質も堅実
・30歳・コンサルタントで年収700万~850万円、終身雇用は望み薄

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:戦略=79/非戦略=72

戦略:サラリーマン社会の頂点。給与水準とキャリア価値において卓越。世界最大級のコンサルファームゆえに世界的知名度もある。
非戦略:最上位クラスの勝ち組サラリーマン。給与の優良性と、履歴書の箔となるキャリア価値が魅力。終身雇用が望み難い点はネック。

詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

日本市場における勢力拡大を追い風に大量採用が継続中。新卒の採用実績は年間300名以上と並みの日系大企業を超える。総合職の出身大学は上位大学出身者が多いものの、上位大学以外からの採用もある。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・一橋大学・大阪大学・九州大学・神戸大学・広島大学・横浜国立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・同志社大学・立命館大学・立命館アジア太平洋大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2025

業績動向

✔売上高と営業利益

アクセンチュアの売上高は長期的な増加傾向が継続しており、直近では641億ドルに到達。営業利益も長期的な増加傾向にあるものの、2023年は久々の減益となり88億ドルに着地。
*1:2023年に減益となった理由は、主力市場の北米地域を中心とした高インフレ・高金利により顧客企業がIT投資を手控えた点に起因。2023年の初頭には全世界で1.9万人の人員削減に着手(参考リンク)。

✔セグメント別の状況

アクセンチュアは、通信・技術部門(通信・テレビ・メディア・ソフトウェア業界向けサービス)、金融部門(銀行・決済・投資銀行・保険業界向けサービスなど)、健康・公共部門(ヘルスケア・病院・政府・公共事業向けサービスなど)、産業部門(食品・飲料・一般消費財・製造業・自動車業界向けサービス)、資源部門(化学・エネルギー・電力・リサイクル業界向けサービスなど)、の5部門を有する。
当社は世界最大級のコンサルティングファームとしてあらゆる業界向けサービスを網羅しているが、最大の部門は産業部門向けコンサルティングとなっている。地域別の売上高では北米地域が約47%と圧倒的首位にあり、グローバルにおける日本法人の存在感は大きくない。

✔最終利益と利益率

アクセンチュアの純利益は長期的な増加傾向が継続。直近の2023年には純利益68.7億ドルまで増加を遂げている。営業利益率は15%前後で長期的に安定しているが、直近では13.7%まで低下。

✔自己資本比率と純資産

アクセンチュアの自己資本比率は長期的に40%~50%ほどの水準で安定的に推移。純資産は右肩上がりでの増加が続いており、直近では264億円にまで到達。過去5年強で2倍以上に増加を遂げており、純資産の拡大が際立っている。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アクセンチュアの平均年収は非公開。総合職の場合、新卒のアナリストクラスで年棒430万円が確約され、30歳のコンサルタントクラスで年収700万~850万円には達する。マネージャークラスで年収1,200万~1,400万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

アクセンチュアの従業員数はグローバルで70万人レベル。日本法人における従業員数は2.35万人ほどと推定される。日本法人における平均勤続年数は非公開。

総合評価

企業格付け:AA

ビジネス・人員規模において世界最大級のコンサルティングファームであり、上場コンサルティングファームとしての時価総額は世界首位を誇る。当社の優位性は「IT×コンサルティング」を掛け合わせたビジネスモデルにあり、古くからシステム開発を自社内製化してきた歴史に起因する。ライバルにあたる「BIG4(デロイトトーマツ・PwC・EY・KPMG)」とは異なり、戦略立案~企画策定~IT開発~実行までの全フェーズを一気通貫に対応できる幅広さに強みがある。業績はデジタル投資ブームを追い風に長期的な成長傾向が続いているが、2023年には久々に減益に沈んだ。地盤の北米市場における高インフレ・高金利による顧客企業の予算縮小が逆風となっている状況にある。

就職格付け:戦略=SS/非戦略=AA

コンサル業界の人気高騰を追い風に就職人気ランキング上位常連に食い込みつつある1社。給与水準においては新卒初任給で年棒430万円、30歳コンサルタントで700万~850万円ほど。マネージャークラスになれば1,200万~1,400万円ほどにはなるが、外資系コンサルティング会社=高収入のイメージの割には日系大手とそこまで圧倒的な大差があるわけでもない。大量採用・大量離職が常ゆえに終身雇用を期待する会社ではなく、当社で経験を積んだうえで事業会社へと転職するキャリアが基本形である。つまるところ、当社の最大の魅力は「コンサルタントとして論理的思考力・対人スキル・プレゼンスキルを磨きつつ、履歴書に箔をつけて事業会社への転職を狙えること」であろう。が、転職前提で考えるなら新卒で日系大企業に入る方が昇進スピードにおいて有利な場合も少なくはないことは忘れないでおきたい。

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出典:Accenture PLC(Investor Relations)