本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
リンクアンドモチベーションは、組織人事コンサルティング・キャリア指導・人材マッチングなどを主力とするコンサルティング会社。2000年にリクルート出身の小笹芳央らが東京都で創業。創業直後から『モチベーションエンジニアリング』を掲げ、組織人事コンサルティングを展開。2010年代にはリーマンショック後の採用需要の冷え込みに直面したが、アビバ・大栄教育システムを買収して教育・人材領域へと進出。2016年には従業員エンゲージメントを可視化する『モチベーションクラウド』を開始し、組織データの収集から改善実行までを一気通貫で対応。2020年代にはCOVID-19感染拡大による採用需要の冷え込みに直面したが、リモートワーク環境下での組織改善需要を取り込んだ。現在では、組織開発・個人開発・マッチングの3領域を展開しながら、『モチベーションクラウド』による収益拡大に注力。国内大手企業の開拓に加えて、アジア市場への進出を推進している。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:60(中堅)
組織人事コンサルとしては日系トップレベルの知名度を誇る大手。組織・人事領域を専門的に扱いたい場合には希少性のある就職先となる。M&Aや事業拡大にも積極的なベンチャー気質も魅力。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用数は年間100名~150名と門戸は広め。新卒入社が約65%とかなり多めだが、最近では中途採用にも力を入れ始めている。ハイレベル大学からの採用もかなり多い。
採用大学:【国公立】東京大学・京都大学・大阪大学・東北大学・北海道大学・神戸大学・筑波大学・横浜国立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・明治大学・青山学院大学・法政大学・関西学院大学など(出典:リンクアンドモチベーション採用情報)
業績動向
✔売上高と営業利益
リンクアンドモチベーションの売上高は2022年まで290億~330億円ほどで推移していたが、2025年には過去最高となる415億円に上振れしている*1。営業利益は2020年まで減益傾向がみられたが、同年以降は増加傾向に転換。2024年には過去最高となる営業利益54.8億円に到達している。
*1:2025年に売上高が増加した理由は、①クラウドサービス『モチベーションクラウド』の顧客基盤の拡大、②転職市場の活況による子会社・オープンワークの業績拡大、③キャリアスクールのオンライン授業拡大、など。
✔セグメント別の状況
リンクアンドモチベーションは、組織開発事業(モチベーションエンジニアリング・コンサルティング・クラウドサービス・IR支援など)、個人開発事業(キャリアスクール・学習塾・中学受験個別指導塾など)、マッチング事業(人材紹介サービス、小・中・高等学校向け英語指導請負サービス)、その他事業(レストラン運営)、の4事業を有する。
当社の事業構造は、企業の組織変革を支援する組織開発、個人の能力開発を支援する個人開発、企業と個人を結び付けるマッチングから成立している。組織開発事業においては、基幹技術『モチベーションエンジニアリング』を活用した組織改善・人材開発ソリューションを提供している。人事コンサルティングと継続課金型の『モチベーションクラウド』が利益を牽引しており、全社利益の約半分を支えている。第2の柱となっているマッチング事業では、子会社・オープンワークによる社員口コミ・求人情報プラットフォームが主力。現職社員・退職者から蓄積した待遇・組織風土・働きがいなどの口コミ情報を求職者へ提供するとともに、企業から求人掲載料や採用成功報酬を受け取る事業モデルであり、企業の実態を可視化したうえで転職希望者とのマッチングを図る点に特徴がある。個人開発事業では、アビバによるパソコン・ITスキル教室、大栄による資格・公務員試験対策、ロゼッタストーンによる英会話教育などを展開している。
✔最終利益と利益率
リンクアンドモチベーションの純利益は2020年に▲9.9億円に赤字転落*2したが、同年以外は増加傾向に転換。2024年には過去最高となる純利益36.9億円に到達している。営業利益率は年度による変動が大きいが、好調時には10%を超える水準となる。
*2:2020年に純損失に転落した理由は、①COVID-19感染拡大による組織開発・キャリア開発の不振ならびに採用需要の冷え込み、②個人開発事業における減損損失16億円の発生、など。
✔自己資本比率と純資産
リンクアンドモチベーションの自己資本比率は2020年に9.2%まで悪化したが、同年以降は回復傾向に転換。2025年には自己資本比率33.1%に到達したが、コンサルティング会社としては中庸な水準*3。純資産は2020年に49億円まで減少したが、同年以降は再び増加。2025年には純資産168億円に到達している。
*3:当社の自己資本比率が低い理由は、①アビバや大栄教育システムなどの買収資金に伴う借入金の発生、②個人開発事業における教室運営に伴うリース負債、③2020年におけるCOVID-19感染拡大による業績悪化と個人開発事業における減損損失、など。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
リンクアンドモチベーションの平均年収は2020年・2021年を除けば660万円~700万円ほどで推移している。コンサルティング業界としては中庸だが、平均年齢32.5歳(2025年)と若い組織体制であるため違和感はない。総合職の場合、新卒入社から3年ほどで年収480万~550万円ほどに到達、課長職レベルで年収780万~890万円ほどが目安。
✔従業員数と勤続年数
リンクアンドモチベーションの単体従業員数は長期的な増加傾向が続いており、2025年は558人の組織体制となっている。平均勤続年数は5年~7年で推移しているが、人員増強を進めている点や年齢構成が若い組織体制である点を考慮すれば違和感はない。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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