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【勝ち組?】日本製鋼所の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

日本製鋼所は、鉄鋼製品・射出成型機・鉄道部品・防衛機器などを展開する大手鉄鋼メーカー。1907年に日本政府の主導により英・アームストロング社と英・ヴィッカース社の協力により北海道室蘭市に鉄鋼・兵器メーカーとして設立。戦前から兵器製造を主力としていたが、終戦後には産業機械・発電機器・鉄道部品などに事業を多角化。現在では、射出成型機・原子炉容器・蒸気発生器などで世界シェア首位級、電気自動車向け電池部材フィルム装置で世界シェア1位。防衛省・海上保安庁向けの防衛機器にも強い。

POINT

・旧国策企業として北海道で創業、射出成型機・原子炉容器で世界シェア首位級
・売上高・利益いずれも安定的で横ばい、財務体質はかなり良好
・平均年収686万円だが年功序列色が強い、独身寮・社宅が充実

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:63(中堅上位)

日本企業における中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用人数は年間60人前後、うち技術系が40人ほど。一般知名度は高くはないため、倍率はそれほど高くはならない。一大拠点を構える北海道・広島の地元採用にも積極的。
採用大学:【国公立】北海道大学・広島大学・横浜国立大学・電気通信大学・北見工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・明治大学・中央大学・東京電機大学・広島工業大学など(出典:マイナビ2025

業績動向

✔売上高と営業利益

日本製鋼所の売上高は2,100億~2,200億レベルでの横ばい推移が続いてきたが、2022年からは売上高がやや増加傾向*1。営業利益は120億~240億円でのレンジ推移が定着。
*1:2022年からの売上高増加の理由は、①世界的なEVブームによる電気自動車向け電池部材フィルム装置の拡販、②国内原発再稼働に向けた原子力発電製品群の需要増加、③パワー半導体向け機能材・包材設備の販売拡大、など。

✔セグメント別の状況

日本製鋼所は、産業機械事業(樹脂製造・加工機械、成型機、防衛関連機器、産業機械など)、素形材・エンジニアリング事業(鉄鋼品・特殊鋼材・原子力発電所向け部品・火力発電所向け部品など)、その他事業(成膜・決勝事業など)、の3事業を有する。
日本製鋼所は多種多様な製品群を幅広く展開するが、最主力製品は産業機械事業における樹脂製造・加工機械である。同製品だけで売上高1,027億円を確保しており、当社売上高の約40%を支えている。

✔最終利益と利益率

日本製鋼所の純利益は2016年に純損失49億円*2を計上したものの、同年以降は純利益60億~200億円ほどで安定的。営業利益率は5~10%ほどで推移しており、鉄鋼メーカーとしてはそこそこ高めの水準にある。
*2:2016年の赤字転落の理由は、室蘭製作所における約175億円の減損損失が理由。原子力発電所の原子炉用圧力容器に使う鍛鋼部材の需要低迷によって減損処理を回避できず(参考リンク)。

✔自己資本比率と純資産

日本製鋼所の自己資本比率は緩やかな増加傾向が続いており、2023年には48.3%まで到達。鉄鋼メーカーとしては高めの自己資本比率を確保している。純資産は右肩上がりでの推移が続いており、直近では1,786億円まで増加。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本製鋼所の平均年収は直近で686万円だが、2018年頃から賃上げ傾向が続いている。大卒総合職の平均年収は30歳で480~580万円ほど、課長職レベルで750~850万円ほどと推定。平均年齢は40歳前後の水準で安定推移。

✔従業員数と勤続年数

日本製鋼所の単体従業員数は2019年までは2,200人前後であったが、同年以降は1,800人~1,900人ほどに減少。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は5,100人ほど。平均勤続年数は減少傾向にあり、直近では12.7年と大手メーカーの標準よりやや低めの水準。

総合評価

企業格付け:CC

■業界ポジション
日露戦争後に国家主導で創立されたかつての名門企業。現在においては売上高2,000億円規模であり、鉄鋼業界においては上位10位に食い込む企業規模。ただし実態としては射出成型機・産業機械・防衛機器など事業多角化が進んでおり、売上高の半分以上が鉄鋼以外の分野。

■業績動向
まずまず。売上高は2022年からやや増加、直近では過去最高となる売上高2,525億円に到達。ただし利益面は伸び悩んでおり、原材料価格上昇・固定費増加の逆風によって停滞感。長期的に見れば、国内における原発再稼働や電気自動車の普及は当社製品群にとって追い風であるため、当面の業績見通しは明るいだろう。

■財務体質
良い。直近では自己資本比率48%以上にも達しており、鉄鋼メーカーとしては相当に上位級の水準にまで到達。良くも悪くも利益が安定しており、着実に利益を積み上げることで財務基盤を強化してきた歴史がある。直近の有利子負債は424億円(2023年)だが、手元の現預金は976億円(2023年)と倍以上を確保できている。

就職格付け:CC

■給与水準
直近の平均年収は686万円となり、大手メーカーの中では下位クラス。が、大卒総合職の平均年収はこれよりも高く、大卒総合職の平均年収は30歳で480~580万円ほど、課長職レベルで750~850万円ほど。2018年頃から定期的な賃上げに前向きであり、過去7年間だけで平均年収が110万円以上も上昇している。

■福利厚生
伝統的な日本企業だけあってかなり充実。出身が遠方の若手社員には独身寮が用意されており、特に2015年に完成した広島独身寮は極めて美麗なつくり。結婚後にも社宅が用意されており、従業員の住宅コスト負担を抑えている。持ち家の所有者にも住宅補助として月額1.8万円が支給される。会社の年間休日日数は123日だが、室蘭事業所のみ116日という珍しい制度設計。

■キャリア
事務系総合職・技術系総合職の2職種制。事務系総合職は営業・経理・総務・生産管理・人事・法務などに配属され、技術系総合職は研究開発・設計・生産技術・ITなどに配属となる。年功序列色が強いために若手のうちは同期間での収入差は殆どなく、昇給ペースも若手のうちは緩慢。勤続年数を地道に重ねることが昇給の近道。勤務地は東京本社以外では北海道・広島・愛知の可能性が高い。

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出典:株式会社日本製鋼所(有価証券報告書)