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【勝ち組?】JT日本たばこ産業の就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

日本たばこ産業は、たばこ・加工食品・医療品などを製造するたばこメーカーである。1985年に日本専売公社から事業承継して設立された国策企業であり、今なお財務大臣が全株式の33%を保有する。海外で中小たばこメーカーの買収を重ね、現在では世界トップ5に入るグローバルたばこメーカーである。事業多角化にも熱心であり、食料品や医療品などにも進出している。

POINT

1.日系唯一のたばこ会社、世界上位5社にも食い込む国策会社
2.売上高・利益は絶好調、新興国シェア拡大によりで国内喫煙者減少に対抗
3.平均年収927万円で福利厚生も充実、嫌煙ブームにより社会的評価は悪い

就職偏差値

73(最上位)

日本企業における最上位クラスの1社であり、数多ある大企業の中でも特筆すべき存在。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

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業績動向

✔売上高と営業利益

日本たばこ産業の売上高は長期的に2兆円レベルで推移しているが、2020年以降は右肩上がりで増加*1。営業利益は2020年まで微減傾向が続いていたが、同年以降は回復傾向にある。COVID-19感染拡大期などの景気後退局面にも利益が安定している点は強み。
*1:2020年の売上高の増加は、①為替レートの円安推移、②たばこの値上げ、が主要因。当社は売上高の約60%以上を海外市場で稼いでいるため、為替レートが業績を左右しやすい。

✔セグメント別の状況

日本たばこ産業はたばこ事業(紙たばこ・葉巻たばこ・加熱式たばこ・水たばこ・無煙たばこなど)、医薬事業(腎透析薬品・皮膚薬・アレルギー薬など)、加工食品事業(冷凍食品・パックご飯・ミネラルウォーターなど)、の3事業を有する。
かつては事業多角化に熱心であり、食品・飲料・自販機事業やバーガーキングのフランチャイズまで進出していた。しかし、2010年代以降は本業に再注力すべく多角化路線を放棄。たばこの有害性への認識が薄い新興国でシェア拡大すべく、現地の中小たばこメーカーを多数買収して業績拡大を進めている。

✔最終利益と利益率

日本たばこ産業の純利益は、長期的に3,100億~4,850億円ほどのレンジで推移。2020年までは微減傾向が続いていたが、同年以降は回復傾向。衰退産業のイメージが強いたばこ産業であるが、海外進出と値上戦略の成功によって純利益は2015年に過去最高を記録している。

✔自己資本比率と純資産

日本たばこ産業の自己資本比率は直近で52.6%と高めの水準。財務健全性は大いに健全であり、利益水準の高さも加味すると優良な財務体質である。純資産は2兆円規模で推移しているが、2023年には為替レートの円安推移を追い風に3.91兆円まで増加。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

日本たばこ産業の平均年収は、長期的に830万~930万円で推移している。総合職であれば30歳で650万円~750万円ほど、課長職レベルで年収1,200万~1,300万円レベル。ただし、平均年収に現れない、借上げ社宅制度などの福利厚生を通しての補助が恵まれている(後述)。

✔従業員数と勤続年数

日本たばこ産業の単体従業員数は2019年の7,464人をピークに減少しており、直近では5,940人まで減少。日本国内での事業規模縮小もあって、単体従業員数はやや減少傾向にある。平均勤続年数は15.2年と大手企業としてはそれほど長くない。

総合評価

企業格付け:AA

■業績動向
売上高・利益いずれも景気後退局面も含めて安定的。たばこは高い依存性を持つ商品ゆえに景気・経済情勢に関わらず業績は安定。日本国内の喫煙者は減少傾向にあるものの、海外M&Aの手腕によって世界トップ5に数えられる海外シェアの獲得に成功。新興国の中小たばこメーカーを買収することで現地浸透を進め、世間のイメージとは裏腹に業績好調である。

■財務体質
良好。自己資本比率は50%以上を確保し続けており堅実。そのうえ、2023年には手元の現預金が1兆円を超えるキャッシュリッチぶりである。安定した利益体質があるうえ、財務体質も良好であるから、倒産危機とはまず無縁である。

■ビジネス動向
直近の中期経営計画では、加熱式たばこでのシェア拡大を最優先課題に掲げる。加熱式たばこでは2014年頃から米・フィリップモリスが世界シェアを急拡大させており、当社はシェアを伸ばしきれず苦戦。直近では為替レートの円安推移により業績好調であるが、海外依存度が高まったことで為替レートに業績を左右されやすい点は懸念事項ではある。

就職格付け:A

■給与水準
平均年収927万円と恵まれた給与水準だが、国策企業ということもあって昇給スピードはそれほど早くはない。総合職であれば30歳で年収650万~750万円ほど、課長職レベルとなった場合で年収1,300万円ほど。世間的には大いに高い給与水準であることに疑いの余地はないが、日系最大手メーカーとそれほど大きくは変わらない待遇でもあるため期待しすぎは禁物である。

■福利厚生
見かけの給与を上げづらい業種であることから、福利厚生によって待遇を底上げしている企業である。とりわけ、借上げ社宅制度では独身者7万円・既婚者12.6万円までが会社補助となるため、実生活水準は見かけの年収以上となる。有給休暇・特別休暇も充実しており、最近では男性の育休取得も熱心に推進。国策企業ゆえに政府方針の働き方改革には率先垂範しようとする気概がある。

■キャリア
事務系総合職・技術系総合職・医薬研究職の3職種制。基本的には入社時の職種での専門性を高めることが前提とはなるが、本人の意思に応じた職種転換の道もある。営業職は日本全国の支社を異動することになるため全国転勤が大前提、技術職も地方勤務が大前提である。NLPと呼ばれる育成制度があり、将来の幹部候補たりうる社員を抜擢して海外勤務・早期昇格させることも。

■世間体
当社最大のネックは、世間一般での企業イメージである。健康被害を生む商材を扱う企業であり、世間一般で羨望の眼差しを受けるどころか、嫌悪の対象とすらなりうる。嫌煙志向の高まりから将来的にも肩身は狭くなる一方と予想される。ウクライナへの軍事侵攻後のロシアにおいても事業を継続しており、評価をますます下げることとなった。

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