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【勝ち組?】大塚商会の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

大塚商会は、法人向けIT機器・オフィス用品の販売・サポートを主力とするOA機器商社・システムインテグレータ。1961年に理研光学工業(現・リコー)を退職した大塚実が複写機商社として創業。1978年には『COF戦略』を掲げて、コピー・パソコン・ファクシミリ商社へと業態転換。独立系商社として特定メーカーに縛られない提案力で業績成長を果たし、1990年代からはコールセンターを通じての顧客企業のサポート事業を拡大。現在では、顧客企業130万社以上に事業運営に必要となるIT機器・ソフトウェア・ネットワーク環境構築までをワンストップで提供する。

POINT

・企業向けITインフラに特化したSIer・商社、独立系ゆえの提案力が強み
・売上高・利益は長期的な成長基調が続く、財務体質も優良で隙がない
・平均年収937万円、営業力さえあれば20代で1,000万円も可能

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:65(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。給与・待遇は大手企業の中でも上位クラス、満足度の高い人生を安定して歩むことができる可能性が高い。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用人数は年間400人~430人に及び、かなりの大量採用。業績・待遇の割には人気が薄く、選考倍率はかなり低め。中堅大学からでも採用されやすい高年収企業である。
採用大学:【国公立】東京工業大学・北海道大学・千葉大学・横浜国立大学・埼玉大学・小樽商科大学など、【私立】早稲田大学・明治大学・立教大学・青山学院大学・関西学院大学・関西大学・立命館大学・近畿大学・専修大学・駒澤大学・東洋大学・龍谷大学・明治学院大学・武蔵野大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

大塚商会の売上高は長期的な増加傾向が続いており、2023年には過去最高となる売上高1.1兆円に到達*1。営業利益も緩やかな増加傾向にあり、2023年には過去最高となる営業利益743億円に到達している。
*1:当社の業績拡大が続いている理由は、①デジタル投資の拡大によるIT機器ニーズの増大、②CRM(顧客管理)とSFA(営業支援)を一体化した自社営業ツールによる効率的な営業、③Windows10のサポート終了に伴うパソコンの買い替え特需、など。

✔セグメント別の状況

大塚商会は、システムインテグレーション事業(販売支援・在庫管理・経営情報システムの企画・開発・導入、オフィス向けIT機器・複合機・スマートデバイスの販売、IT回線・ネットワークの導入・設置)、サービス&サポート事業(IT機器・システムの保守・点検・修理・サポート窓口運営、テレフォンサポート『たよれーる』、オフィス用品通販サービス『たのめーる』など)、の2事業を有する。
当社はOA機器商社から発展した企業であり、「システムインテグレータ」と呼称されるものの純然たるSIerとは性質を異にする。実際には、「事業運営に必要となるIT機器・ソフトウェア・ネットワークインフラなどをすべて一括して対応できる独立系ITベンダー・商社」と表現する方が的確である。

✔最終利益と利益率

大塚商会の純利益は緩やかな増加傾向が長期的に続いており、2023年には過去最高となる534億円に到達している。営業利益率は6%〜7%で極めて安定的に推移しており、景気後退局面にも落ち込みが殆ど見られない安定性が強み。

✔自己資本比率と純資産

大塚商会の自己資本比率は55%〜61%のレンジでの横ばいが続いている。安定的な利益体質を加味すれば、財務健全性は大いに良好と評価できよう。純資産は右肩上がりの増加傾向にあり、2024年には3,752億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

大塚商会の平均年収は2022年まで805万〜860万円ほどで推移していたが、2023年には937万円まで上振れている。大卒総合職の場合、30歳で年収650万~750万円ほど、課長職レベルで年収1,150万~1,250万円が目安。営業職は目標を達成するとインセンティブが上積みされ、売れる営業マンであれば20代で年収1,000万円の達成も可能である。

✔従業員数と勤続年数

大塚商会の単体従業員数は緩やかな増加傾向が続いており、2023年には7,713人ほどの組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は9,400人ほど。平均勤続年数は17.4年(2023年)と大企業の標準的水準を上回っている。

総合評価

企業格付け:BB

国内の大企業~中小企業130万社以上に対して、IT機器・ソフトウェア・ネットワークインフラなどを一括対応する独立系ITベンダー・商社。特定メーカーに属さない独立系ゆえに、顧客のニーズに応じて各分野の各メーカーの製品を自由に組み合わせる提案力が強み。営業職3,000人以上が在籍する傑出した営業力と、コールセンター・サポート拠点を通じたアフターサービスに定評がある。業績においては長期的な成長傾向が続いており、2024年には売上高1兆円を突破。日本国内における旺盛なデジタル投資が追い風となっている他、Windows10のサポート終了に伴うパソコンの買い替え特需も恩恵として享受。財務体質においても優良であり、自己資本比率は55.0%(2023年)と相当に硬い。当社は顧客企業のITインフラを支えているが、今やITインフラは事業継続に不可欠な時代であるから景気後退局面にも極端な業績悪化には陥りにくいのも強み。

就職格付け:BBB

入社年次に関わりなく、成果に報酬で報いる実力主義で知られる企業。給与水準においては平均年収937万円(2023年)と世間が想像する以上に高待遇だが、これは2022年に給与制度を見直したことが理由。当社の競争力の源泉である営業職の引き抜きを危惧したことで営業インセンティブを倍増させたことで、給与水準が大きく伸びている(参考リンク)。大卒総合職の場合、30歳で年収650万~750万円ほど、課長職レベルで年収1,150万~1,250万円が目安となるだろう。福利厚生においても相当に手厚く、年間休日日数127日と休みが多いうえ、最大100日まで有給休暇を積み立てることができる。5年おきに有給休暇と特別慰労金が支払われるうえ、いまどき自社直営の保養所も静岡県・千葉県・滋賀県・三重県に保有している。強いて言えば家賃補助制度が月額1万円と若干渋いが、そもそもベース給与が高いため問題にはならない。総じて、営業適性に自信があれば、若くして高給与を稼げる魅力的な大手企業であろう。

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出典:株式会社大塚商会(有価証券報告書)