本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
堀場製作所は、エンジン排ガス測定装置・半導体異物検査装置・血球計数装置などを主力とする計測機器メーカー。1945年に京都帝国大学に在学していた堀場雅夫が無線研究所として設立。1950年には国産初のガラス電極式pHメーターを完成させ、1959年には日立製作所と技術提携を締結。1960年代には自動車排ガス測定装置を事業化し、世界的な自動車排ガス規制の強化を追い風に成長を果たした。1970年代には北米・ドイツに進出し、1975年には米国環境保護庁へ自動車排ガス測定装置を納入した。1980年代には半導体分野と医用分野へと進出し、非自動車分野にも事業多角化を果たした。1990年代にはフランスの血球計数装置メーカーABXと、光学機器メーカーのジョバンイボンを買収し、医用・科学事業と海外販売網を大幅に強化。現在では自動車排ガス測定装置で世界シェア80%を席巻、半導体製造工程向けマスフローコントローラでも世界シェア60%を誇る。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:63(中堅)
一般知名度はかなり低いが、京都を代表する企業の一角として認知される。半導体関連製品の急成長によって業績拡大が続いており、給与水準も明確に改善傾向がみられる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
■61→63に改定:売上高・利益の安定的な増加の継続と、従業員の平均年収の急上昇を再評価。2ノッチ格上げとした(2026年8月)
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用数は年間30名〜45名と企業規模なり。一般知名度は極めて低いが、計測機器メーカーとしては上位企業だけあって選考倍率はそれなりに高い。
採用大学:【国公立】大阪大学・九州大学・神戸大学・金沢大学・静岡大学・富山大学・鳥取大学・京都府立大学・東京農工大学・名古屋工業大学など、【私立】早稲田大学・明治大学・中央大学・関西学院大学・関西大学・立命館大学・学習院大学・日本大学・名城大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
堀場製作所の売上高は2020年まで減少傾向がみられたが、同年以降は増加傾向に転換。2025年には過去最高となる売上高3,330億円に到達している*1。営業利益は2021年から増加傾向にあり、2025年には過去最高となる530億円に到達している*2。
*1:当社の売上高が増加している理由は、①世界的な自動車排ガス規制強化によるエンジン排ガス測定装置の需要拡大、②生成AI・データセンター投資による半導体業界向け製品の販売拡大、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:当社の営業利益が拡大している理由は、高利益率な半導体業界向け製品の販売好調が主要因。他方で、自動車分野や医用分野では利益低迷が続いており、半導体分野に利益を依存する状況にある。
✔セグメント別の状況
堀場製作所は、エネルギー・環境事業(エンジン排ガス測定装置・エンジンテストシステム・バッテリー試験装置、水質計測装置・大気汚染監視用分析装置・環境放射線測定器など)、バイオ・ヘルスケア事業(血球計数装置・免疫測定装置・血糖値検査装置など)、先端材料・半導体事業(マスフローコントローラー・半導体異物検査装置・薬液濃度モニター、蛍光X線分析装置・元素分析装置・水質計測装置など)、の3事業を有する。
当社の事業構造は、自動車・環境・半導体・医療・科学など幅広い産業向けに、分析・計測技術を提供することで成立している。自動車排ガス測定装置における世界最大手として知られるが、現在では売上高・利益いずれも半導体分野が最大を占める。半導体製造装置内で使用するガスの流量を精密に制御するマスフローコントローラーを中心に、薬液濃度計、残留ガス分析装置、異物検査装置、分光分析装置などを展開している。半導体の製造工程では、わずかなガス流量や不純物の差が歩留まりを左右するため、当社の計測・制御機器の重要性は高い。自動車分野では自動車排ガス測定装置を主力としており、各国の環境規制をクリアするための研究開発や法規認証に用いられる。総じて、当社は、自動車排ガス測定で築いた分析技術を、半導体を筆頭とする他分野へと展開してきた研究開発型の計測機器メーカーである。
✔最終利益と利益率
堀場製作所の純利益は2020年に131億円まで減少したが、同年以降は増加傾向に転換。2023年に過去最高となる純利益403億円に到達したが、2025年は370億円にやや後退している。営業利益率は2021年から14%〜16%で推移しており、計測機器メーカーとしては上位級の高利益率を誇る*3。
*3:先端材料・半導体事業が営業利益率28.4%(2025年)と傑出するが、他事業の利益率は低い。エネルギー・環境事業は営業利益率7.0%(2025年)、バイオ・ヘルスケア事業は赤字転落している。半導体関連分野が高利益率を支える構造にあると言える。
✔自己資本比率と純資産
堀場製作所の自己資本比率は2022年から増加傾向にあり、2025年には67.1%に到達している。安定した利益体質を加味すれば、財務健全性は大いに良好と評価できる。純資産は2021年から増加ペースが加速しており、2025年には過去最高となる3,486億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
堀場製作所の平均年収は2021年から増加傾向が続いており、2025年には820万円に到達している。総合職の場合、30歳で年収530万〜600万円ほど、課長職レベルで年収950万〜1,150万円ほど。計測機器メーカーとしてはやや高めの水準にある。平均年齢は42.8歳(2025年)と大手企業の標準的な水準。
✔従業員数と勤続年数
堀場製作所の単体従業員数は1,500人〜1,700人レベルで推移しており、2025年は1,573人の組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は9,101人ほど。平均勤続年数は16.0年(2025年)と大手企業の標準的な水準である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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