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博報堂DYホールディングスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

博報堂DYホールディングスは、テレビ広告・デジタル広告などあらゆる広告宣伝に関わる統合マーケティングソリューションを提供する大手広告代理店。1895年に瀬木博尚が広告取次店として創業、日本広告業界の創成期から業界を牽引してきた企業の1社である。2003年に同業の大広・読売広告社と経営統合、博報堂DYホールディングスとして再編。業界首位の電通グループに続く第2勢力を形成したことで”電博”と称される業界の双璧となった。主要子会社には、中核企業の博報堂・大広・読売広告社に加えて合併3社のメディア部門を統合した博報堂DYメディアパートナーズなどがある。

POINT

1.電通グループと双璧を為す大手広告代理店、国内依存度が高め
2.売上高・利益いずれも安定的だが成長性は薄い、財務体質は凡庸
3.平均年収は1,275万円、30歳前後で年収850~1,000万円が目安だが福利厚生は凡庸

業績動向

✔売上高と経常利益

博報堂DYホールディングスの売上高は1.2兆~1.5兆円レベルでの推移が続いてきたが、2021年以降は売上高0.9億円レベルまで低下*1。経常利益は400億~750億円のレンジで安定的に推移
*1:2021年以降の売上高の急減少は会計基準の変更が主要因であり博報堂DYホールディングスの不調によるものではない。2020年3月31日から収益認識に関する会計基準が新たに適用され、同基準に従ったことが変化点(参考リンク)。

✔セグメント別の状況

博報堂DYホールディングスは国内事業(国内向けの広告・マーケティング・コンテンツビジネスなど)、海外事業(海外向けの広告・マーケティング・コンテンツビジネスなど)の2事業を有する。
博報堂DYホールディングスは売上高の約78%を国内事業で稼いでおり、海外売上高比率が約60%を占める電通グループとは大きく異なる。売上高の約59%をメディア広告で稼いでおり、残りの約40%をクリエイティブ・マーケティングなどの周辺領域で稼いでいる。

✔最終利益と利益率

博報堂DYホールディングスの純利益は250億~550億円のレンジで安定的に推移。2021年には過去最高となる純利益551億円を記録した*2。営業利益率は3~8%ほどでの推移が定着しており、電通グループと比べると利益率は見劣りする。
*2:2021年はCOVID-19感染拡大の落ち着きから広告需要が回復、東京五輪関連業務でマーケティング・プロモーションが急増したことで利益率が高まった。投資有価証券として保有していたメルカリ株式の売却による特別利益126億円も貢献。

✔自己資本比率と純資産

博報堂DYホールディングスの自己資本比率は2017年までは40%台で推移してきたが、2018年以降は30%台へと低下。利益創出力が安定している為、財務の健全性には問題ない水準。純資産は3,000億円レベルで上下変動を繰り返している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

博報堂DYホールディングスの平均年収は直近の2022年で1,275万円と高水準だが、これは持株会社の266名のみの平均年収。中核企業の博報堂の大卒総合職は30歳前後で年収850~1,000万円だが、他の傘下企業の平均年収は30歳前後で500~800万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

博報堂DYホールディングスの従業員数は増加傾向にあり、直近の2022年は266人に到達。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.79万人ほど。平均勤続年数は13.6年前後の水準で推移しているが、これは持株会社の266名のみの平均勤続年数。

総合評価

企業格付け:AAA

日本の広告業界において電通グループと双璧を為す大手企業であり、広告業界では”電博”と称される2大グループを形成。2003年に博報堂・大広・読売広告社が経営統合することで規模拡大、業界首位の電通グループとの距離を一気に縮めた経緯がある。が、2000年代以降に電通グループが海外市場における積極M&Aで規模を更に拡大したことで再び大きく引き離されつつある状況。博報堂DYホールディングスは売上高の約78%を国内事業に依存する上、広告業界は旧来型メディア広告からネット広告への急シフトが進展しており、新興ネット広告企業たちが新たな競合となっている他、近年はコンサルティング会社がマーケティング領域にも積極進出。競争激化によって成長性は頭打ちの状況が続いている。

就職格付け:A

マーケティング・クリエイティブといった華々しいイメージがある広告代理店業界で第2位の存在であることから、就職最難関企業の1社。給与水準は平均年収1,200万円オーバーだが、これはあくまで持株会社の従業員に限定した数字。中核企業の博報堂の平均年収は30歳前後で年収850~1,000万円ほど。他の傘下企業(中広・読売広告社・博報堂DYメディアパートナーズなど)の平均年収は30歳前後で500~800万円が目安。広告代理店業界はいずれも長時間労働が基本であるが、どの事業会社においても20代のうちに裁量労働制へ移行するため労働時間の割に給与の伸びは悪い。福利厚生も凡庸であり、家賃補助制度や独身寮はない(支社への赴任時のみ家賃補助されるケースもある)。新卒採用の場合はインターンシップ参加者の中でも優秀な学生には採用優遇枠が付与されるため、本気で入社を目指すのであればインターンシップへの参加は必須。

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