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【勝ち組?】住友理工の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

住友理工は、自動車用防振ゴム・ホース、産業資材などを製造する住友グループの自動車部品メーカー。1929年に三重県四日市市でゴムベルトメーカーとして創業。1937年には住友グループ入りを果たし、ゴム部品メーカーとして発展。1950年代には自動車向け防振ゴム・ラジエーターホースなどを製品化し、自動車部品事業を拡大。1980年代末からは海外進出を加速させ、アメリカ・欧州・アジアへと事業を拡大。現在では自動車向け防振ゴム・ラジエーターホースいずれも世界シェア首位を誇る他、住宅・橋梁・事務用機器向けの部品製造にも事業を多角化している。

POINT

・住友Gの自動車部品メーカー、自動車向け制振ゴムでは世界シェア最大手
・売上高・利益は停滞していたが2023年に急好転、財務体質はまずまず
・平均年収664万円だが中部地方なら十分な給与水準、福利厚生も良好

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:61(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用実績は年間50名~60名と企業規模なりだが、うち文系採用枠は15名ほど。三重県内・愛知県内では有力企業であり、同県出身者に根強い人気を誇る。
採用大学:【国公立】名古屋大学・名古屋工業大学・三重大学・岐阜大学・静岡大学・名古屋市立大学など、【私立】同志社大学・法政大学・南山大学・東京理科大学・名城大学・愛知大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

住友理工の売上高は2021年まで3,900億〜4,600億円のレンジで横ばいであったが、同年以降は増加傾向に転換。直近の2023年には売上高6,154億円に到達。営業利益は安定しておらず、2018年・2020年・2021年には営業赤字ギリギリまで低下。ただし2023年には過去最高となる営業利益339億円まで急増。
*1:2023年の業績好調の理由は、①原材料価格の高騰による値上げ対応、②構造改革・原価低減の進展による利益体質の改善、③為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

住友理工は、自動車用品事業(防振ゴム・ホース・内装品・ゴムシール材・燃料電池部材など)、一般産業用品事業(精密樹脂ブレード、車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホースなど)、の2事業を有する。
当社は売上高の約90%を自動車用品事業によって稼ぎ出しており、自動車向け防振ゴム・ホースなどが屋台骨を支えている。防振部品は電気自動車においても必要となる部品であるため、自動車業界の将来的な電動化シフトにも強いのは美点。

✔最終利益と利益率

住友理工の純利益は2018年・2019年に赤字転落*2した他、2020年までは損益ギリギリの状況が続いていた。ただし2021年からは増益傾向が続いており、直近の2023年には過去最高となる純利益309億円を確保。営業利益率は長期的に0%〜3%で推移していたが、直近では5.52%まで改善。
*2:2018年・2019年の最終赤字の理由は、①防振ゴム事業の子会社における減損損失の計上、②アメリカ・ブラジル・アルゼンチンなどでの生産混乱、③COVID-19感染拡大期における自動車メーカーの生産縮小、など。

✔自己資本比率と純資産

住友理工の自己資本比率は40%~45%レベルで安定。大手自動車部品メーカーとしては高くも低くもない標準的な水準。純資産は2022年まで1,670億~1,890億円で横ばいであったが、直近の2023年には2,225億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

住友理工の平均年収は2018年まで700万円ほどで推移していたが、同年以降はやや減少傾向。同年以降は、640万円~660万円程で推移している。総合職の場合、30歳で年収520万~600万円、課長職レベルで年収950万~1,000万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

住友理工の単体従業員数は2020年までは増加傾向にあったが、2020年をピークに横ばい傾向に転換。同年以降は3,200人~3,300人ほどで推移している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.56万人ほど。平均勤続年数は直近で15.7年と、大企業の標準的水準。

総合評価

企業格付け:CC

防振ゴムと呼ばれる、自動車の振動・衝撃を抑制して乗員の快適性を高める部品における世界的大手。一般知名度は高くないものの、今やこうした防振技術は自動車の商品力向上に欠かせない要素であり、当社は同技術領域における世界的大手として自動車産業を支えている。ただし、業績は直近こそ好調であるが、長期的にはやや不安定。2018年から2021年にかけては海外事業の混乱やCOVID-19感染拡大の影響によって損益ギリギリの状況が続いていた。これらの問題は2023年には一旦終息して、同年には売上高・利益いずれは過去最高にまで伸びた。財務体質においては直近で自己資本比率44.4%と自動車部品メーカーとしては普通の水準にある。将来性においては当社の扱う部品群は自動車業界の電動化シフトに関わらず必要とされ続ける類のものが大半であるため不安はないが、海外事業の安定化やコスト体質のスリム化を通じて足元の業績好調を維持できるかが問われているだろう。

就職格付け:CC

愛知県・三重県に主力拠点を置く住友グループの自動車部品メーカー。同じく中部地方に主力拠点を置く住友電装とは歴史的に同根企業に当たる関係性にある他、大規模拠点が立地する三重県においてはよく知られた存在。給与水準は大手自動車部品メーカーの標準的な水準にあり、2019年以降は平均年収640万円〜660万円ほどで推移。実は2018年以前には平均年収700万円を変えていたのだが、同年以降の業績停滞期を経て600万円台に後退した経緯がある。とはいえ、総合職であれば30歳で年収520万~600万円、課長職レベルで年収950万~1,000万円には達する。中部地方であれば余暇を楽しみながら生活できるだけの待遇がしっかりと確保されていると評価できる。福利厚生においては独身寮や家賃補助制度も整備されており、入社後2年間は家賃格安の独身寮で生活できる(家賃補助制度では月額家賃の半額まで支給)。総じて、中部地方の自動車部品メーカーとしては恵まれた部類の待遇と言えるだろう。主要拠点は中部地方に集結しているが、埼玉県や静岡県にも拠点があるため中部地方以外への転換リスクはゼロではない。

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出典:住友理工株式会社(有価証券報告書)