企業概要
ブルボンは、チョコレート・米菓・グミ・キャンデーなどを製造販売する菓子メーカー。1924年に吉田吉造が新潟県・柏崎市で菓子メーカーとして創業。戦前からビスケット・飴・ガム・米菓などを製造。終戦後にはカンパン製造を主力としたが、1948年には菓子類の製造を再開。1970年代には「ルマンド」「チョコリエール」「バーㇺロール」など現在まで続くロングセラー商品を次々と発売。現在では菓子業界において第8位の売上高を誇る。
・新潟県柏崎市が地盤の菓子メーカー、低価格帯の洋菓子分野に強み
・売上高・利益いずれも横ばいで成長性は薄い、財務体質は優良
・平均年収475万円だが住宅補助が手厚い、主力拠点は新潟県内に集積
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:56(中堅)
上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用人数は年間40人~50人と企業規模なりだが、菓子業界という人気業界ゆえに倍率は高くなる。かといって待遇が傑出しているわけでもないため、菓子業界における情熱が問われる。
採用大学:【国公立】名古屋大学・北海道大学・神戸大学・新潟大学・新潟県立大学など、【私立】慶應義塾大学・関西学院大学・立命館大学・東海大学など(出典:マイナビ2025)
業績動向
✔売上高と営業利益
ブルボンの営業収益は2020年まで1,100億円レベルで推移していたが、同年以降は900億円台に後退*1。営業利益は15億〜50億円レンジでの横ばいが続いている。
*1:同年に売上高が減少した理由は、「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」の適用による大幅減収が主要因。あくまでも会計処理の変更によるものであり、本業が不振に陥ったわけではない。
✔セグメント別の状況
ブルボンは、菓子製造事業(チョコレート・米菓・グミ・キャンデー、ミネラルウォーター・ココア・ソフトドリンク・保存食品など)のみの単一事業会社である。
当社はビスケット・チョコレートなどの菓子類で有名であるが、実際にはミネラルウォーター・ココア・アイスクリーム・業務用菓子なども幅広く製造している。ただし、分野別の売上高においては菓子類が約96%を占めており、やはり菓子事業が主力事業であることに変わりない。
✔最終利益と利益率
ブルボンの純利益は15億〜36億円ほどで長期的に推移しているが、2022年には10.9億円まで後退*2。営業利益率は2016年を除けば1%〜4%で推移しており、やや低めの水準。
*2:2022年に利益が減少した理由は、①世界的な原材料価格の高騰によってコスト増加した点、②コスト上昇を受けた値上げ対応がコスト上昇ペースに追いつかなかった点、など。
✔自己資本比率と純資産
ブルボンの自己資本比率は長期的に55%〜60%ほどの高水準で安定しており、負債に依存しすぎない事業運営ができている。純資産は右肩上がりで増加、直近では564億円に到達。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ブルボンの平均年収は長期的に450万〜470万円ほどで横ばいが続いている。額面の平均年収は低いが、借上げ社宅制度によって待遇を補っている事情もある*3。大卒総合職ならば30歳で年収400~450万円、課長職レベルで600万~800万円ほどに達する。
*3:当社は従業員向けに独身寮・借上げ社宅を整備しており、月額6,000円~8,000円で入居可能。生活費で負担となりやすい住宅コストが殆どかからない為、実質的な生活水準は見た目の平均年収以上となる。
✔従業員数と勤続年数
ブルボンの単体従業員数は長期的に増加傾向が続いており、直近の2023年には3,922人に到達。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は4,200人ほど。平均勤続年数はやや減少傾向がみられるが、長期的に15年前後で推移しており従業員の定着は大企業の標準的な水準。
総合評価
企業格付け:CCC
高品質で安価な菓子ブランドを多数擁する菓子メーカー。世間的にも『アルフォート』『ルマンド』『ブルボンプチ』などのシリーズがよく知られる。伝統的にチョコレート・ビスケットなどの洋菓子類を得意とするが、あられなどの米菓や飲料なども幅広く手掛けている。業績は売上高・利益いずれも過去8年間に渡って安定傾向。2022年以降は世界的な物価高によって競合する大手菓子メーカーが値上げを進めたことで、相対的に値ごろ感が強い当社にとっては追い風となる事業環境となっている。財務体質においても健全であり、直近でも自己資本比率59.9%と負債に依存しすぎない事業運営ができている。総じて事業運営は良好であるが、強いて言えば海外展開の遅れは課題か。現在の海外売上高比率は10%未満と低く、国内市場は少子高齢化・人口減少によって先細りが見えている。将来的な事業拡大を見据えると、海外売上高比率の拡大は中長期的な課題となるだろう。
就職格付け:CC
新潟県・柏崎市に本社を置く菓子メーカー。今なお柏崎市に本社を置き続けているが、2015年に柏崎駅前に地上13階建ての本社ビルを新築。今や柏崎駅前を代表するランドマークとなっており、柏崎市を代表する企業に相応しい風格を示している。給与水準は長期的に450万〜470万円ほどで横ばいが続いている。目安としては、大卒総合職ならば30歳で年収400~450万円、課長職レベルで600万~800万円ほど。さすがに大手菓子メーカーとは隔たりがあるが、当社最大のメリットは従業員向けに独身寮・借上げ社宅を整備されている点。いずれも月額6,000円~8,000円で生活できるため、実際の給与水準は見た目の平均年収以上。主力拠点はいずれも新潟県内に集積しているため、県外転勤リスクも営業職以外は殆どない。新潟県内で生活を完結させたい場合には有力な選択肢となり得るだろう。