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【勝ち組?】ネクソンの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

ネクソンは、オンラインPCゲームを主力とする大手ゲーム会社。1994年に金正宙と宋在京がオンラインゲーム会社として創業。1996年には世界初のMMORPG「風の王国」をサービス開始したことで業績拡大。2003年には「メイプルストーリー」をサービス開始、約20年以上に渡ってサービスを継続する異例のロングヒットタイトルとなった。2005年には本社を日本へ移転、2011年には東京証券取引所に株式上場を果たした。現在では日本・韓国・中国・欧米で事業を展開、日系ゲーム会社として第5位の規模を誇る。

POINT

・韓国企業だが本社を日本に置く世界的ゲーム会社、PCゲーム比率が高い
・売上高は右肩上がりで増加、任天堂並みの高利益率で無借金経営
・平均年収684万円、福利厚生も普通レベルで待遇は意外と普通レベル

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:60(中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

自社公式サイトで「学歴は見ない」と明確に断言(参考リンク)する珍しい企業。が、日本法人の従業員数は200人ほどに過ぎず、入社方法は中途入社のみ。年間の採用数も若干名に留まる。
採用大学:非公開(出典:ネクソン採用サイト

業績動向

✔売上高と営業利益

ネクソンの売上高は右肩上がりの増加傾向が続いており、2023年には過去最高となる4,233億円に到達*1。営業利益も売上高に比例して増加傾向にあり、2023年には過去最高となる1,347億円に到達*2。
*1:当社の売上高が増加している理由は、①看板タイトル「アラド戦記」「メイプルストーリー」の売上高の増加、②COVID-19を契機とした世界的なゲーム市場の拡大、③為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2023年はPCゲーム分野で大幅増益を記録。「メイプルストーリー」の大型アップデートの好評や、「EA SPORTS FC™ MOBILE」のタイトル刷新などが追い風となった。

✔セグメント別の状況

ネクソンは、日本事業(本社機能および日本向けゲーム展開)、韓国事業(開発機能および韓国向けゲーム展開)、中国事業(中国向けゲーム展開)、欧米事業(欧米向けゲーム展開)、その他事業、の5事業を有する。
当社は2005年から本社機能を日本に置いているが、売上高に占める日本事業の割合は約3%に過ぎない。韓国事業と中国事業が売上高の多くを占めており、同事業の好不調に業績を左右されやすい。売上高の約72%がPCゲーム分野であり、モバイルゲームの割合が約28%に留まるのも特徴的。

✔最終利益と利益率

ネクソンの純利益は2018年に過去最高となる1,156億円に到達したが、同年以降は減少傾向にある。営業利益率は30%〜38%レベルで推移しているが、2023年は31%にやや後退。ゲーム会社としてトップクラスの高利益率を誇る*3。
*3:同業他社と比較するとすれば、任天堂が営業利益率31.6%(2023年)、スクウェア・エニックスが営業利益率9.14%、カプコンが営業利益率37.4%(2023年)である。

✔自己資本比率と純資産

ネクソンの自己資本比率は80%以上の高水準で安定的に推移している。有利子負債が殆どない無借金経営を達成しており、財務の健全性は傑出している。純資産は右肩上がりで増加しており、2023年には純資産9,065億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ネクソンの平均年収は2018年から増加傾向にあり、2023年は684万円となっている。総合職は30歳で年収450万〜550万円ほど、課長職レベルで850万〜950万円ほど。これらは日本法人の従業員のみの平均年収であり、開発機能がある韓国法人の従業員は含まれていない*4。
*4:当社は(給与水準が高くなりやすい)企画・開発メンバーの殆どが韓国法人に属している。そのため、日本法人の平均年収が高まりにくい事情がある。

✔従業員数と勤続年数

ネクソンの単体従業員数は直近の2023年で266人ほどの組織体制*5。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は8,200人ほど。平均勤続年数は直近でも6.7年に留まるが、これは持株会社の266人の平均勤続年数である。
*5:当社の単体従業員数は日本法人の従業員数。開発機能がある韓国法人の従業員数は連結従業員数に含まれている。

総合評価

企業格付け:A

韓国を代表する世界的なオンラインPCゲーム会社でありながら、本社機能を日本に置いている珍しい企業。創業から一貫してPCゲーム分野に強みを持ち、とりわけ2003年にサービス開始した「メイプルストーリー」は20年以上に渡ってサービスを継続、そのうえ2023年にも過去最高となる売上高を記録している化け物タイトルである。業績においては過去8年間に渡って売上高が増加傾向。人気タイトル「アラド戦記」は2018年をピークに売上高が落ち着いた一方で、「メイプルストーリー」への大型アップデートと「EA SPORTS FC™ MOBILE」のタイトル刷新によって売上高を大きく伸ばした。また、当社は海外売上高比率が約97%にも達するため、2022年以降の為替レートの円安も業績の追い風となっている。営業利益率は30%以上を確保できており、業界大手・任天堂にも匹敵する高利益率を誇るのも特徴。財務体質においても隙は無く、自己資本比率80%以上かつ無借金経営を達成している。まさしく成長性と高利益率と財務健全性を総取りした、ゲーム業界の超優良企業である。

就職格付け:CCC

ゲーマー向けのPCゲーム分野において傑出した実績がある大手ゲーム会社であり、売上高において世界上位10社に食い込むほどの事業規模を持つグローバル企業。給与水準においては平均年収684万円(2023年)と同業他社にやや見劣りするが、これは給与水準が高い開発スタッフの殆どが韓国法人に属しているため。日本法人の総合職の場合、30歳で年収450万〜550万円ほど、課長職レベルで850万〜950万円が目安となる。福利厚生もそれなりレベルであり、家賃補助制度の支給額は最大1.5万円/月ほど。本社が六本木であるため通勤距離は遠くなりやすいにも関わらず、交通費の支給上限が月額5万円までというのも地味に痛い。社内の自動販売機が無料であったり、毎年5,000円まで書籍代が会社負担になるなど細かい制度はあるが、生活水準を大きく底上げする域にはない。総じて、企業としては卓越した業績・財務を誇るものの、日本法人における待遇はそれなりといった感が否めない。強いて言えば、海外売上高比率97%にも達するグローバル企業であるがゆえに業務において英語・韓国語を多用する環境であるため、これらの言語力に磨きをかけたい場合には優良な就職先であるかもしれない。

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出典:株式会社ネクソン(有価証券報告書)