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【勝ち組?】セガサミーの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

セガサミーは、ゲーム・パチスロ機器・アミューズメント機器・統合型リゾートなどを展開する大手ゲーム会社。1947年に個人豆腐店として創業、1965年にクレーンゲームを開発して「サミー」ブランドで販売。2003年にはゲームハード「ドリームキャスト」の販売不振で業績悪化していたセガを救済合併した。2017年には海外カジノ運営に進出し、韓国で統合型リゾート「パラダイスシティ」を開業。現在ではパチスロ分野で国内シェア首位級、主要作品には「ソニック」「龍が如く」「ペルソナ」など。かつてはゲームセンター分野で国内シェア3位であったが、2022年に撤退(アミューズメント機器の開発は継続)。

POINT

・ゲーム業界で第4位の大手、ゲーム・パチスロ機・カジノなど事業範囲が広い
・売上高・利益は2020年を底にV字回復、財務体質も堅実で問題ない
・平均年収879万円と業界上位クラス、初任給30万だが住宅補助はない

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:63(中堅上位)

大手企業の中でも中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。入社できればサラリーマンとして、かなり安定した人生が得られるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

総合職の採用人数は年間95名~140名ほど(持株会社:10名/セガ:70名~90名/サミー15名~30名)。ゲーム会社の大手企業だけあって人気度は高く、ハイレベル大学からの採用も多い。
採用大学:【国公立】東京大学・大阪大学・筑波大学・電気通信大学・横浜市立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・関西学院大学・法政大学・立命館大学・明治学院大学・國學院大学・西南学院大学・東京理科大学・芝浦工業大学・聖心女子大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

セガサミーホールディングスの売上高は2020年に2,777億円に急減したが、同年を底にV字回復。2023年には売上高4,689億円に到達*1。営業利益も2020年に65億円に急減したが、2023年には568億円に到達*2。
*1:2020年の業績悪化の主要因は、COVID-19感染拡大による遊技機事業・リゾート事業の大幅減収。外出自粛によるパチンコ店・ゲームセンターの顧客離れが当社業績の逆風となった。
*2:2021年から営業利益が伸びている理由は、①遊技機事業におけるパチスロ6.5号機の販売好調、②エンタテイメントコンテンツ事業における「龍が如く」や「ペルソナ」の販売好調、③為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

セガサミーホールディングスは、エンタテイメントコンテンツ事業(コンシューマゲーム・アミューズメント機器・アニメーション映画、玩具開発・販売など)、遊技機事業(パチンコ・スロットの開発・販売など)、リゾート事業(統合型リゾート・ホテル・ゴルフ場など)、の3事業を有する。
当社は売上高の約68%をエンタテイメントコンテンツ事業(ゲームやアミューズメント機器)が占めている。が、全社利益の約58%は遊技機事業(パチンコやスロット)で稼いでおり、同事業が利益の柱。リゾート事業は売上高と利益いずれにおいても割合は少ない。

✔最終利益と利益率

セガサミーホールディングスの純利益は2018年・2020年に損益ギリギリまで低下したが、2021年からは330億〜460億円で推移している。営業利益率は2020年まで低下傾向が見られたが、同年以降は9%~12%に上昇。エンタメ業界としてはまずまずの水準。

✔自己資本比率と純資産

セガサミーホールディングスの自己資本比率は55%~65%ほどで推移している。純資産は2021年まで減少傾向が続いていたが、同年以降は増加傾向に転換。2023年には純資産3,577億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

セガサミーホールディングスの平均年収は2020年まで減少傾向が続いたが、同年以降は800万〜880万円のレンジに上昇。総合職は30歳で年収500万〜550万円ほど、課長職レベルで900万〜1,000万円ほど。年功序列色は薄く、職位に応じて給与レンジが決まる*3。
*3:当社は2023年に給与制度を改定。役割等級と業績をベースとした報酬体系に移行した。大卒初任給は30万円へと引き上げられたが、賞与比率を下げているためにトータルの平均年収では大きな増加は見られない(参考リンク)。

✔従業員数と勤続年数

セガサミーホールディングスの単体従業員数は直近の2023年で427人ほどの組織体制、従業員の殆どは事業会社に属している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は8,600人ほど。平均勤続年数は直近でも3.4年に留まるが、これは持株会社の427人の平均勤続年数である*4。
*4:平均勤続年数が極端に短いのは、持株会社と事業会社間の異動では転籍扱いとなり勤続年数がリセットされるため。新入社員離職率は2%(2022年)に留まっており、従業員の定着は悪くない。

総合評価

企業格付け:CCC

2003年にゲーム業界大手のサミーとセガが合併して誕生した大手ゲーム会社。代表的なタイトルには「ソニック」「龍が如く」「ペルソナ」などがある他、パチンコ・スロット分野においても国内トップ3社に数えられる。つい最近まで統合型リゾート(いわゆる日本版カジノ)の実現に注力していたが、2021年に横浜市長選挙で反対派市長が当選したことで断念するに至っている(参考リンク)。業績は2020年にCOVID-19影響で一時的に悪化したが、同年以降は売上高・利益いずれもV字回復。本業であるエンタテイメントコンテンツ事業と遊技機事業がいずれも好調である他、為替レートの円安推移も追い風となっている。財務体質についても自己資本比率50%以上で安定しており、ヒット作品の有無で業績が浮き沈みしやすいゲーム会社としても当面安泰な水準を確保できている。2030年を見据えた経営方針としては、エンタテイメントコンテンツ事業を「成長の柱」としつつ、遊技機事業は「収益基盤の安定化」とする方針。具体的には、①エンタテイメントコンテンツ事業における既存IP強化・大ヒット作品の創出、②遊技機事業におけるシェア拡大とプラットフォーム化、を掲げている(参考リンク)。高利益率であるものの国内市場に依存する遊技機事業で足場を固めつつ、グローバルで大きな市場拡大が見込めるエンタテイメントコンテンツ事業で成長を狙う、手堅い戦略といえよう。

就職格付け:CCC

日系ゲーム会社として、ソニー任天堂バンダイナムコに続く第4位に位置する業界大手。もともとは家庭用ゲーム機「ドリームキャスト」の失敗で経営危機に陥ったセガをサミーが救済する形で合併したが、組織上は持株会社の下にセガとサミーが別会社として現在も存続。サミーが遊戯関連を担い、セガがゲーム・アニメなどを担う分業制となっている。給与水準においては平均年収879万円(2023年)と業界上位だが、これは持株会社の427人の平均年収である点には注意が必要。実際には、総合職は30歳で年収500万〜550万円ほど、課長職レベルで900万〜1,000万円が目安となる。2023年には給与制度を改定して全社員の平均年収ベースで約15%の賃上げを実行している。福利厚生は給与に含みとなっており、家賃補助制度・借上げ社宅制度は廃止されている(参考リンク)。が、従業員の育児支援には並外れて熱心であり、出産手当が100万円・子供の小学校・中学校・高校などの節目で各30万円の祝い金が支給される。他の大手ゲーム会社との大きな相違点としてパチスロ機器への業績依存度が大きい点であり、特に同事業を担っているサミーはパチスロ機器メーカーのイメージが強い。パチンコ業界への社会的イメージの悪さが人によっては気になる場合もあるかもしれない。

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出典:セガサミーホールディングス株式会社(有価証券報告書)