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【勝ち組?】オープンハウスの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

オープンハウスグループは、戸建住宅・マンションの企画・販売を主力とする大手不動産会社。1997年に荒井正昭がセンチュリー21の不動産仲介会社として創業。2000年代には『都心駅近』の好立地において木造3階建の戸建住宅を安価に販売するビジネスモデルを確立。2010年代には「東京に、家を持とう。」のスローガンで自社テレビCMを開始、急速に一般知名度を高めた。現在では売上高1.2兆円を超えるまでに急成長、不動産業界において財閥系不動産会社に匹敵する事業規模を確立している。

POINT

・売上高1兆円以上の非財閥系の大手不動産会社、都心駅近の戸建に強い
・売上高・利益は右肩上がりの爆発的な成長、財務体質も良好
・実力さえあれば20代で年収2,000万円以上も可能、超体育会系文化

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:60(中堅)

上場企業・著名企業に勤務するサラリーマンとしては中堅クラスの待遇を得られる。安定性や待遇に目立った課題はほぼなく、良好な人生を送ることができる可能性が高いだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや易しい

総合職の採用人数は年間250人~300人と大量採用。入社の門戸は広く、総合職の出身大学も多種多様。不動産営業に強い関心がある場合には有力候補となりうる。
採用大学:【国公立】名古屋大学・北海道大学・千葉大学・金沢大学・岡山大学・群馬大学・富山大学・秋田大学・など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・青山学院大学・中央大学・関西大学・日本大学・東洋大学・専修大学・近畿大学・成蹊大学・龍谷大学・西南学院大学・武蔵大学など(出典:マイナビ2027

業績動向

✔売上高と営業利益

オープンハウスグループの売上高は右肩上がりの増加傾向が続いており、2024年には過去最高となる1.29兆円に到達。過去8年間で売上高を4倍以上に増加させ、財閥系不動産会社にも匹敵する事業規模に到達している。営業利益は2023年に過去最高となる1,423億円を記録したが、2024年はやや後退。
*1:当社が右肩上がりの成長を実現した理由は、①徹底した実力主義による卓越した営業力、②変形地・狭小地など他社が手を出さない用地の積極的な取得・活用、③共働き世帯の増加や都市部への人口集中による当社が得意とする『都心駅近』需要の拡大、など。

✔セグメント別の状況

オープンハウスグループは、戸建事業(『都心駅近』を中核とした戸建分譲など)、マンション事業(個人向けマンション事用地取得・企画・販売など)、収益不動産事業(マンション・ビル・商業施設のリノベーション・再販売など)、その他事業(米国における不動産・金融商品開発)、プレサンス事業(投資用マンション開発)、メルディア事業(戸建て分譲住宅の販売)、の6事業を有する。
当社は『都心駅近』の好立地に木造3階建の戸建て住宅を安価に販売するビジネスモデルによる戸建分譲を得意とする(参考リンク)。自社で企画・施工・販売までを一貫して対応することで中間コストを省き、低価格で好立地の物件を販売することで消費者ニーズを掴んできた。現在ではマンション・収益不動産なども広範に扱う総合不動産グループとしての顔も兼ね備える。

✔最終利益と利益率

オープンハウスグループの純利益は長期的な増加傾向が続いており、2024年には過去最高となる929億円に到達している。営業利益率は9%~12%ほどで安定的。売上高・利益を急拡大しながらも、高利益率を安定して確保できているのは驚異的である。

✔自己資本比率と純資産

オープンハウスグループの自己資本比率は36.2%(2024年)と、不動産会社としてはやや高めの水準。当社は戸建て販売を主力としているため、同業他社よりも負債比率を低めに留めやすい特徴がある。純資産は右肩上がりでの増加傾向が続いており、2024年には5,369億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

オープンハウスグループの平均年収は2022年まで630万~690万円ほどで推移していたが、2024年には923万円まで上振れ。が、これは持株会社の従業員284名の平均年収であるため参考になりにくい。総合職の場合、30歳で年収600万~1,500万円ほど、課長職レベルで年収1,100万~2,000万円ほど。徹底した実力主義によって個人成績に応じて年収が大きく変動する*2。
*2:採用サイトによると、新卒5年目で平均年収1,056万円・最高年収2,100万円に到達する(参考リンク)。

✔従業員数と勤続年数

オープンハウスグループの単体従業員数は2022年に急減しており、2024年は284人の組織体制となっている。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は6,100人ほど。平均勤続年数は4.2年(2024年)と、大手企業の標準的な水準を大きく下回る。

総合評価

企業格付け:B

創業から僅か26年で売上高1兆円を超える爆発的な成長を遂げたスーパー企業として知られる大手不動産会社。『都心駅近』に木造3階建の戸建住宅を建設・販売するビジネスモデルによって、消費者ニーズを掴むことに成功。自社グループ内で企画・施工・販売までを一貫して対応することで、商品力と価格競争力を担保していることも特徴。業績においては売上高・利益を爆発的に成長させており、2023年には売上高1兆円を突破。現在では売上高において東急不動産住友不動産野村不動産を上回り、三菱地所(売上高1.57兆円)に肉薄する状況。単に売上高を増やすだけでなく、営業利益率9%~12%ほどの高利益率を維持し続けているのも驚異的である。財務体質においては自己資本比率36.2%(2024年)と高めであり、無理のある負債活用による成長ではなく、オーガニックな成長であることが伺える。

就職格付け:CCC

今どき珍しい体育会系極まる朝礼によってインターネットを騒然とさせた企業。…だが、そもそも当社は採用サイトにおいて『野心・挫折・逆境・努力』などを掲げており、こうした環境を「成長できる環境」として集まった人間が多いことは念頭に置くべきだろう。給与水準においては平均年収923万円(2024年)と高水準であるが、これは持株会社の従業員のみの平均年収。実際には徹底した実力主義によって個人ごとの年収差が大きいため平均年収で考える必要性は薄い。早ければ20代で年収1,000万円越えは十分に可能かつ、トップ営業マンであれば20代のうちに年収2,000万円を超える。が、実力がなければ昇給ペースは限定的かつ、周囲との差に落ち込むことは必然であろう(それでも総合職は初任給35万円以上であるため薄給とはならない)。福利厚生においてもかなり手厚く、入社支度金として新卒全員に30万円が一律支給される他、自社物件での住宅購入時には200万円が補助される。また、従業員の出産祝い金は第1子20万円・第2子30万円・第3子100万円…と破格。総じて破格の待遇であるが、いずれも実力あっての高待遇であり、平均勤続年数4.2年(2024年)という短さは念頭に置いておきたいか。

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出典:株式会社オープンハウスグループ(有価証券報告書)