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【勝ち組?】オルガノの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

オルガノは、純水製造設備・用水処理設備などを主力とする水処理エンジニアリング会社。1941年に『山梨化学工業』として創業、1946年に水処理分野へと業態転換。当初は病院・研究施設向けの蒸留水製造装置が主力であったが、1950年代からは製紙・化学メーカー向けの純水製造装置へと進出。現在では半導体製造用の超純水製造装置で世界シェア首位級、台湾・TSMC社向けの取引関係が深い。原子力発電所向け水処理設備でも国内シェア90%を掌握する他、上下水道施設なども手掛ける。

POINT

・東ソー傘下の水処理エンジニアリング大手、最近は半導体業界が主要顧客
・売上高・利益は成長基調が続いており、財務健全性も良好
・平均年収852万円だが福利厚生は普通、若手社員の住宅補助が手厚い

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:67(上位)

かなりの勝ち組サラリーマン。日系大企業としては上位級の待遇をしっかりと得られる。入社するには相応の能力が必要であるが、立ち回りを工夫すればチャンスはそれなりにある。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用人数は年間25人~30人ほど。急成長中かつ高待遇だが水処理というマイナー分野かつ一般知名度が低いために選考倍率は高まらない。かなりの穴場。
採用大学:【国公立】大阪大学・名古屋大学・神戸大学・広島大学・千葉大学・三重大学・山形大学・山口大学・東京工業大学・東京海洋大学など、【私立】慶応義塾大学・早稲田大学・明治大学・立教大学・中央大学・関西大学・立命館大学・駒澤大学・明治学院大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

オルガノの売上高は長期的な増加傾向が続いており、2020年には売上高1,000億円を突破*1。2023年には過去最高となる1,503億円に到達。営業利益も売上高に連動した増加傾向が続いており、2023年には過去最高となる225億円に到達している。
*1:当社の売上高の成長が続いている理由は、①半導体業界向け超純水製造装置の需要拡大、②主要顧客である台湾・TSMC社の積極的な設備投資による販売増加、など。

✔セグメント別の状況

オルガノは、水処理エンジニアリング事業(純水・超純水製造設備、用水処理・排水処理設備、プラント設備の消耗品交換・メンテナンスなど)、機能商品事業(RO水処理薬品・排水処理薬品・冷却水処理薬品、純水製造装置、食品添加物など)、の2事業を有する。
当社は1946年に水処理分野へと業態転換してから約80年以上に渡って水処理エンジニアリングを主力事業としている。最近では半導体メーカーをはじめとする電子産業向け純水製造装置が事業化拡大を牽引。過去に販売した設備の修理・改造・運転管理なども安定的な収益源となっている。

✔最終利益と利益率

オルガノの純利益は長期的な増加傾向が続いており、2023年には過去最高となる173億円に到達*2。営業利益率も右肩上がりで増加しており、2022年には14.9%に到達している。
*2:2023年に純利益が増加した理由は、①利益率が高い超純水製造装置の販売増加による受注採算性の向上、②設備保守サービス・メンテナンスによる安定的な利益確保、など。

✔自己資本比率と純資産

オルガノの自己資本比率は長期的に51%~59%ほどで安定的に推移している。純資産は右肩上がりの増加傾向にあり、2023年には1,021億円に到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

オルガノの平均年収は長期的な増加傾向が続いており、2023年には平均年収852万円に到達している。大卒総合職の場合、30歳で年収600万~700万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,150万円が目安。平均年齢は43歳前後で安定的に推移しており、大手企業の標準的な水準。

✔従業員数と勤続年数

オルガノの単体従業員数は長期的に1,000人~1,150人ほどで推移している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,500人ほど。平均勤続年数は16年前後で安定的に推移しており、大手企業の標準的な水準をやや上回っている。

総合評価

企業格付け:BB

水処理エンジニアリング専業会社として栗田工業に続く業界2位の大手企業。オーダーメイドの水処理プラントを自社で設計・建設・保守までを一貫して対応できる他、先端半導体の製造に不可欠な超純水製造装置においては世界的な大手である。業績においては、売上高・利益いずれも右肩上がりの増加傾向が続いている成長企業。2020年代から世界的な半導体需要の高まりによって主要顧客である半導体メーカーが設備投資を増やしており、高利益率な超純水製造装置の販売が好調であることが大きな追い風となっている。財務体質においても自己資本比率55.8%(2023年)と負債に依存しすぎない事業運営ができている。また、過去に販売した設備の修理・改造・運転管理などが長期的に収益貢献するため、景気後退局面にも底堅く利益を確保できる点も安心材料だろう。

就職格付け:BB

1941年に山梨県で創業した水処理会社。1946年には長野県諏訪市に本社移転したが、1955年からは東京都に本社を置き続けている。大手化学メーカー・東ソーが当社の発行済み株式数の約43.9%を保有しており、同社の連結子会社という位置づけでもある。給与水準においては平均年収852万円(2023年)と大手メーカーに匹敵する水準。2016年には平均年収692万円程であったが、業績拡大に応じて従業員の給与底上げが進んでいる。現状の給与水準であれば、大卒総合職の30歳で年収600万~700万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,150万円が目安となるだろう。福利厚生においては企業規模なりだが、30歳までの独身社員には月額5,000円と格安で借上げ社宅を提供しているのは手厚い。毎年5月1日は自社の創立記念日として、会社特有の休日として指定されている。

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出典:オルガノ株式会社(有価証券報告書)