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半導体 外資系企業

【勝ち組?】インテルジャパンの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

インテルは、アメリカに本社を置く大手半導体メーカー。1968年にゴードン・ムーアらが半導体メモリメーカーとして創業。1981年にはIBMが同社初のパソコンに当社CPUを採用したことで急成長。パソコンの大衆化を追い風に業績拡大を続け、1992年には売上高で世界首位の半導体メーカーであったNECを超え、2017年まで実に25年間に渡って半導体分野で世界首位を維持し続けた。長きに渡って自社製品のみを製造する方針であったが、2021年には他社の半導体を製造受託するファウンドリ事業へと進出。

POINT

・世界最大級の大手半導体メーカー、パソコン向けCPUにおいて傑出した存在
・売上高・利益いずれも急激な悪化傾向、財務体質は今なお健全
・担当職で年収1,100万~1,500万円ほど、福利厚生は少ない

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:75(最高峰)

日本企業における最高峰クラスのキャリアであり、誰もが勝ち組として認めるレベルの待遇・名声が得られる。入社するためには人並み外れた能力・努力は当然、運も必要である。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:至難

新卒採用はインターンシップ経由の採用のみであり、従業員の殆どは中途採用によって入社している。日本法人は極めて少数精鋭の組織であるため採用数は非常に少なく、入社難易度は高い。
採用大学:非公開(出典:インテル採用情報

業績動向

✔売上高と営業利益

インテルの売上高は2021年まで増加傾向が継続して790.2億ドルに到達したが、同年以降は急減少に直面*1、直近の2023年には542.2億ドルまで減少。営業利益は2021年まで180億ドル~230億ドルで推移していたが、同年以降は激減。2023年は営業利益0.9億ドルと損益ギリギリ。
*1:売上高が急減少している理由は、①AIブームに適合した競合(米・AMDなど)にシェアを急激に奪われている点、②COVID-19感染拡大期における半導体不足で需要を先食いした点、③当社が強みとするパソコン市場がタブレット端末の普及により成長減速している点、など。

✔セグメント別の状況

インテルは、コンピューティング部門(パソコンおよびモバイル端末向けマイクロプロセッサ・フラッシュメモリなど)、データセンター・AI事業(クラウドサービス向けソリューション)、ネットワーク・エッジ部門(ネットワークおよびエッジコンピューティング)、モービルアイ部門(自動運転・運転支援システム)、ファウンドリ部門(半導体の代替製造サービス事業)、その他事業、の6部門を有する。
当社はパソコン向けCPUで高い競争力を有しているため売上高・利益いずれもコンピューティング事業に大きく依存する。2010年代以降に急拡大したスマートフォン分野では大敗を喫しており、競争から脱落。利益面ではコンピューティング事業・モービルアイ事業以外はすべて赤字という状況。

✔最終利益と利益率

インテルの純利益は2021年まで180億ドル~230億ドルで推移していたが、同年以降は激減*2。営業利益率は2020年まで30%台の高水準を誇ったが、2023年には0.1%と損益ギリギリの状況*3。
*2:純利益が急減少した理由は、①2021年に参入したファウンドリ事業の失敗、②世界的な物価上昇による生産コスト・材料費の上昇、③AIブームへの乗り遅れを危惧した研究開発費の大幅積み増し、など。
*3:直近の2024年4月~6月期において純損失16.1億ドルを計上して赤字転落している(参考リンク)。

✔自己資本比率と純資産

インテルの自己資本比率は長期的に55%以上の高水準で安定しており、財務健全性は今なお高い。20年以上に及ぶ全盛期で稼いだ巨額利益によって強固な財務基盤を築いたと評価できるだろう。純資産は2016年からの約8年間も増加が続いており、2023年には1,099億ドルに到達。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

インテルの平均年収は非公開。日本法人の場合、担当職レベルで1,100万~1,500万円ほど。マネージャークラスで1,500万~2,500万円ほど。給与レンジは個々人によるばらつきが大きい。RSU制度によりインテル株も付与される。

✔従業員数と勤続年数

インテルの従業員数はグローバルで11.7万人レベル。ただし2024年に全世界の従業員数の15%を削減する計画が発表されており、減少する可能性が高い*4。日本法人における従業員数は550人ほどと推定される。日本法人における平均勤続年数は非公開。
*2:2024年8月に業績悪化を受けて全世界の従業員の15%に相当する1.5万人の削減をおこなうと発表(参考リンク)。

総合評価

企業格付け:AAA

1990年代から2010年代にかけてパソコン向けCPU市場を席捲してきた世界最大級の大手半導体メーカー。とりわけパソコン市場においては長年に渡り『絶対的王者』として君臨、2010年代前半までライバル不在のCPUメーカーとして独走状態を維持してきた。が、2010年代後半からスマートフォンの急激な普及に乗り遅れ、スマートフォン向けCPUではシェアを喪失。2020年代からのAIブームにも乗り遅れ、エヌビディアやAMDなどの競合にシェアを奪われる状況に。2021年には他社の半導体を製造受託するファウンドリ事業へと進出して再建を図るも、台湾・TSMCなどの競合に圧倒され、2024年に同事業の分社化を決定(参考リンク)。こうした状況もあって業績は急激に悪化しており、売上高・利益いずれも2020年から急減傾向。営業利益率は30%台から0.1%まで急低下しており、危機的状況。2024年4月~6月期には純損失16.1億ドルを計上して赤字転落しており、全世界の従業員を約15%削減すると発表。

就職格付け:AAA

アメリカを代表する世界的半導体メーカーであり、今なお家庭用パソコンの多くに当社製品が採用されている。日本においても『インテル入ってる』のCMが長年放送されていたこともあり、半導体メーカーながら一般知名度は高い。日本法人における給与水準は外資系半導体メーカーとしてはトップクラスであり、担当職レベルで年収1,100万~1,500万円ほど。マネージャークラスで年収1,500万~2,500万円ほどに達する。福利厚生は外資系企業らしく希薄であり、家賃補助制度や借上げ社宅制度もない(福利厚生ではなく給与で直接的に還元する方針)。強いて言えば、バケーションバンク制度によって5年に1度だけ最長30日の長期休暇を取得することができる。日本法人は従業員が550人前後の非常に小さい組織体制であるため採用数そのものが少なく、転職市場においても求人票を目撃すること自体が極めて稀。新卒採用はインターンシップ経由のみであり、よほどの才能ある理系学生でない限り、未経験から内定を取得することは難しい。

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出典:Intel Corporation(Investor Relations)