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日用品メーカー

アシックスの企業格付・就職偏差値【業績動向から平均年収まで解説!】

企業概要

アシックスは、スポーツシューズ・スポーツウェア・スポーツ用品を展開するスポーツ用品メーカー。1949年に鬼塚喜八郎が「オニツカ」ブランドで創業、1977年に同業のジィティオ・ジェレンクと対等合併して現社名・アシックスへと改名。ランニングシューズ分野では世界大手の一角である他、オニツカタイガーブランドも展開。現在では欧米市場・中国市場・アジア市場において人気を博しており、海外売上高比率80%以上を誇るグローバル企業。スポーツ用品メーカーとして世界上位10社以内に数えられる。

POINT

・日系スポーツ用品メーカー断トツ首位、海外売上高比率80%以上の世界企業
・売上高・利益いずれも増加傾向、財務体質は一時悪化したが回復傾向
・平均年収898万円台で業界首位、現経営陣は非プロパー組ばかり

業績動向

✔売上高と経常利益

アシックスの売上高は長期的な成長基調が続いており*1、直近の2023年には過去最高となる5,704億円に到達。営業利益は2020年に赤字転落*2したが、同年以降は急回復。
*1:2010年代初頭は売上高2,000億円規模に過ぎなかったが、10年強で売上高が倍以上に増加。世界的な健康志向の高まりに加えて、当社のブランド戦略・商品開発の成功が勝因。
*2:2020年は世界的なCOVID-19感染拡大による、①外出・スポーツ機会の激減、②外国人観光客の激減によるインバウンド需要の消滅、③世界各地における店舗長期休業、で赤字転落。

✔セグメント別の状況

アシックスは、日本事業、北米事業、欧州事業、中華圏事業、東南・南アジア事業、その他事業、の6事業を有する。
当社は売上高・利益いずれも約80%を海外市場で稼ぐグローバル企業。欧州・中国市場においては日本市場を上回る利益を確保しており、稼ぎ頭となっている。唯一、米国市場においては利益面で苦戦しており、収益構造の確保に苦労している。

✔最終利益と利益率

アシックスの純利益は、2018年・2020年に大幅赤字*3に転落しつつも直近では純利益353億円に到達。営業利益率は2020年前後に低迷を経験したが、長期的には2%~7%ほどの水準。
*3:2018年の純損失転落は、米国市場におけるランニングシューズの販売不振が主要因。カジュアル路線やアパレルに注力したことでブランドの方向性が迷走、販売不振に陥ったことで構造改革に伴う特別損失を計上したことが理由。

✔自己資本比率と純資産

アシックスの自己資本比率は2020年まで右肩下がりで低下していたが、同年以降は回復傾向*4。直近では自己資本比率44.1%まで回復しており、良好な水準にある。純資産も2020年を底に右肩上がりでの増加している。
*4:2018年・2020年の純損失転落によって財務体質が悪化、これにより自己資本比率が低下していた。2020年以降は業績好調によって回復傾向へと転換。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アシックスの平均年収は右肩上がりでの増加が続いており、直近では898万円に到達。大卒総合職であれば30歳で680万~750万円ほど、課長クラスで1,250万~1,300万円ほど。日系スポーツ用品メーカー首位の給与水準。

✔従業員数と勤続年数

アシックスの単体従業員数は長期的に900人前後の水準で横ばい。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は9,000人規模。平均勤続年数は12年~13年ほどで推移しており、待遇の割には短め。

総合評価

企業格付け:B

■業界ポジション
スポーツ用品メーカーとして日系断トツ首位。同業にはミズノがあるが、売上高・利益いずれも2倍以上の大差で突き放す。海外売上高比率80%を超えるグローバル企業であるため、主たるライバルは外資系スポーツ用品メーカーであり、ナイキ・アディダス・プーマ・ニューバランスなど。

■業績動向
長期的には成長基調が続いており、過去10年強で売上高・利益を2倍以上に飛躍させた。世界的な健康志向の高まりによるランニングブームも追い風。ただし安定性はイマイチであり、2018年には米国市場での失敗で巨額損失を計上した他、2020年にはCOVID-19影響で純損失に転落。

■財務体質
回復傾向。2018年・2020年の純損失によって一時は自己資本比率27.9%まで低下していたが、2021年以降の業績回復によって回復傾向。直近の2023年には自己資本比率44.1%まで上昇しており、2018年以前の水準までもう少しで回復を果たす見込み。

就職格付け:CC

■給与水準
日系スポーツ用品メーカーとして首位の給与水準を誇る。グローバル市場における競合先の給与水準を意識しており、平均年収は直近で898万円と大手メーカー並みに。大卒総合職であれば30歳で680万~750万円ほど、課長クラスで1,250万~1,300万円ほど。本社所在地である神戸市におけるトップ企業の1社である。

■福利厚生
良い。実家遠方の若手社員や転勤者は10年間に渡って独身寮・社宅・家賃補助が付与され、住宅コストの負担は大幅に引き下げられる。スポーツ休暇なる制度があり、自身・家族のスポーツ行事の傘下において特別休暇を利用できる。社員割引によって自社製品を最大40%引きで購入することもできる。

■キャリア
総合職・研究職・デザイン職の3職種制。総合職は研究・デザイン以外の全部門に配属可能性があるが、企画・営業・開発・生産・ITなどの部門が主。海外売上高比率が80%以上のグローバル企業であるため、海外赴任の機会も。現経営陣は非プロパー社員が殆どであり、代表取締役会長(三菱商事出身)、代表取締役社長(アクセンチュア出身)、取締役(阪急電鉄・リクルート・博報堂出身)となっている。

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