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飲料メーカー

【勝ち組?】アサヒの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

アサヒグループホールディングスは、ビール・洋酒・清涼飲料水を主力とする大手飲料メーカー。1886年に大阪府で『大阪麦酒』として創業。1906年に同業2社と合併して国内ビールシェアの70%以上を掌握。が、1949年に過度経済力集中排除法により解体、朝日麦酒(現・アサヒ)と日本麦酒(現・サッポロビール)に分割。1958年には日本初の缶入りビールを発売、1987年には『アサヒスーパードライ』で業界王者だったキリンをシェアで逆転。2000年代からは海外ビールメーカーを積極的M&Aにより傘下に収め、現在では世界シェア7位に浮上。

POINT

・飲料業界2位、海外事業の積極買収により海外売上高比率50%に到達
・売上高は右肩上がりで増加するも利益は微増程度、財務体質は概ね健全
・持株会社は平均年収1,232万円、総合職・30歳で年収650~750万円ほど

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:73(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:難関上位級

グループ全体での採用数は年間100人~120人と採用数はそこそこ多め、うち約50人がアサヒビールに配属となる。さすがに飲料業界のトップ企業の一角ゆえに選考倍率はなかなかに熾烈。
採用大学:【国公立】京都大学・大阪大学・北海道大学・九州大学・神戸大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・同志社大学・明治大学・立命館大学・関西学院大学など(出典:ダイヤモンドオンライン

業績動向

✔売上高と営業利益

アサヒグループホールディングスの売上高は過去8年間に渡って成長傾向が継続。2023年には売上高2.76兆円に到達*1。飲料メーカーとして業界2位の規模を誇る。営業利益は2020年を除けば緩やかな増加傾向にあり、2023年には2,449億円に到達*2。
*1:売上高が増加している理由は海外事業の積極的M&Aによる。主な事例は、①アンハイザー・ブッシュ・インベブから東欧事業を買収(2016年)、②英・SABミラーから欧州4か国のブランドを買収(2016年)、③アンハイザー・ブッシュ・インベブから豪州事業を買収(2019年)など。
*2:2023年に利益が増加した理由は、①世界的な原材料価格高騰を受けた値上げ対応、②コスト合理化策による増益効果、③為替レートの円安推移による為替効果、など。

✔セグメント別の状況

アサヒグループホールディングスは、日本事業(ビール・洋酒・清涼飲料水などの製造販売、アサヒグループ食品による食品事業など)、欧州事業(欧州・中東欧における酒類販売)、オセアニア事業(オーストラリア・ニュージーランドにおける酒類・飲料の製造・販売)、東南アジア事業(マレーシアにおける飲料・乳製品の製造・販売)、その他事業(肥料・微生物研究、スタートアップ投資など)、の5事業を有する。
当社は過去8年間で急速にグローバル化を推進。2016年時点では海外売上高比率は約15%に過ぎなかったが、直近の2023年には海外売上高比率が約50%にまで急拡大している。とりわけ2016年・2020年にアンハイザー・ブッシュ・インベブから買収した海外事業は、海外展開の拡大に多大な貢献を果たしている。

✔最終利益と利益率

アサヒグループホールディングスの純利益は2016年・2020年を除けば1,400億〜1,500億円ほどで横ばい。営業利益率は長期的に8%〜9%ほどで推移している。

✔自己資本比率と純資産

アサヒグループホールディングスの自己資本比率は2020年までは35%前後で推移していたが、同年以降は増加傾向。純資産は右肩上がりで増加しており、直近の2023年には2.46兆円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

アサヒグループホールディングスの平均年収は1,000万〜1,400万円ほどで推移しているが、これは持株会社の数百人だけの平均年収であるためあまり参考にならない*3。大卒総合職ならば30歳で年収650~750万円、課長職レベルで1,100万~1,200万円ほどに達する。
*3:製造・物流部門などは子会社化されており、当社本体の従業員の殆どが、グループ管理・事業企画などに従事するホワイトカラーであるため平均年収が高くなりやすい。

✔従業員数と勤続年数

アサヒグループホールディングスの単体従業員数は年度ごとの増減が激しいが、長期的には100人〜300人ほどで推移。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.87万人ほどであり、従業員の殆どは事業会社に属する組織構造となっている。

総合評価

企業格付け:AA

飲料メーカーとしてサントリーに続く業界2位の地位を占め、とりわけビール分野では国内シェア1位・世界7位のグローバル企業。2010年代からは次々と海外企業を買収して傘下に収めたことで、僅か10年弱で海外売上高比率を約15%(2016年)から約50%(2023年)まで伸ばすことに成功している。こういった背景から売上高は過去8年間に渡って増加傾向にあり、直近では売上高2.76兆円に到達。利益面では売上高ほどの伸びは見られないが、それでも直近では営業利益2,449億円を記録している。もともと飲料メーカーとしては利益水準が良好であり、営業利益率8%前後というのは当社の強みであろう。財務体質も良化傾向にあり、直近の自己資本比率は45%と好水準。財務体質・利益水準を落とすことなく成長を掴み取っている経営手腕は高く評価できるだろう。

就職格付け:AA

かつてはビール分野でキリンビールに圧倒される業界3位の存在であったが、1987年の『アサヒスーパードライ』の大ヒットによって一気に業界王者に駆け上がった企業。それまでの常識であった「ビールは苦い」を覆した「辛口でキレのある軽快なビール」は業界の常識を覆し、これを契機にアサヒビールの支持者が急増した。給与水準においては平均年収1,232万円(2023年)と恵まれているが、これは持株会社に所属するグループ管理・事業企画のホワイトカラーのみの平均年収であるため注意が必要。おおよその目安としては大卒総合職・30歳で年収650~750万円、課長職レベルで1,100万~1,200万円ほどである。福利厚生も極めて恵まれており、住宅補助として独身者で最大7万円/月・既婚者で最大12万円/月が支給される。有給休暇の取得日数は平均14日越えと休みも取得しやすい。従業員の離職率は約1.4%と非常に低く、従業員の満足度も大いに高い。

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出典:アサヒグループホールディングス株式会社(有価証券報告書)