本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
東ソーは、基礎化学品・石油化学品・機能製品などを展開する大手化学メーカー。1918年に岩瀬徳三郎らが山口県で創業。当初は苛性ソーダ・塩素などのクロル・アルカリ製品を製造したが、高度経済成長期には樹脂原料・合成ゴムなどの石油化学製品の生産体制を整え、基礎素材メーカーとして躍進。1990年代以降は国内需要の成熟や国際競争の激化を背景に、機能性樹脂・電子材料・医薬関連材料など高付加価値分野へと事業多角化した。現在では、クロル・アルカリ事業を主力としつつ、独自性の強い機能商品・エンジニアリング分野の拡大を推進。景気変動の影響を受けやすい化学業界においても比較的安定した収益構造を有する点が特徴となっている。
・基礎化学に強みを持つ総合化学メーカー、山口県に一大拠点
・売上高・利益いずれも安定性が強い、財務体質も大いに良好
・平均年収795万円で住宅補助は良好、昇給は年功序列色が強め
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:65(中堅上位)
一般知名度と待遇では財閥系化学メーカーに及ばないが、化学業界の上位企業として認知される。給与水準はやや惜しいが、業績の安定性はピカイチ。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用数は年間90人~120人だが、うち80%は技術系採用枠となっている。化学業界の有名企業ゆえに人気は底堅く、特に事務系採用は選考倍率が高い。
採用大学:【国公立】大阪大学・東北大学・神戸大学・広島大学・金沢大学・新潟大学・岡山大学・名古屋工業大学・室蘭工業大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・上智大学・青山学院大学・同志社大学・関西学院大学・東京理科大学・芝浦工業大学など(出典:マイナビ2027)
業績動向
✔売上高と営業利益
東ソーの売上高は2020年まで7,300億~8,600億円で推移していたが、同年以降は増加傾向に転換。2022年には過去最高となる1.09兆円に到達している*1。営業利益は2021年に過去最高となる1,440億円に上振れている*2が、同年以外は740億〜1,050億円で推移している。
*1:2021年から売上高が増加した理由は、①原材料価格・燃料価格の高騰を受けた値上げ対応による増収、②為替レートの円安推移による為替効果、③半導体向け水処理装置およびエンジニアリング事業の販売拡大、など。
*2:2021年に営業利益が増加した理由は、塩化ビニル樹脂の市況高騰による利鞘拡大が主要因。COVID-19感染拡大の終息で世界的にインフラ投資が再開したことで市況高騰が発生した経緯がある。
✔セグメント別の状況
東ソーは、石油化学事業(エチレン・プロピレン・樹脂加工製品・機能性ポリマーなど)、クロル・アルカリ事業(苛性ソーダ・塩化ビニルモノマー・ウレタン原料・セメントなど)、機能商品事業(ファイン製品・電子材料・計測診断装置など)、エンジニアリング事業(水処理装置など)、その他事業(運輸倉庫・検査分析など)、の5事業を有する。
当社の事業構造の特徴は、基礎化学品を扱うクロルアルカリ事業が売上高の約35%を占める点にある。利益においては1970年代から進出した機能商品は利益の約39%を占める。市場規模が大きい基礎化学品で売上規模を確保しつつ、高付加価値製品で利益を稼ぐ構造となっている。
✔最終利益と利益率
東ソーの純利益は2021年に過去最高となる1,079億円に到達したが、同年以降は500億〜580億円で推移している。営業利益率は市況に左右されつつも7%~15%ほどで安定的に推移しており、景気後退局面にも利益率が安定している。
✔自己資本比率と純資産
東ソーの自己資本比率は2023年まで58%~65%ほどで推移しており、化学メーカーとしては高めの水準で安定している。安定した利益体質を加味すれば財務健全性への懸念はない。純資産は長期的に右肩上がりで推移しており、2024年には9,024億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
東ソーの平均年収は2019年に806万円に上振れだが、同年を除けば740万〜790万円ほどで推移している。総合職の場合、30歳で700万~790万円ほど、課長職レベルで年収1,100万~1,250万円が目安となる。年功序列色が強く、総合職であれば40歳前後で大半が課長職レベルに昇格する。平均年齢は38.5歳(2024年)と、大手企業の標準的な水準よりも若め。
✔従業員数と勤続年数
東ソーの単体従業員数は長期的な増加傾向が続いており、2024年は3,954人に到達している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は1.48万人ほど。平均勤続年数は13.5年(2024年)と大手企業の標準的な水準を下回るが、平均年齢の若さを鑑みれば違和感はない。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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