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【勝ち組?】東海理化電機製作所の就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

東海理化電機製作所は、自動車向けスイッチ・レバー・シートベルトなどを主力とする自動車部品メーカー。1948年に加藤由雄が自動車向けスイッチメーカーとして創業。1960年代までにはシフトレバー・ウインカースイッチ・シートベルト・エンブレムなどに生産品目を拡大した。1986年にはアメリカ・カナダに進出、現地生産を開始。1990年代からはタイ・フィリピン・中国などにも進出、グローバル化を加速させた。現在では「運転席に座って手が届く」範囲の多種多様な操作機器を生産、シフトレバー・レバーコンビネーションスイッチなどで世界シェア首位級。

POINT

・トヨタグループの電装部品メーカーでスイッチ類に強い、愛知県が地盤
・売上高は過去最高圏だが利益は伸び悩む状況、財務体質は大いに良好
・平均年収666万円で福利厚生は普通、平均勤続年数20年以上と良好

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:61(中堅上位)

サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:中難易度

総合職の採用数は年間30人~40人ほど。企業規模の割には一般知名度も低いため、選考倍率は高まりにくい。中堅大学からの採用が主流であり、ハイレベル大学からの採用は少なめ。
採用大学:【国公立】金沢大学・熊本大学・岐阜大学・富山大学・秋田大学・高知大学・島根大学・愛知県立大学・豊橋技術科学大学など、【私立】明治大学・立教大学・関西学院大学・立命館大学・南山大学・駒澤大学・龍谷大学・名城大学・愛知学院大学・東京理科大学・愛知工業大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

東海理化電機製作所の売上高は2021年まで4,400億~5,070億円ほどで推移していたが、同年以降は増加傾向に転換*1。2023年には過去最高となる売上高6,235億円まで到達している。営業利益は2020年から2022年までやや低迷*2したが、長期的には220億~310億円ほどで推移している。
*1:2021年から売上高が増加した理由は、①主要顧客であるトヨタ自動車の新車生産台数の増加による販売数量増加・操業度上昇、②為替レートの円安推移による為替効果、など。
*2:2020年から2022年に営業利益が低迷した理由は、①COVID-19感染拡大による新車生産台数の減少、②品質問題によるリコール費用の引当、など。

✔セグメント別の状況

東海理化電機製作所は、日本事業(日本国内における事業展開)、北米事業(アメリカ・カナダにおける事業展開)、アジア事業(中国・台湾・タイ・インドネシア・インドにおける事業展開)、その他事業(欧州・南米における事業展開)、の4事業を有する。
当社は自動車向け電装部品を主力として世界16ヵ国において事業を展開する。売上高の約80%がトヨタグループ向けとなっており、同グループの新車生産台数に業績を左右されやすい。日本事業は売上高の約40%を占めるが利益貢献をしておらず、アジア事業が全社利益の約65%を占めている。

✔最終利益と利益率

東海理化電機製作所の純利益は2016年・2021年に低迷がみられたが、同年を除けば110億~240億円ほどで推移している。2023年には過去最高となる純利益248億円に到達している。営業利益率は2021年まで低下傾向にあったが、同年以降は回復傾向。2023年は営業利益4.62%となっており、自動車部品メーカーとしては普通の水準。

✔自己資本比率と純資産

東海理化電機製作所の自己資本比率は長期的に58%~61%ほどで安定的に推移しており、負債に依存しすぎない事業運営ができている。純資産は長期的な増加傾向が続いており、2023年には3,394億円に到達している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

東海理化電機製作所の平均年収は610万~660万円ほどでの推移が続いている。大卒総合職の場合、30歳で年収500万~600万円ほど、課長職レベルで年収900万~950万円が目安。平均年齢は右肩上がりの増加傾向にあるが、2023年でも42.9歳と大手企業の標準的な水準。

✔従業員数と勤続年数

東海理化電機製作所の単体従業員数は6,000人~6,300人ほどの横這いが続いてる。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.02万人ほど。平均勤続年数は21.0年(2023年)と大手企業の標準的な水準を大きく上回っており、従業員の定着は大いに良好。

総合評価

企業格付け:CCC

愛知県を地盤とするトヨタグループの自動車電装部品メーカー。主力製品は「運転席に座って手が届く」範囲のスイッチ・レバー・シートベルトなどであり、特にシフトレバーでは世界的シェアを誇る。業績においては2023年に過去最高となる売上高に到達しているが、これは当社が売上高の約80%を依存するトヨタ自動車の業績好調が主要因。利益においては2017年をピークに伸び悩んでいるが、これは世界的な原材料価格・労務費の高騰が逆風となっている他、過去の製品のリコール対応費用が重荷となっている状況。2024年には新型プリウス向けスイッチで不具合が判明、総額110億円ほどのリコール費用が見込まれている(参考リンク)。財務体質においては自己資本比率61.2%(2023年)と高水準にあり、多少の業績悪化であれば耐え凌げるだけの余力は確保されている。総じて、売上高の大半をトヨタ自動車に依存する以上、良くも悪くもトヨタグループの好不調が当社にも波及する構造にある。

就職格付け:CC

社名からは想像されにくいがトヨタグループを構成する1社であり、トヨタ自動車が発行済み株式数の約32%を掌握する筆頭株主である。こうした経緯もあって歴代の取締役社長はトヨタ自動車からの天下りが多いが、取締役ポストまでならば当社プロパー入社組でも昇進はできる。給与水準においては平均年収666万円(2023年)と自動車部品メーカーとしては中堅上位クラスの待遇。大卒総合職であれば、30歳で年収500万~600万円ほど、課長職レベルで年収900万~950万円が目安となるだろう。さすがにトヨタグループの最大手企業と比べれば見劣りするが、当社の地盤である愛知県内で生活する分にはまったく困らない。福利厚生においては30歳までの若手社員であれば独身寮・社宅が用意されるため生活コストを抑えることは可能。ただし、家賃補助制度がないため30代以降は基本自腹になるのは惜しい(例外:中途入社かつ自宅が30km以上遠方ならば3年間に限り月額3万円が支給される)。

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出典:株式会社東海理化電機製作所(有価証券報告書)