本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
日本精工(NSK)は、ベアリング・ボールねじ・リニアガイド・パワーステアリングなどを主力とする自動車部品・精密機械メーカー。1916年に山口武彦が軸受メーカーとして創業。輸入に頼っていた軸受(ベアリング)の国産化に成功し、日本の軸受産業を切り拓いた。1950年代からは自動車部品・ボールねじなど事業多角化を進め、高精度な精密機械を通じて日本の高度経済成長を支えた。1964年には新幹線向け車軸軸受を納入して高い技術力を示し、1970年代からは海外展開を本格化した。現在ではベアリング・ボールねじ・リニアガイドなどの精密機械部品を、自動車・工作機械・鉄道・産業機械・半導体製造装置など幅広い業界へと供給する。ボールねじで世界シェア首位、ベアリング・リニアガイドで世界シェア3位を誇る。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:63(中堅上位)
精密機械メーカーとしてはトップクラスの事業規模を誇るが、給与水準は有名メーカーにはやや及ばない。社宅は特に格安だが、転勤の有無で適用期間が変わることが悩ましい。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:やや難関
総合職の採用数は年間60人~90人ほど、うち80%ほどが技術系採用枠。精密機械メーカーとしてはトップクラスの業界大手であるため、同業界の志望者からは底堅い人気がある。
採用大学:【国公立】名古屋大学・九州大学・千葉大学・金沢大学・熊本大学・長崎大学・東京都立大学・大阪公立大学・電気通信大学・豊橋技術科学大学など、【私立】早稲田大学・中央大学・同志社大学・立教大学・関西大学・立命館大学・日本大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
日本精工の売上高は2018年に過去最高となる1.02兆円に到達したが、同年以降は後退がみられる*1。2025年は売上高0.79兆円規模に留まっている。営業利益は2018年に過去最高となる978億円を記録したが、2020年からは60億~440億円レベルで停滞している。
*1:2019年から売上高・利益が低迷している理由は、①中国市場における日系自動車メーカーの販売縮小によるパワーステアリングの販売減少と利益低迷、②中国経済の低迷と現地企業の勢力拡大による販売縮小、③原材料費・労務費・物流費の高騰による利益圧迫、など。
✔セグメント別の状況
日本精工は、産業機械事業(一般産業向けの軸受・精密機器部品・状態監視システムなど)、自動車事業(自動車向け軸受、パワーステアリング、トランスミッション向け部品など)、その他事業(鋼球の製造販売、機械設備製造など)、の3事業を有する。
当社の事業構造は、軸受(ベアリング)を中核としながら、ボールねじ・リニアガイドなどの精機製品、自動車部品・ステアリングへと展開する精密機械部品メーカーとして成立している。最大の特徴は、回転・直動・位置決めという機械動作を支える部品群を、幅広い産業へ供給している点にある。ベアリングは自動車・工作機械・鉄道・産業機械・半導体製造装置に必要不可欠な基幹部品であり、当社の製品群は多種多様な企業に採用されている。特筆すべきは、自動車向け部品・パワーステアリングを担う自動車事業が、売上高の半分以上を占めている点である。特にパワーステアリングは単価が高く、当社の事業規模拡大を支えてきた主力製品である一方、価格競争が激しい領域でもある。加えて、完成車メーカーの新車生産台数の影響を強く受けるため、自動車市況が悪化すると当社業績も悪化しやすい性質がある。
✔最終利益と利益率
日本精工の純利益は2018年に過去最高となる693億円に達したが、同年以降は後退がみられる。2020年からは純利益0億~185億円での低迷が続いている。営業利益率は2019年まで8%~9%で推移していたが、2020年からは0%~5%レベルでの停滞が続いている。
✔自己資本比率と純資産
日本精工の自己資本比率は45%~53%ほどで長期的に推移しており、精密機械メーカーとしては良好な水準。負債に依存しすぎない事業運営ができており、財務健全性は依然として高い。純資産は2021年から緩やかな増加傾向にあり、2024年には6,780億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
日本精工の平均年収は2019年に775万円に到達したが、同年以降は685万~765万円での推移が続いている。総合職の場合、30歳で年収550万〜620万円ほど、課長職レベルで950万〜1,050万円が目安となる。平均年齢は41.9歳(2025年)と大手メーカーの標準的な水準。
✔従業員数と勤続年数
日本精工の単体従業員数は2022年まで微増傾向が続いていたが、同年をピークに微減傾向に転換。2024年には組織再編によって前年から500名ほど減少*2している。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.40万人ほど。平均勤続年数は16.7年(2025年)と大手企業の標準的な水準を上回る。
*2:2024年に単体従業員数が減少した理由は、業績悪化していたステアリング事業の組織再編(参考リンク)。その後、同事業(NSKステアリング&コントロール)の株式の半分をジャパン・インダストリアル・ソリューションズへ譲渡した経緯がある(参考リンク)。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
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