企業概要
日本テレビホールディングスは、日本テレビ放送網・BS日本・CS日本などを傘下に持つ大手テレビ局。1952年に読売新聞社が主導して日本初の民間テレビ局として設立。民間テレビ局として初の国会中継・ドラマ・スポーツ中継などを次々と展開して、日本におけるテレビ文化の礎を築き、日本初のテレビコマーシャルも放映。2000年にはBS日本を設立して、BSデジタル放送にも進出。現代においても民放キー局5社の一角として君臨しており、フジ・メディア・ホールディングスに続く業界2位の地位を確立。
・民法キー局2位であり視聴率はトップ級、日本最古のテレビ局
・売上高・利益いずれも横ばいで成長性なし、財務体質は極めて良い
・平均年収1,358万円だが総合職でも30歳850~980万円ほど、福利厚生も普通
就職偏差値
78(頂点)
日本企業における頂点の1社であり、まさしくトップクラスの勝ち組。誰もが羨望する圧倒的な待遇・地位が約束されるスーパーエリート。しかしそれゆえ、入社できるのは同世代の極一握りに限られ、超人的な能力・努力・運がすべて必要となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
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業績動向
✔売上高と経常利益
日本テレビホールディングスの売上高は3,900億~4,200億円レベルで長期的に停滞*1。営業利益も2021年を除けば*2、長期的に420億~520億円レベルで横ばいが続いている。よく言えば安定しているが、悪く言えば成長性はない。
*1:テレビ業界は典型的な斜陽産業であり、当社に限らず業績を伸ばせない状況。理由は、①インターネットの普及による動画サイト・SNSへの顧客流出、②娯楽の多様化によるテレビへの関心低下、③規制強化によるコンテンツ制作の制約増加、など。
*2:2021年の利益急増は、①前年度にCOVID-19影響で急減した広告収入の反動急増、②傘下のスポーツクラブ「ティップネス」の赤字解消、などが主要因。
✔セグメント別の状況
日本テレビホールディングスは、メディア・コンテンツ事業(テレビ広告枠販売・有料放送・映像音楽ロイヤリティ収入・映画・テーマパークなど)、生活・健康事業(スポーツクラブ運営)、不動産事業(不動産賃貸・ビルマネジメント・太陽光発電)、の3事業を有する。
当社は売上高・利益いずれも約90%前後をメディア・コンテンツ事業であり、名実共にテレビ事業が圧倒的な中核事業。スポーツクラブを運営する生活・健康事業は2014年にサントリーから買収したスポーツジム「ティップネス」が主力であるが、全社利益への貢献は乏しい。
✔最終利益と利益率
日本テレビホールディングスの純利益は、長期的に300億~400億円レベルで横ばい。営業利益率は8%~14%ほどで長期的に安定的、そこそこ高めの水準だが世間が思うほど高利益率でもない。
✔自己資本比率と純資産
日本テレビホールディングスの自己資本比率は75%~80%ほどの高水準で安定的。純資産は長期的に増加傾向が続いており、直近では9,473億円に到達。財務体質は極めて堅実であり、倒産リスクとはおよそ無縁。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
日本テレビホールディングスの平均年収は1,350万~1,400万円程で推移しているが、これは持株会社の201人のみの平均年収。大卒総合職であれば30歳で850万~980万円、課長職レベルで1,300万~1,400万円ほど。
✔従業員数と勤続年数
日本テレビホールディングスの単体従業員数は長期的に180人~200人で横ばい。子会社・関係会社を含めた連結従業員数は5,100人ほど。平均勤続年数は16年~20年ほどで推移しているが、これは持株会社の201人のみの平均勤続年数。
総合評価
企業格付け:SS
■業界ポジション
民放キー局5社の一角。売上高においてはフジ・メディア・ホールディングスに続く業界2位の立ち位置であるが、フジテレビが視聴率を落としている昨今においてはNHK・テレビ朝日と視聴率首位を争う関係にある。民間テレビ局として最古でありながら、今なお業界トップに近い名門である。
■業績動向
斜陽産業とは言われつつも底堅い。直近8年間は売上高・利益いずれも横ばいであり、インターネット動画サイトの急激な普及に押されつつも、世間が思うほど大きく業績衰退するような事態には陥っていない。営業利益率も10%前後で安定しており、そこそこの利益率を保っている。良くも悪くもテレビ業界は成熟産業であるうえ新規投資が少なく済むこともポイント。
■財務体質
極めて良い。自己資本比率は80%前後で安定しており、純資産も増加傾向。長年に渡って利益を安定的に蓄積してきたことで、著しく堅実な財務体質を実現。手元の現預金は直近で1,100億円を優に上回るが、有利子負債はたったの50億円超にすぎない。多少の業績悪化に見舞われたとしても余裕で耐え凌げるだろう。
就職格付け:S
■給与水準
現在においては世間が思うほど高給でもない。持株会社の200人に絞っても平均年収は1,300万円程。大卒総合職であれば30歳で850万~980万円ほどであり、課長職レベルで1,300万~1,400万円ほど。かつてのテレビ全盛期には卓越した給与水準・名声によって全業界トップクラスの人気企業であったが2010年の給与制度大改訂やテレビ産業衰退を経て、人気にも陰り。
■福利厚生
普通。家賃補助・独身寮などはないが、転勤すると5年間に渡って借上げ社宅が与えられ、6万円上限の3割負担になるくらい。それ以外の福利厚生は日系大手とそう大差ない。採用サイトでは福利厚生の一部に社員食堂・カフェが紹介されているが、今どきそれは福利厚生として誇るレベルのものではないだろう。
■キャリア
部門別採用。アナウンス部門・報道部門・コンテンツ部門・コーポレート部門・エンジニア部門がある。アナウンス部門は言わずもがなの超難関職種であるが、そのほかの部門は普通のサラリーマンである。アナウンス部門において人気アナウンサーとして成功した場合にはフリー独立の道を歩むことも多い。いずれの職種も総合職採用でありつつも採用部門における専門性を高めていくキャリアが主。