本レポートでは、印象論ではなく、データから就職偏差値と格付を評価しています。レポート末尾で、最終結論とその根拠を提示します。
企業概要
安田倉庫は、倉庫業・物流業・不動産業を主力とする倉庫会社。1919年に守屋此助が子安村埋立事業者として創業。1924年には埋立地周辺にて倉庫業を開始、関東大震災後における復興物資の荷揚げにも貢献を果たした。終戦後には米軍によって港湾・倉庫施設の多くを接収されるが、1955年には全面返還を受ける。1960年代にはトラック輸送や国際輸送にも進出し、総合物流会社へと発展した。現在では、倉庫保管・港湾運送・陸上運送・国際物流などを担う物流事業を中核としつつ、オフィスビル・ホテル・商業施設などの不動産事業も展開しており、物流と不動産を組み合わせた事業構造を持つ。
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:63(中堅上位)
旧安田財閥の系譜に連なる名門企業であり、創業100年以上の歴史を持つ老舗。物流業界としては明確に上位レベルの給与水準を得られるが、一般知名度は振るわない。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:難関
総合職の採用人数は年間20人~40人ほど。マイナー業界ながらも倉庫業界は底堅い人気があり、財閥系の倉庫会社とも併願されやすいために難易度は決して低くない。
採用大学:【国公立】大阪大学・神戸大学・千葉大学・横浜国立大学・富山大学・東京都立大学・大阪公立大学・横浜市立大学など、【私立】慶應義塾大学・早稲田大学・国際基督教大学・同志社大学・立教大学・法政大学・成蹊大学・獨協大学・フェリス女学院大学など(出典:マイナビ2028)
業績動向
✔売上高と営業利益
安田倉庫の売上高は長期的な増加傾向が続いており、2025年には過去最高となる751億円に到達している*1。営業利益は2019年に過去最高となる35.5億円に増加したが、同年以降は25億~35億円でのレンジ推移が続いている。景気後退局面も含めて安定的に営業利益を確保できている。
*1:当社の売上高の成長が続いている理由は、①積極的なM&Aによる物流会社の買収を繰り返していることによる規模拡大、②物流拠点の新設・拡張による輸配送ネットワークの拡大、など。過去5年間では、エーザイ物流・南信貨物自動車・OSOホールディングスなどを買収している。
✔セグメント別の状況
安田倉庫は、物流事業(倉庫保管・荷役、港湾運送、国際輸送、物流施設賃貸など)、不動産事業(オフィスビル・住宅賃貸、ホテル・商業施設・駐車場賃貸、ビルメンテナンスサービスなど)、の2事業を有する。
当社の事業構造は、物流事業を本業としつつ、不動産事業を安定収益源として組み合わせるハイブリッド型として成り立っている。主力の物流事業においては、国内物流・国際物流に加え、メディカル物流・ITキッティング・文書保管・情報管理・引越といった周辺領域まで抱えている。保管・配送だけでなく、キッティング・設置・回収・廃棄・情報管理まで含めてワンストップで請け負うことで、顧客の物流機能そのものを取り込む構造になっている。一方の不動産事業では、保有不動産の維持管理と価値向上を進めつつ、オフィスビル・ホテル・商業施設などを運営している。不動産サービスは物流事業の補完ではなく、独立した収益源として機能しており、荷動きや景気動向の影響を受けやすい物流事業を下支えする役割を持つ。売上高の約91%を物流事業で稼ぐが、全社利益においては不動産事業が約28%を稼ぐ構造となっており、物流事業が不調に陥ったとしても不動産事業が利益を支える事業構造となっている。
✔最終利益と利益率
安田倉庫の純利益は2020年に過去最高となる29.4億円に到達したが、同年以降は22億~29億円のレンジで安定的に推移している。営業利益率は2019年に7.71%にまで上昇したが、同年以降は3%~7%での推移が定着している。
✔自己資本比率と純資産
安田倉庫の自己資本比率は2018年の55%をピークに緩やかな減少傾向にあり、2025年は44.6%となっている。安定的な利益体質を加味すれば、財務健全性に特段の問題はない水準だろう。純資産は2023年まで緩やかな増加傾向が続いていたが、2025年には941億円まで増加している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
安田倉庫の平均年収は長期的に710万〜750万円で安定的に推移しており、年度による上下変動はほとんどみられない。総合職の場合、30歳で年収530万~600万円ほど、課長職レベルで年収920万~1,020万円が目安となる。物流業界としては上位クラスの給与を得られる。
✔従業員数と勤続年数
安田倉庫の単体従業員数は緩やかな増加傾向にあるが、2025年においても472人と少数精鋭の組織体制。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,538人ほど。平均勤続年数は12.8年(2025年)と大企業の標準的水準を下回るが、過去8年間に渡る採用強化によって新入社員が増加している反動である。
上記の公開データを総合的に踏まえた、企業としての実力値と就職先としての評価を、以下に最終的な評価結論として整理します。
総合評価
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