企業概要
レンゴーは、段ボール・軟包装製品・重包装製品などを主力とする包装資材メーカー。1909年に井上貞治郎が日本初となる段ボールメーカーとして創業。1920年代から国産段ボールの大量生産化を進め、日本に段ボールを普及させる貢献を果たした。1970年代には消費者の高級志向化に応えるべく、カラー段ボール箱・美粧段ボール箱を実用化。1980年代には粘着テープ・不織布・マルチパックなどに参入、総合包装資材メーカーへと発展。現在では段ボール分野で国内シェア1位、国内外7,000社以上に包装資材を供給する。
・段ボール分野で国内シェア1位の大手包装資材メーカー、大阪府に本社を置く
・売上高は右肩上がりで増加しており利益も微増傾向、財務体質はまずまず
・平均年収751万円で住宅補助も手厚い、第三子には出産祝い金100万円を支給
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:63(中堅上位)
サラリーマンの中堅上位クラスの待遇を得られ、世間的にも有名企業・大企業勤務として認知される。サラリーマンとして安定した人生が得られるが、入社するには人並み以上の努力が必要だろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
総合職の採用人数は年間50人~60人ほど。売上高1兆円に迫る巨大メーカーながら、段ボール・包装資材というマイナー分野故に選考倍率は低め。かなりの穴場企業。
採用大学:【国公立】名古屋大学・東北大学・新潟大学・信州大学・岐阜大学・福井大学・長崎大学・京都府立大学・鳥取大学・北見工業大学など、【私立】早稲田大学・立教大学・立命館大学・日本大学・成蹊大学・龍谷大学・芝浦工業大学・東京電機大学・武蔵野美術大学など(出典:マイナビ2026)
業績動向
✔売上高と営業利益
レンゴーの売上高は長期的な増加傾向が続いており、2023年には過去最高となる9,007億円に到達している*1。営業利益は売上高ほどの成長はみられず、170億~410億円ほどで長期的に推移している。2023年には若干の上振れを示しており、過去最高となる営業利益488億円に到達*1。
*1:当社の売上高の成長が続いている理由は、①中小段ボール会社の友好的M&Aによる規模拡大、②ECサービスの普及や脱プラスチック意識の高回りによる段ボール需要の拡大、③世界的な原材料価格の高騰を受けた値上げ対応による増収、など。
✔セグメント別の状況
レンゴーは、板紙・紙加工事業(板紙・段ボール・段ボール箱などの製造・販売)、軟包装事業(軟包装・セロファンなどの製造・販売)、重包装事業(フレキシブルコンテナ・クラフト紙袋・重量物段ボールなどの製造・販売)、海外事業(海外における事業展開)、その他事業(不織布・紙器機械の製造・販売、運送業・保険代理業・不動産業など)、の5事業を有する。
当社は板紙・紙加工事業が売上高の約56%を占めており、段ボール分野が最大の稼ぎ頭となっている。現在では総合包装資材メーカーとしてフィルム包装・ラベル・粘着テープ・不織布など多種多様な包装資材を生産しており、顧客企業のあらゆる包装ニーズに自社一貫で提案・生産・供給ができる点が強み。
✔最終利益と利益率
レンゴーの純利益は2018年まで130億~170億円ほどで推移していたが、同年以降は200億~280億円に拡大。2023年には過去最高となる330億円に到達している。営業利益率は3%〜6%ほどで安定して推移しており、高くもなければ低くもない水準。
✔自己資本比率と純資産
レンゴーの自己資本比率は長期的に33%~36%ほどで横ばいが続いており、高くもなければ低くもない水準。純資産は長期的に右肩上がりで増加しており、2023年には4,389億円に到達している。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
レンゴーの平均年収は2022年まで690万~730万円で安定的に推移していたが、2023年には751万円に上振れている*2。大卒総合職の場合、30歳で年収500万~600万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,050万円が目安。包装資材メーカーとしては最高峰の給与水準である。平均年齢は41.7歳(2023年)と大企業の標準的な水準。
✔従業員数と勤続年数
レンゴーの単体従業員数は緩やかな増加傾向が続いており、2023年は4,345人ほどの組織体制となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2.33万人ほどの大所帯である。平均勤続年数は16.4年(2023年)と大企業の標準的水準をやや上回る。
総合評価
企業格付け:CCC
日本において国産段ボールを実現した企業であり、現在においても段ボール分野で国内シェア1位に君臨する業界大手。最近では単なる包装資材メーカーに留まることなく、あらゆる包装資材を活用して顧客企業に付加価値ある包装ソリューションを提供する戦略を志向している(参考リンク)。業績においては売上高の成長が長期的に続いており、2023年には売上高9,007億円にまで到達している。製紙産業は斜陽産業と言われて久しいが、当社の主戦場である段ボール分野はECサービスの普及・脱プラスチック意識の高まりなどで需要拡大が続いている状況にある。財務体質においては自己資本比率36.3%(2023年)と高くもなければ低くもないが、利益体質が安定的であるため然程の問題はないか。
就職格付け:CCC
大阪府大阪市に本社を置く、日系最大手の段ボール・包装資材メーカー。創業の地は東京都・品川だが、関東大震災で東京工場が壊滅したことを機に大阪へ本社移転。以来、100年以上に渡って大阪に本社を置き続けている。給与水準においては平均年収751万円(2023年)と、製紙業界・包装資材業界としてはトップクラスの給与水準を誇る。大卒総合職であれば、30歳で年収500万~600万円ほど、課長職レベルで年収950万~1,050万には到達する。福利厚生においても相当に恵まれており、35歳まで独身寮・社宅が与えられるために住宅コストを格安で済ませることができる他、出産祝い金が最大100万円(第三子以降)が支払われる。包装資材メーカーというマイナー分野ゆえに一般知名度は極めて低いが、実質的な待遇は大手メーカーに勝るとも劣らないため、まさしく穴場企業と言えるだろう。