企業概要
MonotoROは、工場用間接資材(工具・部品・作業用品など)を販売するインターネット小売会社。2000年に住友商事と米・グレンジャー社の合弁会社として設立。同年から事業者向けインターネット小売サイトMonotaRO.comを開始。間接資材の「商社から見積をとって購入する」購入プロセスを、誰でも簡単かつスピーディに購入できるビジネスモデルを構築。2006年には東京証券取引所に株式上場。2009年には住友商事が保有株式を売却、現在は米・グレンジャー社が発行済株式数の過半数を保有する。
・工場向け間接資材のインターネット小売会社、米グレンジャー社の傘下
・売上高・利益いずれも右肩上がりで増加、財務体質も大いに健全
・平均年収627万円だが平均年齢が若い、福利厚生もかなり良好
就職偏差値
✔就職偏差値:61(中堅上位)
大手企業の中でも中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。入社できればサラリーマンとして、かなり安定した人生が得られるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:中難易度
事業拡大にあわせて採用を強化しており、総合職の採用数は年間30人~40人と企業規模の割には多め。中途採用にも積極的である。本社が大阪であるため、関西出身者の比率がやや高め。
採用大学:【国公立】大阪大学・大阪公立大・岡山大学・信州大学・京都工芸繊維大学・広島市立大学など、【私立】同志社大学・立命館大学・法政大学・東洋大学など(出典:マイナビ2025)
業績動向
✔売上高と営業利益
MonotaROの売上高は右肩上がりでの増加傾向が継続しており、直近では売上高2,542億円に到達。過去8年間で売上高は3倍以上に急増している。営業利益も事業拡大にあわせて増加しており、直近では313億円に到達。
✔セグメント別の状況
MonotaROは、工場用間接資材販売事業(製造業・整備業・建設業などの間接資材のインターネット販売・配送)のみの単一事業会社である。
当社は取り扱いアイテム約2,300万点をインターネット経由で販売、全国各地の物流センターから顧客企業へと供給する事業に特化している。このビジネスモデルは親会社である1927年創業の米・グレンジャー社のMROビジネスを日本流にアレンジしたものである。
✔最終利益と利益率
MonotaROの純利益は事業拡大にあわせて増加しており、直近では218億円に到達。営業利益率は長期的に11%〜13%ほどで推移しており、IT会社としては低いものの小売会社としてはかなり高めの水準。
✔自己資本比率と純資産
MonotaROの自己資本比率は長期的な増加傾向が続いているが、直近では自己資本比率60%以上を確保しており財務体質は健全。純資産は右肩上がりで増加しており、過去8年間で約8倍にも達している。直近の2023年には純資産870億円に到達。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
MonotaROの平均年収は緩やかな増加傾向にあるものの、直近でも627万円ほど。大卒総合職であれば30歳で480万~550万円ほど、課長職レベルで750万~850万円ほど。平均年齢は30代中盤とかなり若い組織であるため、平均年収がやや低めに算出されやすい事情はある。
✔従業員数と勤続年数
MonotaROの単体従業員数は事業拡大にあわせて急増傾向が続いており、直近では772人となっている。平均勤続年数は2021年頃から5年前後で横ばいが続いており、かなり短い。ただし、採用拡大によって新入社員が続々と入っているため、平均勤続年数が伸びにくい事情はある。
総合評価
企業格付け:CC
間接資材分野(MRO)においてインターネット小売という概念を持ち込んだことで流通革命を起こした企業。MROとはmaintenance(保守)、repair(修理)、operations(稼働)の頭文字をとった言葉であり、工場などにおいて必要な道具・資材を意味する。この分野の商品は、不定期・不定量をさまざまな商社から仕入れる必要があり購入プロセスが煩雑であったのだが、当社は1社で全分野を網羅するうえインターネットで簡単に購入できる点が長所であった。従来は気候商会社に2000年に設立された若い企業であるが、業績は右肩上がりでの成長を続けている。売上高は過去8年間で約3倍もの増加を遂げており、今では売上高2,542億円に到達。規模拡大だけでなく利益もしっかりと増やしており、営業利益も過去8年間で約3倍に増加させている。財務体質においても申し分はなく、自己資本比率は直近で約67%と大いに健全な水準を確保。業績・財務いずれも問題はなく、安定した成長を続ける有望企業である。
就職格付け:CC
かつて住友商事が米・グレンジャー社との合弁企業として設立した企業であり、総合商社子会社×外資系企業という血筋を持ち合わせる。2006年に住友商事は早々に全株式を米・グレンジャーに売却してしまったが、当社は想像を超える急成長を続けたことで2024年時点では時価総額1兆円を超える企業価値に到達(住友商事は時価総額4兆円超であるから手放すのが早すぎたと言える)。給与水準は平均年収627万円とそれほど高くないが、これは当社が平均年齢36.7歳とかなり若いことに起因。大卒総合職で30歳で480万~550万円ほどに到達し、課長職レベルで750万~850万円ほどには達する。設立から20年強のベンチャー企業ながらも福利厚生もかなり整っており、住宅補助としては家賃補助制度5万円/月の他、慶弔金制度・退職金制度・インフルエンザ予防接種無料などがある。遺族補償制度も導入されており、従業員が万が一死亡した場合には遺族に最大10年間(子供は19歳もしくは大学卒業まで)に渡って遺族補償金が支払われる。