カテゴリー
化粧品 日用品

【勝ち組?】マンダムの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

マンダムは、男性向け整髪料・ヘアケア製品を主力とする化粧品メーカー。1927年に西村新八郎が国産香水メーカーとして創業。1933年には整髪料『丹頂チック』を大ヒットさせ、知名度を拡大。1960年代には資生堂が男性向け化粧品へ積極進出したことで経営危機に陥るが、1970年にチャールズ・ブロンソンを起用したテレビCMによってブランドイメージを刷新して復活を遂げた。現在では男性向け化粧品・整髪料において国内トップシェア、インドネシアにおいても傑出した人気を誇る。

POINT

・男性向け化粧品分野で国内シェア首位の化粧品メーカー、大阪本社
・売上高・利益は2020年から低迷傾向、財務体質は良好で実質無借金経営
・平均年収713万円で福利厚生は普通、ジョブ型の新人事制度を導入

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:62(中堅上位)

大手企業の中でも中堅上位クラスの1社であり、世間的にも有名企業として認知される。入社できればサラリーマンとして、かなり安定した人生が得られるだろう。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:やや難関

総合職の採用数は年間15名~25名と企業規模なり。化粧品メーカーとして上位級の知名度ゆえに選考倍率は高まりやすい傾向。ハイレベル大学からの採用が多め。
採用大学:【国公立】大阪大学・神戸大学・筑波大学・横浜国立大学・香川大学・宇都宮大学・島根大学・大阪公立大学など、【私立】慶應義塾大学・中央大学・関西学院大学・関西大学・立命館大学・日本大学・近畿大学・西南学院大学・東京理科大学など(出典:マイナビ2026

業績動向

✔売上高と営業利益

マンダムの売上高は2020年まで770億〜820億円で推移していたが、同年以降はCOVID-19影響により急落*1。2021年の売上高573億円を底に回復傾向にはあるが、2023年も732億円に留まる。営業利益も2020年から低迷しており、COVID-19感染終息後も回復は限定的。
*1:2021年から業績低迷している理由は、①COVID-19感染拡大期における外出自粛による化粧品需要の低迷、②国内人口の減少による男性向け化粧品の需要縮小、③インドネシアにおける競争激化や消費者ニーズの変化、など。

✔セグメント別の状況

マンダムは、男性向け化粧品事業(男性向け整髪料・ヘアケア製品・スキンケア製品など)、女性向け化粧品事業(女性向けヘアケア製品・スキンケア製品・メイクアップ製品など)、その他事業(プロフェッショナル製品・貿易管理)、の3事業を有する。
当社は売上高の約55%を男性向け分野から稼ぐか、女性向け分野において売上高の約31%を得ており、意外と男性偏重な事業構造とはなっていない。地域別に売上高を分解すると、海外売上高比率が約50%にも達しておりグローバル展開が進んでいる。

✔最終利益と利益率

マンダムの純利益は2019年まで45億〜60億円で推移していたが、同年以降は低迷。2021年には純損失▲6億円に転落*2した他、2023年も純利益26億円に留まる。営業利益率は2019年まで7%~10%と良好であったが、同年以降は▲4%~2%で低迷。
*2:2021年に純損失に転落した理由は、①COVID-19感染拡大期における外出自粛による化粧品需要の低迷、②夏場の気温低下・長雨による夏シーズン品の販売低迷、など。同年は保有する有価証券を売却することで特別利益11億円を確保したが、それでも最終赤字を脱するに至らなかった。

✔自己資本比率と純資産

マンダムの自己資本比率はやや微減傾向がみられるが、長期的に70%台を維持しており大いに良好な水準*3。純資産は長期的に690億〜730億円での横ばいが続いており、成長も衰退もない推移。
*3:当社は実質無借金経営を達成しており、財務健全性は非常に良好。有利子負債が1億円(2023年)に留まる一方、手元の現預金は220億円(2023年)であり、いつでも完済できる状態を維持している。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

マンダムの平均年収は2020年までは800万円以上で推移していたが、同年以降は下落傾向。2023年には平均年収713万円となった他、人事制度改革による各種手当の縮小が起こっている。総合職の場合、30歳で年収580万~600万円ほど、課長職レベルで年収900万~950万円が目安。

✔従業員数と勤続年数

マンダムの単体従業員は2020年まで増加傾向にあったが、同年からは横ばい傾向に転換。2023年は619人となっている。子会社や関連会社の従業員も含めた連結従業員数は2,670人ほど。平均平均勤続年数は長期的に17年ほどで推移しており、大企業の標準的な水準をやや上回る。

総合評価

企業格付け:CC

男性向け化粧品分野において国内トップシェアを長年に渡って維持している化粧品メーカー。1933年に発売した整髪料『丹頂チック』は男性向け化粧品における当社の知名度・プレゼンス向上に絶大な貢献を果たした商品であり、今なお国内外で継続販売されている(参考リンク)。最近では『GATSBY(ギャッツビー)』や『LUCIDO(ルシード)』などが主力ブランドとして知られ、若者から中高年にまで幅広く普及している。業績においては2020年から低迷傾向にあり、売上高・利益いずれも苦戦傾向。この理由としては、①COVID-19感染拡大期における外出自粛による化粧品需要の低迷、②国内人口の減少による男性向け化粧品の需要縮小、③インドネシアにおける競争激化や消費者ニーズの変化、などがある。2023年にはCOVID-19影響は終息したが、依然として2019年以前の利益水準には及ばない状況が続いている。財務体質においては自己資本比率70%以上と大いに良好であり、無借金経営を長年に渡って維持できている。

就職格付け:CCC

海外売上高比率50%に及ぶグローバル化粧品メーカー。とりわけインドネシア市場においては『GATSBY(ギャッツビー)』は高シェアを確立しており、現在では売上高の約16%を占めるにまで成長している。給与水準においては2019年までは平均年収800万円以上で推移していたが、最近の業績不振によって平均年収713万円(2023年)まで後退。総合職の場合、30歳で年収580万~600万円ほど、課長職レベルで年収900万~950万円が目安。2023年からジョブ型の新人事制度を導入したことで、勤続年数よりも職務に応じた報酬体系へと変更となっている(参考リンク)が、新人事制度においては家族手当・扶養手当・勤務地手当などが廃止されている点には注意が必要か。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:株式会社マンダム(有価証券報告書)