カテゴリー
外資系企業 重工業 防衛機器

【勝ち組?】ボーイング・ジャパンの就職偏差値・難易度と平均年収【企業研究レポート】

企業概要

ボーイングは、アメリカに本社を置く航空宇宙機メーカー。1916年にウィリアム・E・ボーイングが水上機メーカーとして設立。1930年代に航空機市場が発展すると、民間機の大量生産を開始。第二次世界大戦においては大型戦略爆撃機を大量生産して、軍用機メーカーとしての地位も固めた。終戦後には短距離機『737』やジャンボジェットこと『747』を開発して、世界の旅客機市場を席巻。1997年には同業のマクドネル・ダグラスを吸収合併して米国を代表する航空宇宙機メーカーに躍進。現在では航空機メーカーとしてはエアバスと双璧を成す世界2強の一角であり、防衛産業・宇宙産業などにも広く進出。

POINT

・民間航空機における世界的大手であり、防衛機器・宇宙事業など幅広く展開
・2019年から深刻な業績不振で連続赤字、債務超過で財務体質も悪い
・担当職で年収900万円以上、名古屋にも研究開発拠点を開設

就職偏差値と難易度

✔就職偏差値:74(最上位)

日本社会におけるサラリーマンの最上位クラスの待遇を得られる。勝ち組サラリーマンとして胸を張れる人生が得られるが、入社するには相当以上の能力もしくは運が必要。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

✔就職難易度:至難

日本法人は従業員数160人ほどの組織体制であり、入社方法は中途採用のみ。業績不振が続いていることで採用の門戸は狭まっていると推定され、求人数も極めて少ない状況。
採用大学:非公開(出典:ボーイング採用情報

業績動向

✔売上高と営業利益

ボーイングの売上高は2018年の1,011億ドルをピークに2020年には581.5億円まで低迷。同年以降はやや回復したが、2024年も665.1億ドルに留まっている。営業利益は2019年から巨額赤字が続いており、黒字をまったく確保できていない状況*1。
*1:当社の業績低迷が続いている理由は、①2018年・2019年・2024年に小型機『737MAX』が墜落事故や損傷を起こしたことによる販売不振、②墜落事故への不具合対応を怠ったことによる司法省との裁判、③労働組合のストライキによる生産停止、④宇宙事業における『スターライナー』の慢性的赤字、など。

✔セグメント別の状況

ボーイングは、民間航空部門(民間航空業界向け商用ジェット機の開発・生産・販売など)、防衛宇宙部門(有人・無人の軍用機や兵器システムの研究・開発・生産・補修、NASA向けのロケット・人工衛星など)、サービス部門(既存顧客向けのアフターサービスなど)、の3部門を有する。
当社は民間航空機分野において欧州地盤のエアバスと並んで世界シェアを二分する業界最大手の地位を占めている。他にも軍用航空機・宇宙関連など多種多様な事業を展開しており、世界最大級の航空宇宙機器開発製造会社となっている。事業地域はアメリカが地盤だが、全世界的に事業を展開している。

✔最終利益と利益率

ボーイングの純利益は2018年に104.6億ドルに達したが、同年以降は慢性的な赤字が続いている。2020年・2024年には▲110億ドル以上の巨額赤字を計上しており、厳しい業績が続いている。営業利益率も2019年からマイナス圏での推移が続いており、利益創出ができていない。

✔自己資本比率と純資産

ボーイングの自己資本比率は2018年からマイナス圏に突入しており、債務超過の状況にある*2。純資産も2019年からマイナス圏が続いている。2023年には純資産▲172.2億ドルであったが、2024年には▲39.1億ドルまで縮小はしている。
*2:当社は業績が好調であった2018年まで株価上昇を支えるために巨額の株主還元を続けており、自己資本比率が0%近辺にまで低下していた。その後に深刻な業績不振に陥ったことで債務超過に転落してしまった(参考リンク)。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

ボーイングの平均年収は非公開。日本法人の場合、担当職レベルで900万~1,400万円ほど。マネージャークラスで1,300万~1,500万円ほどと推定される。業績不振が続いているとはいえ、依然として恵まれた給与水準が用意されている。

✔従業員数と勤続年数

ボーイングの従業員数はグローバルで17.1万人レベル。ただし2024年に全世界の従業員数の10%を削減する計画が発表されており、減少する可能性が高い*3。日本法人における従業員数は160人ほどと推定される。日本法人における平均勤続年数は非公開。
*3:当社は長期化する業績不振と債務超過を克服する為にコスト体質の改善を試みており、2024年には全世界の従業員数の10%を削減する方針が示されている(参考リンク)。

総合評価

企業格付け:A

民間旅客機分野において欧州地盤のエアバス社と世界シェアを2分する業界トップ企業。第二次世界大戦中には『B17』や『B29』などの戦略爆撃機の大量生産によって連合国軍の勝利に貢献し、戦後には民間航空機の大量生産によって大航空時代を到来させた名門。業績においては2019年から深刻な業績不振に沈んでおり、2019年から2024年まで慢性的な赤字が続いている状況。とりわけ『737MAX』の墜落・損傷事故の連続発生によって信頼性を大きく失墜させたうえ、対策を行ったことで司法省との訴訟問題にも発展。肝煎りの宇宙事業では『スターライナー』が慢性的赤字を続けており、主力事業すべてが不調。財務体質においては債務超過に転落しており、資産よりも負債が大きい状況。これは業績好調であった時期にも巨額の株主還元を続けていた為であり、平常時に財務健全性を向上させていなかった反動である。

就職格付け:AA

航空業界において長年に渡って数々の名機を生み出してきた名門であり、全世界的に誰もが知っているレベルの超有名企業である。1997年に同業のマクドネル・ダグラスを吸収合併したことで、アメリカを代表する航空宇宙機メーカーとしても認知されている。日本法人の給与水準は外資系メーカーとして上位クラスの給与レンジが設定されており、担当職レベルで900万~1,400万円ほど。マネージャークラスで1,300万~1,500万円ほどと推定される。日本法人は日本国内向けのビジネスが主であるが、本国との連携のために英語力は必須である。2024年には愛知県名古屋市に『ボーイング ジャパン リサーチセンター』を開設しており、ボーイング787型機や777型機の主要部品を製造するサプライヤーの技術支援などを強化する方針である。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:Boeing Company(Investors)