カテゴリー
テレビ局

【勝ち組?】フジテレビジョンの就職偏差値と平均年収・待遇【企業研究レポート】

企業概要

フジ・メディア・ホールディングスは、フジサンケイグループの統括持株会社としてフジテレビジョン・ビーエスフジ・ニッポン放送などを傘下に持つ大手テレビ局。1957年に文化放送・東宝・松竹などが共同出資して開局、1967年には文化放送・ニッポン放送・産経新聞社と提携してフジサンケイグループを結成。1980年代から1990年代には数々の伝説的人気番組をヒットさせ、テレビ業界トップ企業として君臨。現代においては視聴率こそ低迷するが、持株会社としての売上高は依然として業界首位。

POINT

・かつてのテレビ業界の覇者、現在は利益で同業他社に抜かれて苦戦気味
・売上高は横ばいだが利益は回復傾向、財務体質は同業他社に見劣り
・平均年収1,580万円だが総合職でも30歳850~980万円、福利厚生も普通

就職偏差値

78(頂点)

日本企業における頂点の1社であり、まさしくトップクラスの勝ち組。誰もが羨望する圧倒的な待遇・地位が約束されるスーパーエリート。しかしそれゆえ、入社できるのは同世代の極一握りに限られ、超人的な能力・努力・運がすべて必要となる。
詳細な企業分析は以下の業績動向社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。

全業界・就職偏差値ランキングはこちら

業績動向

✔売上高と経常利益

フジ・メディア・ホールディングスの売上高は、停滞感が強い推移が長期的に継続*1。2020年に売上高5,000億円台に急落してからの回復は鈍い。営業利益は意外にも2021年から好調であり、同年以降は300億円台を安定的に確保。
*1:テレビ業界は典型的な斜陽産業であり、当社に限らず業績を伸ばせない状況。理由は、①インターネットの普及による動画サイト・SNSへの顧客流出、②娯楽の多様化によるテレビへの関心低下、③規制強化によるコンテンツ制作の制約増加、など。
*2:2021年以降の利益好調は、①子会社のサンケイビルにおけるオフィス賃貸・分譲マンション販売の好調、②子会社のグランビスタホテル&リゾートの業績回復、が主要因。祖業のテレビ関係は低調だが、都市開発・観光事業が大きな利益を稼いでいる。

✔セグメント別の状況

フジ・メディア・ホールディングスは、メディア・コンテンツ事業(テレビ放送・ラジオ放送・映像音楽販売・広告・新聞など)、都市開発・観光事業(ビル賃貸・ビルマネジメント・不動産販売・ホテルリゾート運営)、その他事業(リース・ソフトウェア開発・レストランなど)、の3事業を有する。
当社は売上高の約75%を祖業であるメディア・コンテンツ事業が占めている。しかしながら、直近では全社利益の半分以上を都市開発・観光事業が占めており、メディア・コンテンツ事業の利益以上を稼ぐようになっている。

✔最終利益と利益率

フジ・メディア・ホールディングスの純利益は、年度により好不調が分かれる。COVID-19影響で減益に沈んだ2019年を除けば、純利益250億~460億円ほど。営業利益率は3%~6%での低空飛行が続いており、世間が思うような高利益率ではまったくない。

✔自己資本比率と純資産

フジ・メディア・ホールディングスの自己資本比率は55%~60%ほどで安定的。純資産は長期的に増加傾向が続いており、直近では8,696億円に到達。財務体質はそこそこ堅実ではあるが、同業の日本テレビホールディングスと比べると見劣りする。

社員の待遇

✔平均年収と平均年齢

フジ・メディア・ホールディングスの平均年収は770万~1,500万円程で乱高下しているが、これは持株会社の数十人のみでの平均年収であるため。大卒総合職であれば30歳で850万~980万円、課長職レベルで1,400万~1,800万円ほど。

✔従業員数と勤続年数

フジ・メディア・ホールディングスの単体従業員数は年度により変動するが、いずれも50人以下に過ぎない。ほとんどの従業員は事業会社に属しており、子会社・関係会社を含めた連結従業員数は6,300人ほど。平均勤続年数は直近で17.9年となっているが、これは持株会社の48人のみの平均勤続年数。

総合評価

企業格付け:S

■業界ポジション
民放キー局5社の一角であり、かつては圧倒的な業界首位として君臨。売上高においては現在でも業界トップではあるが、利益においては日本テレビHDに押される一方。財務体質においても日本テレビHDに差を付けられており、業界首位とは今では言いにくい。視聴率においても低迷が続いており、他キー局の猛攻に押されている。

■業績動向
直近8年間は売上高は落としているが、利益は2021年から好調。都市開発・観光事業における業績好調が全社利益を牽引しており、本業たるマスメディアとしての事業以外での利益が増加している構造。COVID-19影響に見舞われた2019年を含めて赤字転落までには至っておらず、衰退に苦しみつつも底堅さはある。

■財務体質
良い。が、テレビ局大手としてはそれほど良くはない。自己資本比率は直近で59.2%とかなり高めであるが、日本テレビ・TBS・テレビ朝日が自己資本比率70%を優に上回る点を踏まえると見劣りする。有利子負債も年々増加し続けており、直近では3,000億円以上。

就職格付け:S

■給与水準
かつてのテレビ全盛期には卓越した給与水準・名声によって全業界トップクラスの人気企業であったが、それも昔の話。現在では持株会社の48人という上澄みに絞った平均年収でも1,580万円ほど。大卒総合職は30歳で年収850万~980万円ほどであり、他業界の大手トップ企業群とそこまで大きくは変わらない。。

■福利厚生
微妙。通勤費は80km以内は全額支給となるが、それ以上の距離の分は不支給(日系大手としては物足りない)。独身寮・借上げ社宅・家賃補助などの諸制度も、募集要項上には存在しておらず、厳しい。フジテレビ内部の食堂は社員証があれば20%引きになるが、割引率は物足りない。

■キャリア
総合職・技術職・アナウンサー職の3職種制。アナウンサー職は言わずもがなの超難関職種であるが、そのほかの部門は普通のサラリーマンである。アナウンス部門において人気アナウンサーとして成功した場合にはフリー独立の道を歩むことも多い。総合職採用であっても配属先部門における専門性を高めていくキャリアが主であるが、部門間を跨ぐローテーションもある。

就職偏差値ランキング【完全版】はこちら!

出典:株式会社フジ・メディア・ホールディングス(有価証券報告書)