企業概要
ネットフリックスは、アメリカに本社を置くインターネットストリーミング・コンテンツ制作会社。1997年にオンラインDVDレンタル会社として設立、2007年から旧来のレンタル業態からインターネット配信への構造改革を開始。DVDに依存せず好きな時に動画を楽しめる便利性によって、アメリカ国内において会員数を爆発的に増加させた。2013年からはコンテンツ制作にも進出、潤沢な資金力によって映画・ドラマ・アニメを生み出している。現在では全世界2億人以上の会員を擁し、インターネットストリーミング会社として世界トップの企業規模に成長している。
・世界最大規模の有料動画配信サイトを運営、会員数は2億人以上
・売上高・利益いずれも急成長、財務体質も急改善して健全化
・エンタメ業界最高峰の給与水準、休日日数は無制限
就職偏差値と難易度
✔就職偏差値:76(最高峰)
日本企業における最高峰クラスのキャリアであり、誰もが勝ち組として認めるレベルの待遇・名声が得られる。入社するためには人並み外れた能力・努力は当然、運も必要である。
詳細な企業分析は以下の業績動向・社員の待遇を参照。本レポート末尾に総合評価を記す。
✔就職難易度:至難
日本法人は従業員数が極めて少ないため、採用数は若干名のみ。エンタメ業界で最高峰の企業かつ恵まれた待遇により、入社する難易度は至難レベル。新卒採用はなく、中途採用のみ。
採用大学:非公開(出典:Netflix採用情報)
業績動向
✔売上高と営業利益
ネットフリックスの売上高は過去8年間で3倍以上に増加*1、直近の2023年には337.2億ドルに到達。ただし最近では成長ペースにも陰りが見えており、増収幅は縮小気味。営業利益は右肩上がりで増加しており、直近では69.5億ドルに到達。
*1:当社の売上高が増加している理由は、①2010年代後半からアメリカ国外において会員数を急増させた点、②自社オリジナルコンテンツのヒットによる競争力向上、③COVID-19感染拡大期の巣籠り需要、などが主要因。
✔セグメント別の状況
ネットフリックスは、インターネットストリーミング事業(動画サイト『Netflix』を通じたストリーミング配信、コンテンツ取得・ライセンス供与、コンテンツ企画・映像制作など)のみの単一事業会社である。
当社は2023年まで祖業のDVDレンタルサービスをアメリカ国内において継続していたが、同年をもってサービスを終了。現在はインターネットストリーミング事業のみとなっている。世界190ヵ国以上でサービスを展開しているが、売上高においてはアメリカ市場が約44%を占める。アジア市場での売上高は11%に過ぎず、地域による偏りが大きい。
✔最終利益と利益率
ネットフリックスの純利益は2016年まで損益ギリギリの推移が続いていたが、同年以降は純利益が安定的に増加。2023年には純利益54億ドルに到達。営業利益率も安定的に増加しつつあり、直近の2023年は20.6%となっている。
✔自己資本比率と純資産
ネットフリックスの自己資本比率は2019年まで20%前後で停滞していたが、同年以降は増加傾向に転換。2023年には自己資本比率42.2%とかなりの高水準に高まっている。純資産は2016年からの約8年間で7倍以上に急増、2023年には205.8億ドルに到達。
社員の待遇
✔平均年収と平均年齢
ネットフリックスの平均年収は非公開。日本法人の場合、担当職レベルで800万~1,800万円ほど。マネージャークラスで2,000万~3,500万円ほど。給与レンジは個々人によるばらつきが大きい。
[日本法人の個別データは非公開]
✔従業員数と勤続年数
ネットフリックスの従業員数はグローバルで1.3万人レベルと事業規模の割に組織規模はかなり小さい。日本法人における従業員数は200人ほどと推定される。日本法人における平均勤続年数は非公開。
[日本法人の個別データは非公開]
総合評価
企業格付け:SS
世界最大規模のインターネットストリーミング会社であり、自社でも映画・ドラマ・アニメを製作するコンテンツ製作会社でもある。もともとはインターネットでDVDをレンタルするビジネスモデルであったが、2000年代中盤からインターネット配信を主力とするビジネスモデルへと転換。現在では世界最大規模の会員数を擁する巨大エンターテイメント会社へと早くしている。業績は2016年頃から右肩上がりでの成長が続いているが、これはアメリカ国外における事業急成長とオリジナルコンテンツのヒットが大きく貢献している。2023年には売上高・利益いずれも過去最高を更新するなど好調ぶりが際立つ。が、新規会員数の拡大ペースは徐々に鈍化しており、過去8年間の成長ペースが今後も続くかは大いに疑問。会員数2億人を超えるまで成長したことで新規開拓が飽和しつつあることに加えて、競合サイトとの競争激化などが逆風。
就職格付け:S
アメリカを代表するテック企業として知られるエンターテイメント会社。2019年頃まではFacebook・Amazon・Amazonに当社とGoogleを加えて『FAANG』と呼ばれる事もあった。日本法人における給与水準は、担当職レベルで800万~1,800万円ほど。マネージャークラスで2,000万~3,500万円ほど。日本のエンターテイメント業界においては最高峰の給与水準となっている。優秀な人材を囲い込むための働き方改革においても著名であり、「世界一自由な会社」として休日無制限・経費使用自由など他社ではありえない制度が多数ある。ただしこれは有能な人材が自由闊達な発想で事業を進めるための制度であり、サボりを是とする凡庸なサラリーマンを抱え込まない少数精鋭の組織だからこそできる制度運用であろう。
出典:Netflix, Inc.(Investor Relations)